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大日本紙業(株)東証2部上場記者会見(その1) 1993-10-25(第602号)

大日本紙業(株)(本社・名古屋市中区錦3-14-15、塗師茂社長)では、昭和51年7月からの名古屋証券取引所市場第2部への株式上場につづいて、関係官庁および東京証券取引所の承認を得て、10月25日から東証第2部市場に株式上場の運びとなった。これを機会に、同社では同日午前10時から東京・銀座「紙のパルプ会館」会議室で業界紙各社との記者会見を行い、塗師茂(ぬし・しげる)社長から同社の現況、東証上場の経緯などについて説明を行った。以下、その概要をお伝えする。

『月曜日の早朝から皆さんにお越しいただくことになりましたが、東証さんのご意向で、JR東日本の上場前日の本日の前場から東京第2部市場に、従来の名古屋第2部市場と同じようにして上場させていただくことになりました。これも偏に皆さんのお蔭で、本当に有難うございました。今後ともどうぞ宜敷くお願いいたします。
お手許に「会社概況書」というのをお渡ししておりますが、以下、大体それにそいながら、会社の特長とかそういうこともお話したいと思っております。

当社は、昭和37年に堤紙工(株)と三和印刷(株)の2つの会社が合併して大日本紙業(株)となりました。昨年30周年記念を催しましたけれども、漸く成人期のいい時期を迎えていると考えております。お手元の資料2頁目に株主構成が出ていますが、設立当初からカゴメさんのお世話になっております。このあと、お得意先の中でポッカコーポレーションさんも大株主になられたりして、どちらかというと独立系の段ボール会社であります。

事業所の所在地は、ご承知の通り、関東は茨城県のつくば市に段ボールと紙器の2つの事業所を持っております。それから愛知県大府市に段ボール工場、名古屋市緑区大高町に紙器の工場、そして愛知県の蟹江に軟包装の工場を持っております。この形に整いましたのが昭和51年、名証に上場した頃です。その頃、千葉県柏市にありました関東の拠点を茨城に移して、漸く関東での基盤をしっかり固めることができました。

この頃のことでしょうか、皆さんご承知の通り、私どもの創業者は提義郎氏で、日段工の副理事長をつとめておりましたが、その堤さんが設立以来約25年間、また創業以来を言いますと更に相当期間、本当に心血を注いで来た会社です。その堤義郎氏が、あるいはいまいる幹部の人たちが東証上場をめざそうと考えたのは、振り返るとその頃に既に伏線があったのではないかと思います。名証に上場し、関東に進出した。こんどはひとつ東証にいけるような会社にしようじゃないかという時期がその頃でした。そして、足かけ17年、先輩たちの思いがかなって、漸く今日、記念すべき日を迎えることが出来ましたが、たまたま私が社長をしておりまして、非常に嬉しく思っております。

次に、当社の事業内容ですが、段ボールと印刷紙器と軟包装と、この3つが柱となっております。実は東証の審査の間、いろいろ話を聞いたりしていたのですが、この規模で、加工食品業界を中心にしてずっと調べたのですが、この3銘柄を自社内で製造、販売できるというのは、ひょっとすると当社だけではないでしょうか、意外と少ないんです。

なぜそういうことに気がついたかと申しますと、私どもは段ボール事業所の中には段ボールの営業所、紙器の中には紙器の営業所、いわゆる事業部制の中に完璧に営業体を包含しているわけです。その事業部制が非常に良い形に成熟して、あとから申し上げます良い形の営業利益を作れるようになったのです。どうもその成熟度が行き過ぎたので、少しトータルパッケージの販売手法、たとえば1人の人間が段ボールも紙器も軟包装も売れるという形の横断的な営業部を実はこの春スタートさせましたので、それを検討している段階で、意外とこういう会社は少ない、例えば他の産業ではあるかも知れませんが、この包装産業の中では意外に少ないことに気がついたのです。

例えば、大日本印刷さんは段ボール部門を持たないし、凸版印刷さんは段ボールを別会社にしでいます。勿論、レンゴーさんもここで軟包装に入ってきておられますから、これからはその方向に進まれるのかも知りませんが、加工食品をマーケットにして、こういう専門的な会社は意外に少ない。ということは、これはひょっとすると当社の一つの大きな強みであり、特色ではないかと考えております。

