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北陸森紙業が竣工披露 1994-5-15(第619号)

北陸森紙業(株)(富山県小矢部市岡600番地、藤定輝好社長)では、5月10日正午から新装成った小矢部工場に関係取引先約300人を招いて竣工を披露、引き続き午後1時半から高岡市の「ホテルニューオータニ高岡」で盛大な披露宴を行った。小矢部工場は敷地面積59,589m2、建物18,613m2の広々した大規模工場で、昨年9月完成稼働、設備はISOWA製の最新鋭コルゲータ1基ほか製函設備4ラインで、生産能力はシート月産1,000万m2、製函500万m2となっている。

5月10日の祝典に先だち同社では前日の9日、「ホテルニューオータニ高岡」で藤定輝好社長、上野博史取締役小矢部事業所長、および(株)ISOWA磯輪武雄副社長が出席して記者会見を行い、小矢部工場の建設の経緯や生産状況などを発表した。

<藤定> 私どもの小矢部工場は昨年秋ごろに完成、操業して参りましたが、何分にも雪国で、寒い時期はいつ雪が降り出すかもわからず、結局、竣工式は天候の安定した今日まで延び延びになりました。

まず、大体の工場概要を申し上げますと、「北陸森紙業」は森紙業グループの中でも非常に古い歴史がありまして、これまでに何度も工場を改造したり、建て直したり、機械を入れ替えたり、非常に手を掛けた工場なのです。ところが、従来の高岡工場は周囲がすっかり住宅に取り囲まれてしまい、夜遅くや朝早く工場を動かすと隣近所が非常にやかましいうえ、需要も繁忙期と閑散期と非常に大きな差があり、繁忙期にはどうしても他の工場からの手伝いが必要という事情があって、こんな状況ではこれ以上伸びられないということと、また近隣に迷惑をかけたらいかんということで、3年ほど前からどこか他のところに工場を建てようと考えておりました。

そうした折に小矢部ともう1カ所に候補地があり、小矢部の方から何としてでも来てほしいという話になって、またお世話をして下さる方に非常に懇切丁寧にお世話していただいたことから、それではということで小矢部に決定した状況です。その当時は人手不足時代で、人手も大いにお世話しようということでしたし、それから小矢部は雪もあまり多くないということで、どういう点からみても小矢部だなという判断がありました。

コルゲータは2000mm幅、毎分220mのマシン。平均速度で220mから230mのISOWAさんのコルゲータです。これは新しい原紙の供給装置とか、様々な新しい機構を取り入れて、オペレータ3人で多品種・小ロットの小口を十分こなしながら、なおかつ220mから230mを平均して走らしておりす。

「3人で」というのは、口でいうのはやさしいのですが、なかなか3名で複両面コルゲータを回すというのは難しいことで、いろいろ知恵をしぼって、どうすれば3名で動かせるコルゲー夕ーを作れるか、3名でやるためにはこことこことここを確実に合理化していかなければならないという具合に問題をしぼって、一番最初にやり出したのが3年ほど前、枚方工場で一つの方式を取り人れて、改造した経過がありました。それで大体メドがついたので、昨年の初めごろ九州工場にそういう方式の新しいコルゲータを入れましたが、それで自信がついて次に仙台に入れました。

九州も仙台も、コルゲータは従来から1台ある上に1台新しく増設したわけですから、仮りにうまくいかなくても、もう1台で充分こなせるという事情があって、その点はあまり緊張感はなかったのですが、こんどの北陸森紙業は、ユーザーのついている従来の古い機械を止めて、工場自体を移転し、新しい1台だけの機械を真新しいままの状態で動かしていくわけで、もしうまくいかなければ皆さんに大変ご迷感をかけるということで、大変緊張しました。その前に九州と仙台で2台、新しいコルゲータを入れて、充分な工夫と練習を積んだ上での北陸森紙業でしたが、1年間に3台のコルゲータを入れ、一生懸命練習した成果の出た新しいコルゲータであり、新しい機構だというように考えております。

コルゲータの運転を少ない人数で、例えば2人で出来るとか、3人で、あるいは4人でできるとかというような話はいろいろありましたけれど、結局、スピード・生産量を犠牲にしながらやっていたということが多いのですが、生産量を全然犠牲にせず3名で、しかも多品種小ロットのものをどんどんこなしながら出来るということで、私は一つの新しい事柄をやり遂げたのではないかいう風に自負しているわけです。あとは製函ラインで、フレキソフォルダグルアが2台、プラテンのラインが2系列で、全部で4系列で運営しております。

製函の方は、とり立ててどういうことはありませんが、スタッカーとかパレタイザとか、多少工夫した部分もあります。工場の中は、ご覧いただくとわかると思いますが、全体として常に人の少ない省人化した工場になっております。生産能力は、コルゲートマシンは3直で1千万m2の能力がありますが、まだそれだけ生産した記録はありません。実績として700万m2までは達成しております。といいますのも、いまは多少ひまな時期ですし、1千万m2やろうとしたら、またまた回りからクレームのつくほど注文を取ってこなければいかんし、そうでなくても森紙業は行儀が悪いとか、いろいろ不人気でありまして(笑)、余りいい噂も出ておりませんので、いまはそんなにあわててやらなくてもいいだろうということです。

