特大


得能正照自叙伝「発明街道」

ホーム > 得能正照自叙伝「発明街道」 > 「第三世代への展望」 スカンディアヴェル技術総会で講演

「第三世代への展望」 スカンディアヴェル技術総会で講演
(1983-03-11) レンゴー株式会社 専務取締役 得能 正照

1981年3月、スカンディアヴェル技術総会において、皆様に段ボール機械開発の方向について私見をお話してから、既に2年が経過しました。私にとりまして、この2年間は段ボール産業の第二世代から第三世代への移行についての思考の期間でした。以下、それに関連してお話いたします。

1 第二世代から第三世代への移行
第二世代の段ボール機械とは、前回のスピーチでお話ししましたようなスプライサー、フィンガレスシングルフェーサ、インスタントオーダーチェンジが可能なスリッタースコアラ、ダイレクトドライブ・カットオフ、ダウンスタッカー等が装備され、マイクロプロセスにより運転管理されるコルゲータであり、オートフィーダ、自動セット装置を持った印刷製函機等の装備されたコンバーターであると私は考えております。

この第二世代から第三世代への移行に当たっては、高速化に向かっている段ボール機械の適正スピードはどの程度がよいのか、段ボールの生産に大きな影響を及ぼす原紙の品質及びメカニカルコンディションは、現在よりどのように変わって行くのか、良くなるのか、悪くなるのか、これらに対応した段ボール工場の無人化への必要条件とは何かなどを充分に考慮に入れなければなりません。これらの問題について、私の考えを申し上げ、皆様の参考にしていただければと思います。

2 第二世代段ボール機械の問題点
それでは、第二世代の問題点について、運転上と機械上に分けてお話しいたします。
(a)運転上の問題点
フィンガレスシングルフェーサの開発によって、われわれの使用する原紙の品質は大きく変わってきました。特に中芯においては、多種多様な中芯が使用され、それぞれ箱の強度に対応できるようになりました。また、米国の「ルール41」に代表される箱の強度規格も段々見直され、ユーザーの仕様にあった箱の生産がされるようになりました。

しかし、われわれが現在入手できる原紙の中には、第二世代のコルゲータに適さないものが数多くあります。せっかく多額な投資をしたコルゲータでありながら、原紙による多くのトラブルが発生して、所期の目的が達成できない工場を数多く知っております。これが大きな問題です。

現在、われわれが持っているミルロールスタンドは、ほとんどが2スタンドか、ターンオーバータイプです。それぞれ一長一短がありますが、ここで原紙装着の手順をもう一度考えてみたいと思います。
オーダーに合った原紙を、ミルロールスタンドの手前、コンベア上におく。スプライス終了後、残原紙を取り出すか、紙管を外し、ミルロールスタンドのアームを上昇し、コンベアを稼働させ、新原紙をアームの中に入れる。
次に、アームを下降させ、アームのチャックを原紙センターに合わせて、アームを中央に寄せ、原紙をつかみ、所定の位置まで新原紙を持ち上げて、作業を終了します。
この作業の所要時間は平均2.5分で、5基のミルロールスタンドへの原紙装着作業に如何に多くの負担がオペレーターにかかっているかが分かります。

現在、われわれが持っているスプライサーは、その全部が、両面粘着テープによるスプライサーです。その成功率は、オペレーターの練度により、使用する粘着テープの品質により、更にスプライス時のスピードにより、スプライサーにより、または使用原紙によっても、大きく異なります。

スプライス作業の複雑なスプライサーほど成功率は悪く、スプライサーの失敗はコルゲータの生産性を大きく低下させると同時に、品質に大きな影響を与えるので、私はコルゲート作業の中で最も重要なものはスプライサーであると思っております。

最近のレンゴーにおけるスプライサーの成功率の実績は99.8%です。そのスプライス・ミスの原因を調べてみると、原紙の水分ムラ・原紙の巻き不良・紙管割れ・スプライス時のショック切れ等の原紙不良による失敗が35%もあり、現状では避けがたいものです。従って、スプライス失敗後の紙通し作業は、出来るだけ簡単な作業で行えるスプライサーが要求されるわけです。

ロールが数多くあるアキュームレーターを持ったスプライサーは、原紙の強度を劣化させるだけでなく、紙通し作業が複雑となり、人手を要し、運転復帰に時間を要するので、考え直さなければならないでしょう。

