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インターネットが社会を変える(その4) 2010-09-30(第1063号)

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前号で高崎製紙黒崎義平社長と原田直恭さんのことをお話ししました。いまさらのことのように受け取られた方も多かったかも知れません。インターネットは自らデータを作り出すものではなく、データの提供者がいて初めてその検索も可能になるという仕組みだからです。高崎製紙が王子板紙に統合されて、高崎製紙はインターネットのホームページを閉鎖しました。つまり、インターネットへの高崎製紙としてのデータ提供を停止したため、王子板紙に合併される以前の同社資料が消えてしまったということになります。

そのことと直接関連することですが、例えば段ボール産業が、ユーザー産業界との共通のコミュニケーションを図る場として、インターネットを活用しようとするなら、各社が開設しているホームページと全く別個に、オール段ボール産業の立場としてでしょうか、個々の企業の立場を離れた「メディア」という形態でのデータ提供を進めて行く必要があります。

本紙のホームページは、そういう観点から、ホームページの通常パターンである自社の広報という立場を離れて、いわゆる「架け橋サイト」、つまりユーザー産業と段ボール産業とのコミュニケーション共有の場を目指して進めてまいりました。幸いその試みが当初の期待以上に大きく結実しつつあることで、改めて、さらなる充実の高みを目指す意志を固めているところです。

ただ、上述のインターネット本来の成り立ちがありますから、本紙が如何に努力して社会的に役立つ「架け橋サイト」の完成に成功したとしても、提供者の本紙に万一のことがあれば、このサイトが地上から消えてしまうという恐ろしい現実も一方には存在するわけです。昨年12月に一度、その危機が訪れました。私の心臓手術です。心室頻拍の度合が27連拍とまだ軽かったために無事にクリアできましたが、最悪の場合、このサイトが存在しなくなったことが考えられます。

ということを、ビジターの方々に、改めてご認識をいただくことと、あわせて本紙がこれから進めてまいります将来への継続への努力への応援を特によろしくお願いする次第です。

コミュニケーション共有の場がインターネット上にできたことの、最も大きな効果は、ユーザー産業からの段ボール産業に対する疑念や過大な注文が解消されたことだと考えます。過去を振り返ると、段ボール原紙産業は永久に続くかとも錯覚された生産調整カルテルで、また段ボール加工産業は長い間の談合体質で、ユーザー産業からの信頼を根こそぎにしていました。

そして当時は、段ボール原紙・段ボール加工の側からの良質なメッセージをユーザー側に伝えるコミュニケーション手段もありませんでしたから、なおさらの最悪の事態でした。

そういう以前と現在との比較を行った上で、この良好な環境をより良く昇華させて行くにはどうすればよいかという問題が、いま段ボール産業の目の前に出現しつつあるように思われるところです。

ところで、平成19年〜20年にまるでロケットを打ち上げたように殺到したビジターが、段ボール値上げの完了後には消えてしまうのではないかと本紙が懸念、実際はそうではなかったこともお知らせしました。但し、「架け橋サイト」に寄せられる関心の最大の要素がそれであることにはなんの変わりもないことだろうとも考えております。

さて、突然ですが、段ボール原紙の市場価格を最終的に決定するのは誰なのでしょうか。段ボール原紙の市場価格は、段ボール加工製品の価格を決めますから、この産業の一番のキーポイントのところです。

本当の答は、わずか10指に足らぬ数で全市場のシェアを握った原紙メーカーでもなくて、日本経済新聞社です。日経紙の市況判断ですべて最終決定します。

抵抗を感じる人も多いでしょう。しかし、例えば相撲は行司が、また野球には球審、線審などの審判がいて、いまのボールはストライクか、ボールかを決めます。不服を申し立てると退場処分というのがメジャーで見慣れた光景です。

ということで、色んな産業のほとんど全ての資材、副資材の市場価格を判断して、指標を公表する審判の役を日本経済新聞社が伝統的に担っているわけです。

さて、高崎製紙の時代の次は本州製紙の時代の幕開けでした。(つづく)