こういう形の会社を、余り大きくせずに、できればゆったりと経営できる会社に仕上げて行くということで、私は250億円ぐらいの規模に一旦骨格を大きくして、コンスタントに25億ぐらい儲かる会社にしたいのです。それが次のターゲットです。

次に、表5の「最近10年間の業績の推移」ですが、そういう3銘柄を1社で包含している包装材の専門メーカーであるということと、もう一つは今年の12月期の予想も最後のページに出ておりますが、今年も経常利益率を2ケタ以上出しますと、これで経常利益率が売上高に対して10%を越えるのが9期9年連続になります。おそらくこの業種では他に例がございませんし、このような会社を引き継いで、なお経営して行くということ自体に、私どもは大変誇りにしている次第です。

東証でも随分、なぜこうなるのかという質問が出たところです。一つの理由は、いまの段ボール機械、印刷機械は大変高価ですが、私どもでは主力マシンがみな24時間稼働をしております。段ボール加工、印刷加工をしている中で、24時間稼働をしている会社というのは非常に少ないのです。それから、ほとんどフルに動いています。このことが、収益の営業利益を稼ぎ出している主な根源の一つになっているわけです。
それから、もう一つは、営業外の収益です。営業外の収益は、これは当てずっぽうに出しているわけではなく、きちんと計算してやっておりますし、次のバランスシートでお話して行きたいと思います。ただ、この表「業界に占める地位」については、ちょっと誤解が生まれるかも知れませんので、少し了解を得ておきたいと思います。

段ボール業界のデータはあまりありません。全国の生産はいくらかとか、地域別の生産はいくらかというのはあるのですが、会社別のものはありません。そこで東証に説明する資料を作成する上で、これが一番苦労しました。そこで、最も正確に出ているのではないかという前提で、実は日本段ボール工業会の会費というのは、それぞれが年産平米数を申告したものに合わせて一定割合で払っているのです。ですから、レンゴーさんが当然、一番たくさん生産しているので、一番多く支払っておられるわけですが、勿論、1社当たり一定の分を払った上で、何割かのものを生産平米に合わせている、ということです。

これを逆算しますと、自分のところの数字は分かっておりますし、日本段ボール工業会メンバーの方の数字が分かる。もちろん18社の中で、相当の数のところが有価証券報告書を出しておられる上場会社ですから、それらの裏づけも全部チェックして、これなら東証に説明してもほぼ間違いないなという数字が出ましたので、実はここにこういう形で出てきたわけです。そして、このデータは実は私どもの会社の「最近3年間における業界順位、市場占有率」にみるように、業界での市場占有率が1.3%で最近3年間変わっておりませんということを出すための資料でありまして、この順位をお知らせするためのものではありません。ただ、東証のご要望があって作成したものです。

皆さんは業界新聞の方々ですから、当然、この順位はご関心を持たれておられるでしょうが、また決して私どもは全国で8番目の会社だと思っているわけでもありません。うまくいって、「ベスト11」ぐらいかと思っているのですが、たとえば表で当社の下に来ている森紙業さんは横浜と枚方の2事業所だけの分で、全部合わせるとトーモクさんとどちらかと言われておりますし、共同ゴールドさんもこんど日本製紙ができますと、日本製紙の段ボール部門の所帯というのはずっと大きくなります。また、この表には出ておりませんが、日本ハイパックさんのグループも売上高を全部合わせると300億円ぐらい。当社より1.5倍ぐらい大きいわけで、ですから、繰り返し申し上げますが、順位にこだわって表を作ったのではありませんので、誤解を招かないよう、よろしくお願いいたします。

要は、こういう不況の中で、決して業界の占有率を上げたり、逆に下がったりもしておりませんという意味で、東証が出来るだけ業界の正確な数字が欲しいと言われて作ったものです。また、この表の(注)に、日本段ボール工業会18社の全国生産に占める割合は44.6%と、半分を下回っているように書いてありますが、これにはレンゴーさんの関係では大和紙器さんだけしか入っておらず、森さんは先述の通り2工場だけ、共同ゴールドさんも同様で、従って日本段ボール工業会に関連ある、影響力のある会社の生産平米というのは、過半を簡単に越えてしまうだろうと私は思っております。そういう中で11番目ぐらいにでもおれば、まあいいじゃないかという風に考えて、あまく強く拡大への基本理念を持ってこの会社の経営をここ数年やって来たわけではありません。