最近、西側成熟社会では、経済は低成長であり、ますます段ボール箱の受注は少量多品種となってきております。日本においても同様で、平均ロットサイズは、当社のA工場で75年の3500mから82年には2600mに、B工場は同じく3100mから1900mに、C工場は2900mから1900mへの減少(小ロット化)となっております。従って、原紙のロット替えによるミルロールスタンドへの装着作業時間、スプライサーの準備時間が、コルゲータのスピードを低下させる原因を作っていると言えましょう。
以上が、われわれが現在でも日常的に経験している問題です。

それでは、現在のコルゲータについて、われわれが受けているトラブルを考えてみましょう。
(コルゲータのトラブル発生要因)
 原紙不良及び作業ミスによるスプライス失敗
 シングルフェーサ及びその前での原紙の張り切れ、蛇行
 シングルフェーサでの中芯の段成形不良、フラッフアウト、ハイロー発生、接着不良
 ブリッジ上での片段の張り切れ
 片段エッジガイドでの片段の耳ズレによる切断
 片段プレヒーターでの片段張り切れ
 グルーマシンでの貼合不良
 ダブルバッカーでの段つぶれ及び熱板によるシート表面のキズ発生
 スリスコでの切断不良、シートジャムアップ、スリッター耳のシャフト巻きつけ
 カッターフィードコールでのジャムアップ、段つぶれ
 カッター後のオーバーラッピング部でのジャムアップ、不揃い
 スタッカー部でのジャムアップ
 スタッカー時及び排出時の積み上げシートの転倒

以上、如何に数多くのトラブルが発生しているか驚かされます。その一つひとつのトラブル後の運転復帰に多くの時間と作業人員を要し、ロス率の悪化と品質の不良が発生します。また、トラブルの原因は不可抗力によるものであり、如何にマイクロプロセスで運転管理されていても、われわれはこれを避けて通れません。

(b)機械上の問題点
レンゴーでは1979年3月、東京工場に2440mm巾、スピード250m/分のコルゲータを新設しました。このマシンのデータと、湘南工場の2200mm巾、スピード200m/分のデータとを比較してみました。
両者とも第二世代のコルゲータであります。そして、東京工場のコルゲータは、湘南工場のコルゲータに比べ、巾で11%、速度で25%ほどの高い性能を持っておりますが、運転実績では紙巾で5%、速度で2%のアップに止まっております。また、マシンの設計速度250m/分に対する運転平均速度は、何と68%の低効率です。

次に、エネルギーの原単位を考えますと、高速マシンでは、もちろん、モーターの容量は飛躍的に増えます。250m/分マシンでは30%近くの容量アップが必要ですが、現状ではロットサイズの減少と原紙の品質によって、高速マシンの性能を十分発揮できません。従ってエネルギーの原単位の上昇は避けられず、高速化は、コストの低減には必ずしも役立っていないのではないでしょうか。私はもちろん、高速化を否定するものではありません。それぞれのローカルコンディションに基づいて機械巾・速度が決定されるべきで、平均速度を如何に高く維持できるかが、今後のコルゲータの方向ではないでしょうか。

現在、第二世代のコルゲータは、全長約100mが普通です。しかし、ここで考えねばならないのは、作業人員の配置です。すなわち、ウェットエンドとドライエンドと糊室及びボイラー室に分かれており、それぞれが遠く離れて作業しております。従って、トラブル発生を早期に発見し、相手にトラブルの詳細を早く伝えることが難しくなっていると同時に、相互の作業協力が、その距離の関係で出来ないので、トラブル後の運転復帰に時間を要し、余分な人員を配置せざるを得ないのです。
もちろん、コルゲータの全長にあった設備投資もそれなりにかかります。特に、日本のように土地価格の高い国では、頭の痛い問題であります。

1973年の第一次オイルショック以降、世界は挙げて省エネルギー対策に打ち込んでおります。熱を大量に使用するコルゲータでも例外ではありません。1977年8月、アメリカの紙化学研究所でコールドコルゲータが発表され、熱を余り使用しないコールドコルゲーションに全世界が注目し、この研究に力を注いで参りました。しかし、非常に難しい問題が多くあると思います。

すなわち、現在使用中の熱消費型コルゲータを簡単な方法でコールドコルゲータへ転換は可能か/コルゲータのトラブル止転の際、糊の変化はどうか、運転復帰への所要時間はどうか/耐水性糊の可能性は--等々です。

