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インターネットが社会を変える(その2) 2010-08-30(第1061号)

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1998年6月に「パリコル98」展が開催されました。それまで、印刷機材主体のドルッパ展に参加していた段ボール機械関係業界が、独自展として、4年に一度の予定で開催を企画したものですが、その後の不況の影響で後が続かず、結局、短命に終わったコルゲーテッド展でした。

三菱重工主催のパリコル98見学の旅行記は、本紙サイトに掲載の通りですが、最初に訪れたハンガリーのドナ・パック社では、当時既にインターネットのEメールを盛んに使い始めている様子で、それが強い印象として残りました。また、同社でだったと思うのですが、私がメディア関係者だということで、アメリカの有名業界誌「ペーパーボード・パッケージング誌」がインターネットに転換するそうだが、何か聞いているかと訊ねられました。

インターネットは1995年のウィンドウズ95でスタートしたばかり。ヨーロッパは横文字文化の社会だから、さすがに最先端を行っている印象でした。また、当時は余り関心がなかったので知らなかったのですが、旅行団の帰国直後にサッカーのFIFAワールドカップ・フランス大会が開会され、フランスが決勝でブラジルを破って初めて優勝した年でした。

インターネットは、ウィンドウズ98の後、2000年のミレニアム・バージョンが発表され、その頃から日本でも急速に普及化、更にその後のXPで本格普及化時代を迎えました。段ボール業界各社とも相次いでホームページを開設、同時進行の光ファイバー網の建設と平行して、IT時代が華やかに開幕しました。

と思ったら、聞こえてくるのはせっかく開設したホームページを見に来る人が少ないという嘆きの声でした。一挙に燃え上がったIT熱がどんどん冷めて行くような流れでした。そんな様子をぼんやり眺めているうちに先述のペーパーボード・パッケージング誌が発行をやめたらしいという噂が流れてきました。ドナ・パック社で聞いた話が本当だったのかどうか、真相は知りませんが、インターネットという世界をカバーする便利なツールが登場したことによって、地道な紙印刷の雑誌経営の判断に迷いが生じたのだろうかと、ただ想像をたくましくするだけでした。ところが、同誌に続いて、つぎには紙パルプ誌の世界のチャンピオン「パルプ&ペーパー」誌がなくなりました。私のこれまでの新聞発行の中で、両誌とも海外情報を何度も転載させてもらっただけに、大変なショックでした。

ただ、業界メディアの私はショックで済むとして、実際の紙パルプ業、段ボール製造業の経営者にとっては、いわば経営の指針のようなものが得られなくなった損失はどんなものだろうかと、ひとしきり考え込む状況でもありました。

そういう経過を経て、私がインターネットにチャレンジする決心を固めたのが2005年11月です。一番の動機はせっかく作ったホームページが見に来る人が少なくて遊んでいるということ、それは勿体ないことだから、みんなに読まれるサイトを作って、そこにみんなに参加してもらったらインターネット本来の趣旨にもかなうだろうし、なによりユーザーに歓迎してもらえるのではないかという発想でした。

時期もありました。永年の苦境から脱出するために段ボール原紙も段ボール加工業界も懸命な努力中でしたし、ユーザーは、それまでの情報不足に困り切っていた状況でしたから、開設するやいなや、まるでロケットを打ち上げたようにアクセスが殺到しました。

これなら最初からの目標つまり段ボール村の村祭りのように、賑やかにはやし立てて、段ボール会社もユーザーも一緒につどえる共通の広場ができるのではないだろうかと考えました。

ただ、段ボール値上げが主題だからこそのロケットだったのじゃないかという疑問も拭い切れませんでした。しかし、どんな角度から調べても、新しいビジターが次々に常連ビジターとなり、古いビジターにまじって、どんどん層が厚くなることを確認して、そういう懸念も解消しました。

ユーザーの方々にとって段ボールのこまごました日常の業務は、まさに日常ビジネスそのものですから、本紙サイトは、そのコミュニケーションのツールとしてデスクの上に常に必要な存在になっていると感じます。それに、コミュニケーション不足によるユーザーからの不満の声など、ほとんど聞こえなくなったと感じておりますが、これは私の独りよがりでしょうか。

段ボール村だからこそ出来るインターネットの利用方法を探す旅をこれからも続けます。できれば段ボール事業所の一個一個を全部このサイトに開示して、名鑑のインターネット版を作ったら、ユーザーの方々の利便に一番かなうのではないかと考えております。

後継者の顔が見える。新開発の製品も探せる。またそれを制作する過程で、本サイトを担う次世代養成の目的も、なのです。(亘理)