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三菱EVOL輸出が好調 欧米市場巻き返す 2007-12-15(第996号)

三菱重工業(株)三菱重工業(株)

三菱重工業(株)ではこのほど平成19年4月〜12月のコルゲータ及び製函機の受注・納入状況をまとめ、発表した。それによると、最新鋭フレキソフォルダグルア「EVOL」の19年度出荷実績は国内13台、海外11台と国内がややリードしているが、受注実績(受注残)では国内5台に対し海外11台と、海外向け(主としてアメリカ)が急速に増加しつつあり、出荷・受注の合計でも国内18台、海外22台と19年度に逆転、20年度は米国の超大手段ボールメーカーほか欧州向けも新たに加わるため、更にその差が広がる見通しとなっている。

三菱重工は、バブル経済崩壊後の国内及び海外市場の縮小に対応して2000年に紙工機械の海外子会社MCMC社を解体、以後はアフターサービスをメインに現在に至っているが、ここにきて2年ごとの事業計画見直しとして「08年事計」(平成20年・22年事業計画)を策定中であり、大綱としては日本国内市場は横ばいとして、海外特に欧米及び新興市場(インド・ベトナム・中国ほか)の開拓、そして「物作り」の強化の二点が最重要課題とされる。従って、紙工機械部門としては、欧米(特にヨーロッパ)に「人」「資金」等の経営資源の投入・強化を中心にシフトする計画を目下策定中で、いよいよMCMC解体以来の"巻き返し"が開始される予想である。

また、これには製紙機械(ベロイト)の撤退にともなう三原製作所の製紙機械部門の工場設備及び人員の紙工機械部門への移籍・拡充とも並行して進行中であり、"本腰を入れた体制"と受け止められている。

同社は一部既報、NGC(ネクスト・ジェネレーション・コルゲータ・プロジェクト)として、タイムサイクルを半減(83秒→45秒)するミルロール・スプライサを開発中だが、これは明年6月〜7月ごろ三原で公開の予定で、合わせて既に2台が納入・稼働中のEVOL用高速カウンターエジェクタ(10枚バッチも350枚対応)、及びこの高速カウンタエジェクタに追随可能な山田機械製(共同開発)の新型結束機(350枚対応)も同時に公開運転を予定している。

それから、従来、製函機では印刷ズレ・抜きズレ・給紙ズレの検査装置はあったものの、「折れ精度検査装置」はなかったが、当日公開のEVOLには、この折れ精度検査装置も搭載して運転を披露する運びで、大きな話題を呼びそうだ。

海外市場への対応強化の一環として、販社の三菱重工印刷紙工機械(株)では、台湾・韓国・東南アジア関係への従来からのアフターサービスに加えて、同地域への営業業務も重工本体から移管されることが08事計で予定されている。

一方、販社が主体の国内アフターサービスの強化としては、「マシン診断」をシステム化して、段ボール工場側にマシンの状況報告が出来る資料をかなりの資金を投入して既に完成、近く全国の各サービス拠点を中心に順次、巡回サービスを開始する。これは、簡単に言えば、故障を起こさないようにするシステム。

三菱重工製機械の場合、1年間の突発事故で、マシンを4時間以上止めた件数は全国で170件近いとされるが、最も多いのが部品の到着遅れ、次が給油不足の2点。こうした突発事故を未然に防ぐために、納入先を定期的に巡回・点検して、マシンがどういう状況になっているかを知らせ、報告できるようにして、プレ・メンテ的なサービスを実施するもの。一部ですでにスタートしているが、システムとしての完成を待って、明年から全面実施に入る予定で、段ボール工場側からもむしろ積極的な要望なりメッセージを期待すると同社では説明している。というのも、事故が一旦起こってからでは遅いということ。事故が起こる前の予防を重点目標に進めて行くとしている。

この作業チームの名称は「TPMチーム」。トータル・プロダクション・マネージメントの略で、専任のチームを組んで巡回し、各サービス拠点にも指導して先行き、専任チームと拠点との連携作業の形へ発展させて行きたい意向である。これは、ある意味では、マシン診断によって、改造しなければならないところを早期に発見する作業でもある。先に見つけることによって、客先の費用負担も大きく軽減されることになるだけに、いわば「サービス以前のサービス」として今後、客先への周知徹底を図りながら重点的に進めて行きたいと説明している。

最近は電氣部品メーカーでの部品の勝手な製造中止が多く、代替品を少しずつでもきっちり作れる体制をどう構築するかなども、同社として、サービス面での頭の痛い問題だという。