われわれが生産している段ボール箱は、ほとんどが何らかの方法で印刷されております。そして、現在われわれが行っているのは、段ボールシートへのフレキソ印刷がほとんどです。この印刷方式は、印刷の面積比率によって箱の強度に大きな変化を与えることが明らかです。

一方、最近の段ボール箱は内容品の保護だけのためではなく、内容商品の消費者へのアピールを兼ねて、箱の印刷は色数も印刷面積も増えているのが現状です。従って、われわれは省資源のため、箱の軽量化へ進むのとは逆に、原紙の重量増を余儀なくされております。

そこで考えられたのが、プレプリント方式の段ボール箱です。これは、コルゲータにおける、直流モーターによるダイレクトドライブ・カットオフの開発によって大きな前進を見ました。しかし、ライナーに印刷する印刷方式は、グラビア方式とフレキソ方式が考えられますが、いずれも大きな設備投資を必要とします。

いま、各社が導入を考えている印刷機はフレキソ方式で、従来のセンタードラム方式かスタック方式ですが、最近、ベルト方式のフレキソ印刷機が開発され、版の交換が非常に早くなりましたが、印刷精度は従来のフレキソ輪転印刷に劣ると思われます。また、在来のフレキソ輪転印刷では、版ロールの在庫が多く、その保管と版ロールの在庫価格(印刷機とほぼ同価格)が大きな問題です。

3 第三世代移行への考察
(a)原紙問題
先ほど、供給原紙の品質とメカニカルコンディションについてお話ししましたが、使用原紙の品質とメカニカルコンディションはわれわれ段ボール産業に大きな影響を与えます。従って第三世代への移行に当たって一番に取り上げるべき問題です。

素材産業である製紙産業は、他の素材産業と同様、その立地条件によって大きく競争力を左右されます。すなわち、製紙産業のコスト競争力は、木材の成長率及び価格、エネルギーコスト、労務費、公害対策費の多少、製紙工場からコンバーターまでの輸送コストによって決まると思います。従って、保護貿易主義から自由貿易に移行しつつある国際環境の中で、われわれは自由に使用原紙を選ぶことが出来るようになり、ますます使用原紙の品質とメカニカルコンディションが重要になってきました。

製紙メーカーの国際競争力の中にあって、われわれ段ボールメーカーは常に製紙メーカーの品質とメカニカルコンディションの重要性を訴え続けてきました。しかし、現状はどうでしょうか。まだまだ、われわれにとっては十分ではありません。中芯原紙に砂が多く、段ロールの寿命を短くしているもの、巾方向の厚薄が多く、巻き硬さが柔らかく変質しているもの、巾方向の水分のバラツキの大きいもの等々、大きく段ボールの生産を阻害しております。

特に、水分のバラツキについては、製紙メーカー、段ボールメーカーとも配慮に欠ける点があると思われます。また、製紙メーカーが折角、水分のバラツキの少ない原紙を作ったとしても、海を渡って輸送されるときの原紙の水分の経時変化への配慮、また段ボールメーカーでの野天積み原紙の水分の経時変化への配慮がなされておりません。

水分の経時変化を示すとお分かりのように、如何に両サイドの水分が多くなるか、驚かれると思います。このような原紙は、シングルフェーサで両耳の接着不良を生じ、コルゲータのスピードダウンを余儀なくされております。海を渡って輸送される原紙の包装形態は一考を要すると同時に、段ボールメーカーでの原紙の屋外ストレージは絶対に避けるべきです。

(b)第三世代への移行の必要条件
1981年のスピーチでも申し上げた通り、第二世代の開発によって、段ボール工場は大きく前進しました。また、その残された大きな開発テーマを解決して、コルゲータの無人化に近づき、2名のオペレーターでコルゲータの運転が可能なこともお話しいたしましたが、もう一度、これらを整理して、第三世代への移行の条件を考えてみましょう。

使用原紙の問題点については、前項で説明した通りで、原紙の現状を考慮に入れながら段ボール機械の問題点の解決を考えねばなりません。
ミルロールスタンドへの原紙装着はオペレーターの作業に頼ることなく、スプライス完了の信号によって原紙倉庫から搬入装着、残原紙及び紙管の倉庫への搬出を自動的に行う必要があります。原紙巻取経、原紙巾のそれぞれ変わった原紙の自動装着には、産業用ロボットの導入が必要となって参ります。