ただ、私どもの方は受注を拡大するために工場を拡張するとか、世間ではまあそう言われますが、もともとはやはり採算を合わすためにやらなければいかんということが一つと、もう一つは大体、昔から森紙業は朝早くから夜遅くまで一生懸命頑張ってというんですか、頑張ったらだんだん時間がなくなったということで、以前は時短の問題にもあまり積極的ではなかったように思います。

しかし、ここ4-5年は、そういうことも頑張ってやっていこうということで時短を推進するためにもいいだろうということで設備投資を進めたのですが、たまたま出来すぎて、よそに売りに出たことから皆さん方に怒られるような事態もあったようなわけで、この点、大いに反省しております。以上が大体、小矢部工場の概要ですが、あとは何なりとご質問下さい。

<問い> 月産能力1千万m2、これまでの最高で700万m2というと、定時ではどれくらいですか。

<藤定> 定時間というのは何日で何直をやるかというのが問題になると思いますが、私どもが最大能力をいう場合は、3直で24日間というのが普通の言い方なのです。いまはその3直体制を4直にしなければいかんとか、そういうような感じで休日が多くなって、それ以上のことは出来ませんので、大体23日で3直と変則4直という形でやって出来るのが最大能力という状況です。

<問い> 小ロット・多品種で平均220mの貼合スピードということですが、1日あたりのオーダーチェンジはどれくらいあるのですか。

<藤定> オーダーチェンジというのは、勘定してたらもうきりがありません。30枚、50枚のようなものをやっておりますから。

<上野事業所長> 当工場は森紙業グループの全国工場の中でも最多のロット数をこなしているのではないかと思います。1日に1,000種類ものオーダー種類をこなせるものをオプションにつけているのですが、それを1日で越えたこともあります。平均で、現在でも大体600点のオーダーチェンジ、紙幅は勿論ありますが、とりあえずは寸法変更で600は充分あります。

<問い> 「新機構」についてもう少し詳しく。

<藤定> 原紙供給の部分が非常に合理化されました。従来は、原紙をクランプで掴んで、ミルロールスタンドそばまで持って行ってというのが大体の方式だったと思います。私どもでは、原紙倉庫からクランプで原紙を持って来るのは変わりありませんが、原紙自動供給装置の1カ所に原紙を置いたら、コルゲータのまわりを周回するトロッコのような原紙搬送装置でミルロールスタンドまで自動的に運んで、あとは自動チャッキングして連続運転するというシステムになっています。

要するに巻取原紙の自動供給・排出機構で、原紙がコルゲータの横に勝手に行って、自動で紙を供給しながら、余った原紙をまた勝手に積んで帰ってくるというのがこのシステムです。そこが最大の省人のポイントです。省人化できるというのは、一つはコンピュータを最大限駆使しないと出来ません。いまは、あらゆるところがコンピュータで制御できるわけですから、そういう省人化できるところにコンピュータを導入しながら、自動化・合理化して行くということが肝心です。

見た目ではコルゲータはどことも変わりないじゃないかということですが、本当に3人でコルゲータを運転できているところは無いんじゃないかと私は思います。

<問い> 九州・仙台も3人でやっているのですか。

<藤定> そうです。

<問い> 先ほど来の繰り返しになりますが、手元のプリントにあります「原紙自動搬送装置」と「シート自動搬送装置」がこんどの新しいシステムの目玉ですね。

<藤定> そうです。原紙の供給と排出を人手を無しに出来るということが一つの大きな目玉だろうと思います。あとのところは、やり方や方法はちょっと違いますが、皆さん同じようなことをやっておられますが、それがうまくいっているかいないか、それからそのやり方がどのように違うのかというだけで、ただこの原紙の供給と排出の自動化というのは、皆さんまだおやりになっていないところが多いんじゃないか、と思います。

<問い> シートでの出荷は何割ぐらいですか。

<上野> 月によって違いますが、平均すると半々ぐらいです。夏場になってくるとケースの注文が多くなってきますので6割から7割がケースになりますが、全体をならしますと大体半々ぐらいでしょう。

<問い> ダブルはどんな具合ですか。

<上野> ダブルはかなりあります。元来、この地区は繊維の輸出なんかも多かったんです。まあ、だんだん下火になりましたが、厚物の440グラムとか特殊なダブルも多かったです。材質がもう少し落ちて280グラムぐらいになったのですが、それで残っている形です。うちは、どちらかというと全般にダブルは多い方です。

<藤定> 段ボール工場はどこでもダブルが出来るシステムになっているんです。だから、ダブルの多い工場が、段ボール屋の中で一番効率がいいんです。平米数が伸びたとか、スピードが上がったとかというより1.5倍のダブルがどんどん出て、それが100%だったら、儲かってしょうがないと思います。ダブルというのは、段ボ—ル屋はいまダブルをやめておけ、やめておけというような感じで強化中芯やなんやと言っていますが、何でそんな勿体ないことをするんかなと、私はそう思ってます。

