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10月から平均単価上昇、青果物など仮需動く 2007-12-25(第997号)

平成19年10月度の段ボール生産(実績値)が速報より170万m2ほど上方修正された12億8,462万m2、前年比4.5%の増加と発表された。これは最近5年間では平成16年3月の6.6%増以来の高い伸びで、季節的な秋需・年末需要のほか、前年同月に比べ稼働日数が1日多い22日となっていることも影響したと見られる。10月度の推移で特に注目されるのが段ボール価格動向で、平均単価がまず出荷シートで一斉に上昇、更にケースの出荷額も前年比で8.3%の急増となるなど、値上げの浸透ぶりを示し始めている。

平均単価動向は、この平成19年10月が「変わり目」。10月から上昇を開始して、目下の情勢では年末から明年3月ごろまで上昇基調がつづくと観測される。これは、ユーザー業界の最終製品値上げとの関連が大きいと見られるためで、製造業分野のユーザーは軒並み今年内から明年1〜4月にかけて10数年ぶり〜30年振りといった製品値上げの実施予定となっており、これに対し大手スーパー業界では主に自社ブランド製品を主体に「値下げ」で消費者にアピールする動きを取っているものの、原燃料高によるコストアップの影響は、量的な拡大でカバーできる許容範囲を遥かに超えた状況になっているのが現実で、このため小売り段階もいずれは店頭表示価格の切り上げに追い込まれるのは必至とみられ、今次の段ボール製品値上げの終点も、そうした事情が反映される可能性が強いと見られる。

当面明らかになっている10月度の状況では、別掲PDF(第997号2面参照)の通り、シート出荷額は前年同月比6.6%増の228億円、ケース生産額は8.3%増の597億円で、合計では825億7,400万円、前年比7.8%増となっており、まずはかなりの浸透経過と評価される状況となっている。

ここで、特に注目されるのがケースの平均単価の動き。ケース全体の生産額は前年比で8.3%増と大幅なのに対して、平均単価は1.1%の増加に止まっているわけだが、これには先述のカレンダー効果のほか、需要の前倒しといった「仮需」の動きがケースの場合、かなりあったことが見込まれるようである。というのも、需要部門別の同月の前年同月比の伸びをみると、電氣器具機械器具用の4.3%増はまあまあとして、薬品・化粧品が8.2%増、加工食品8.7%増、青果物10.2%増、さらに累月マイナスつづきだった繊維製品が2.1%増、同様の陶磁器・ガラス製品・雑貨が5.8%増となっていて、10月度だけ伸び率が突出した状況となっている。

つまり、段ボール値上げ交渉の経過の中で、各ユーザー産業とも従来は「当用買い」に終始していた段ボール購買姿勢を、一部前倒しにした状況がうかがわれるところとなっている。こういう「前倒し」現象は近年には全くなくて、前例を挙げるとすればバブル期の最終局面で行われた段ボール値上げ(平成2〜3年)か、または第二次オイルショック当時か、いずれにせよ10数年前ないし20数年前にさかのぼるほどの近来まれな出来事となった。

なかでも青果物の10.2%増は、これに比肩する数字を辿ると、本紙の記録では平成10年4月の10.1%増までさかのぼらなければならないという大記録で、その数字自体、前年の平成9年3月に消費税引き上げが行われたことと関連して、同3月は前年比31.4%増、その仮需反動で4月はマイナス9.1%となり、それを分母にした10.1%増ということであった。

このように見てくると、本紙がいつも述べている通り、今回は「第三次オイルショック」ないし「バイオエネルギー・ショック」に近い異常事態であって、平常時と違うことの認識と、その対応が問題ということだと思われる。