原紙のスプライス作業において、スプライスタイミングの決定は、コンピューターで指令されており、問題はないと思います。しかし現在、粘着テープを貼る等のスプライス準備の作業は人手を要しており、また、スプライス失敗後の運転復帰の作業が複雑で、多くの人手を要します。従って、粘着テープを使用せず、準備作業は産業ロボットに任せたスプライサーの開発が必要となってきます。

特に、スプライス失敗後の運転復帰は、シングルフェーサまで原紙が自動で送られる装置が要求されます。重ねて言いますと、コルゲート作業の中で最も重要なものは、スプライサーであることを忘れないで下さい。スリッタースコアラの自動セットに要する時間は非常に大きな意味を持っております。すなわち、先ほどお話しましたように、コルゲータのスピード低下を招かないロットサイズの決定です。自動セットに要する時間は出来るだけ短くする必要があります。

コルゲータでのトラブル発生後、その運転復帰に長い時間と多くの人手を要していることはご承知の通りです。先ほど、われわれが受けているトラブルを列挙しましたが、その中にはトラブルの発生しない機械の開発が可能なものもありますが、しかし、われわれはこのようなトラブルを避けて通れません。従って、トラブル後の運転復帰が出来るだけ簡単に行える装置であると同時に、トラブルを出来るだけ早く発見して、自動的に対応できるマイクロプロセス及び装置の開発が必要です。

機械上の問題点は、前項の運転上の問題点に大きく影響します。コルゲータのスピードの決定、コルゲータ全長の決定、コールドコルゲータへの転換問題、印刷方式の変更等、段ボール産業にとって大きな問題です。特に、第三世代への移行に当たっては、非常に重要な問題です。

われわれは、第一世代から第二世代に移行するに当たっては、第一世代の機械形態をあまり変えないで第二世代に移行し、多額の投資と同時に、大きく生産性を向上させました。いまでも、ウェットエンドからダブルフェーサ、ドライエンドと、その形態は全く変わっておりません。しかし、第三世代移行に当たっては、前記の問題を前提に一つの仮定を立て、その可能性を追求してみましょう。

すなわち、第二世代より優れたものであるためには、次に示す事項が第三世代の方向ではないかと私は思っております。
 従業員1名当たりの生産性が第二世代より高いこと
 生産拠点が分散できるほどコンパクトな無人化工場であること
 生産拠点の生産/平米当たりの設備費が、第二世代と同等か安価であること
 数カ所の生産拠点を1カ所で集注管理出来るシステムを持つこと

もちろん、ローカルコンディションによって変わってきます。第二世代工場を中心に、第三世代工場をサテライト工場として持つ場合もありましょうし、第二世代工場を改造して無人化に近づける方法もありましょう。要は、コルゲータ自体の形態を含めた産業ロボットの導入しやすい、トラブル後の運転復帰が簡単なコルゲータの開発が必要のなってきます。つまり、コルゲータでの通常の運転では、集中管理方式ですから、オペレーターは監視作業のみとなります。

また、印刷はすべてプレプリント方式の採用により、プレプリントされた原紙の供給を受けます。一部の小ロットのものについては、シート印刷機を持たなければなりません。従って、プレプリント用のフレキソ印刷機の開発が必要です。
この印刷機は、印刷ロット替えが30分以内で出来ること、価格は同巾のフレキソフォルダーグルアーと大差ないこと、運転は作業員2名で出来ること、スピードは最高150m/分程度を条件に開発を進めなければなりません。
また、インキジェットによる印刷方式も、われわれは忘れてはなりません。まだスピードは遅いかも知れませんが、多くの可能性を持った方式です。もちろん、オン・マシンで、コンピューターで印刷されます。

4 段ボール工場無人化への道
私は、これまで第三世代への移行について一つの仮定を立ててお話してきました。しかし、その仮定は第二世代の実績をふまえてのものです。例えば、120m/分のコルゲータを2名で運転できるとすれば、そのスピードから考えて現在の原紙のメカニカルコンディションに十分対応でき、また、少量多品種のオーダーもスピードを低下させることなく消化できるでしょう。このコルゲータは200m/分のコルゲータを4名で運転しているものと、生産性でも充分対抗できると確信しております。集中管理方式をとることにより、生産拠点は極端に人が少なくなり、無人化に近づくでしょう。従って、先ほどもお話ししたように、産業用ロボットの導入が必要になって参ります。