ダブルの機械を持っていて、片一方だけの片手しか使わんような、両手あるんだから両手を使ったら仰山取れますよ、なんでそんな勿体ないことをするんかなと、私は逆にそう思うんですね。ダブルは大いに結構だ、ダブルの注文だったら、ちょっと負けてでも取って来いというぐらい、私はダブルが好きです。数字を書くのも、ダブルと書いておいたら、もう書くのも、伝票を切るのもみな一緒だし、何もかもみな一緒で5割多く貰えるんだから、こんな良いことありませんよ。それで安くなった紙をたくさん使えるとなったらもっといいんですが、まあ、紙は最近高くなって来ましたから(笑)。

<問い> ISOWAさんでの開発の経過を。

<磯輪副社長> 先ほど藤定社長からお話がありました通り、まず枚方の方で基本的な考え方、構想をやらしていただきました。それには藤定社長のアイデア、発想がありまして、次に九州ではこうこう、こうしたらどうかといった話があり、いわばここでご覧いただくものの原型のようなシステムですが、それがうまくいって、次はほぼ同じものを仙台で2台目、さらにここが3台目という経過です。

結局、小ロットで、しかも高速連続運転をしなければならないという基本的な条件の中で、何がネックなのかということがあって、そのための一番基本的なことは「原紙の投入」と「出て来た製品の排出」をいかに効率よく、人手をかけずにやるかだという結論でした。では、それを実現するためにはどうなんだと、かなり色んなアイデアを森さんの中でお出しいただき、原案がまとまって、それを私の方で一応実現したということです。一番大きいところは、やはり材料をいかに人手なしで速く、かつタイムリーに入れるかということと、出て来た製品を同様に早く処理するかということの2つに絞られたということで、当然のことながら両方とも全てコンピュータでコントロールするわけです。

<問い> この地方は、需要の緊閑が激しいというお話がありましたが、年間を通じてはどんな。

<藤定> 一番忙しい時期を100としますと、ヒマな時期は60ぐらいになってしまうんです。特に夏場の一番忙しい時期、まあこれから夏場にかけてですが、いくら作っても作っても作り切れないほど、湧いてくるように出てくるんです。やはりそれは青果物の関係が多いのですが、たまたま私どもは青果物ばかりに一生懸命で、一番安い、一番がさつくものばかり一生懸命やってきましたから、それで、そのようなものをこなすためには、やはり能力は充分なかったら皆さんにご迷惑をかけることで、まあ悪いときで60%ぐらい、半分よりやや多いかという感じでおります。冬場は、雪が降ると交通はマヒする、人の動き、車の動きが鈍くなり、また皆さんぜいたくになって、雪が降るのに仕事みたいなもの出来るかいというようなことがありまして、降り出したら、仕事はあっても、してくれないというようなことがありますね。

<上野> ハウス栽培なども雪が降るとほとんどつぶれてしまうんです。だから、雪が消えたあとに種まきなり、何なりをするということですから、どうしても夏場中心に物を出すことになります。それとまた、近年、キリンビールさんとか、アサヒビールさんとか、飲料メーカーがいろいろお見えになりまして、それもやはり夏場中心というのが、季節的な需要の繁閑の差を広げている感じです。

<藤定> 私どもでは、前の工場ですね、500万m2できる工場をそっくり置いてありますので、もっと繁忙になって、繁閑の度合が広がってきたら、また向こうも動かしますから、まだ幾らでもできるんです。それから、私どもには北から南まで全国に多数の工場がありますので、ヒマな時は九州に行ったらいいじゃないかとか、夏の暑いときは北の方から来たらいいじゃないかと、研修がてら遊びがてら来る者もいるわけです。いろいろ、やり方はありまして、繁忙期と閑散期があるからといって、しかし工場が止まってしまったということは余りないんです。

<問い> グループの工場はいま幾つですか。

<藤定> 28工場で、コルゲータ工場がうち18工場あります。

<問い> コルゲータ台数は。

<藤定> (指折り数えて、結局?)。

<問い> シートの月間生産量はどれくらいですか。

<藤定> 最高の生産実績を挙げたのが1億3千万m2です。年間を通しては1億m2を出たり入ったりです。今年は、昨年コルゲータが増えた部分と、今年また少し増えてきますし、この間は東北森紙業のコルゲータをすっかり入れ替えたというようなことがあって、今年はもう少し能力的には増えます。

<問い> 能力の伸びは、例えば前年比で何%ぐらい。

<藤定> これはね、言わないとおかしいんですが、そっとしておいて下さい。これを言いますと、何か私どもが悪いことをしているような感じになりましてね(笑)、悪いことは何もしていないんですが。最近、といっても1年前ぐらいから、森さんは勝手なことばっかりしていると怒られました。最近では、そういうことはもう一切せんようにしているんです。真面目にやっておりますから、どうぞ、よろしくお願いいたします。