[ロボットについて]
ロボットについて考えるとき、ロボットの定義をはっきりしておかねばなりません。日本産業用ロボット工業会では、産業用ロボットを入力情報の差異に基づき、次のように分類しております。
 ▽マニュアルマニピュレーター=別名マジックハンド
 ▽固定シーケンスロボット
 ▽可変シーケンスロボット
 ▽プレイバックロボット
 ▽数値制御ロボット
 ▽知能ロボット

現在、われわれの段ボール工場に導入されているコンピューターによる運転は、その全てが固定シーケンスロボットです。欧米でいう産業ロボット、すなわちプレイバックロボット、数値制御ロボット、知能ロボットは、段ボール産業ではダイカッター木型製作用の数値制御ロボットが入っておりますが、ほとんど導入されていないのが現状です。

マニアルマニピュレーターと固定シーケンスロボットを除いた1980年の全世界のロボットは約2万台あるといわれております。そのうち約66%が日本にあります。それは、日本の労働者が終身雇用システムのもとにあって、ロボットの導入が労働者の解雇につながらないためだと思います。しかし、欧米では、問題を残していると言えるでしょう。世界各国でその可否が論ぜられているのは、皆様もよくご存じの通りです。

[段ボール産業へのロボット導入]
それでは、段ボール産業におけるロボットの導入について考えてみましょう。
原紙の入荷から原紙倉庫へのストレージは、可変シーケンスロボットによって原紙の銘柄、重量、巾別に自動搬入する。原紙倉庫からミルロールスタンドコンベアへの搬入は、オフィス・コンピューターの指令によって生産順序に従ってミルロールスタンド別に搬入する。

ミルロールスタンドへの新原紙装着は、スプライス完了信号により、新原紙はミルロールスタンドへ自動装着される。これに可変シーケンスロボットを使用する。スプライス準備作業は、プレイバックロボットによって、原紙端を所定位置にセットするだけになる。

スプライス完了後、ダウンスタッカーへの積み上げまでのコルゲータの運転は、現在のマイクロプロセッサーによって運転管理が行われる。但し、原紙の水分及び水分のバラツキ、厚み及びシングルフェーサの入口の原紙温度と、その巾方向のバラツキを自動測定して、シングルフェーサスピード、プレヒーターラップ量、糊ロールギャップ量、プレスロール間隙を自動コントロールする。これには知能ロボットを使用します。

もちろん、原紙の銘柄、重量、巾、スピードに応じてテンションコントロールが自動的に行われます。このように、ウェットエンドが完全に自動化されれば、いままでのようなブリッジ上での片段ウェブも、溜まりは必要ではありませんので、片段はシングルフェーサ出口からダブルフェーサ入口まで、自動的に送られます。
その間に、加熱糊付けを完了します。ダブルフェーサでは入口の片段温度、および出口温度を測定して供給熱量の自動調節を行い、反りの調節がなされます。また、いままでと異なり、ダブルフェーサスピードに完全同調して運転されます。
次に、スリスコ、及びカットオフは、いままでと変わりませんが、知能ロボットによって不良品の除去が行われ、ダウンスタッカーへは規定枚数が積み上げられ排出されます。

規定枚数に積み上げられたシートは、コンベアに乗って、それぞれの製函機に送られ、製品にされます。これは従来と余り変わらないでしょう。
製品はコンベアに乗り自動結束され、倉庫に入ります。可変シーケンスロボットにより、製品別に積み上げられ、出荷されます。

以上が、私の第三世代の段ボール工場の構想です。従って、第三世代段ボール工場は、原紙倉庫要員1名、コルゲータ2名、ボイラー・糊要員1名、つまり2直操業で8名、また製函機4台として4名、製品倉庫要員1名、工場長以下オフィス3名、予備員2名、合計18名で操業されることになります。もちろん、その工場の生産量により、直数及びコンバーター機械の台数が変わってくるので、総人員は変化します。

私は、2年前の会議でもお話ししましたように、製紙産業に携わった期間が35年、段ボール産業にはわずか14年で、まだまだ勉強しなければならないことが多くあります。いままでお話しした第三世代の段ボール工場は私の「夢」であります。しかし、一歩一歩研究開発を進めることにより、必ずやその「夢」は実現されると思います。皆様のご協力をお願いして、私のスピーチを終わります。