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第1000号発行に当って 2008-02-15(第1000号)

振り返って思うこと

お陰をもちまして、本紙はこの2月15日号で第1000号の発行となります。昭和51年(1976年)1月5日創刊ですから、ちょうど満32年になりました。私は、前の新聞の15年間で800号を作りました。更に、その前が段ボール業界専門新聞第1号の「段ボール新聞」(昭和33年創刊、5年後廃刊)ですから、大多数の段ボール会社の草創期以来の50年間を、専門紙一筋に制作し続けてきたことになります。そういう意味では、一般の方々と全く違った位置及び角度からこの段ボール業界を見つめ続けてきたわけですが、最近はまた「新聞×インターネット」で、これまでにないユニークな体験も重ねております。以下は、その「回顧と展望」の物語です。

段ボール業界の歩みを振り返ってみると、段ボール統計が現在のような体裁を整えられたのが昭和34年。当時の生産量は7億2,540万m2、前年比51.0%増となっております。翌年が35%増、次の年が30%増という具合で、昭和37年に17%増まで落ち込んだ年には「不況」と言われたし、倒産が続出したいわゆる「40年不況」の昭和40年は、現実には前年比14.3%増で、前年の昭和39年から48年までの10年間は、毎年10数%増という高度成長でした。

現在の中国以上の高度成長が続いていたのに、当時の業界では常に価格下落、収益不振が嘆かれていたのが本当に不思議です。

第2次石油危機後の昭和57年の段ボール生産量が80億m2、バブル期のピークの平成3年は124億m2ですから、この9年間に44億m2、ほぼ55%の増加となりました。ところが、平成7年に5年振りに大台替わりの130億m2台に乗り、「130億m2時代」に入ったところから、誰も予想もしなかった苦難の歴史が始まりました。世界の経済体制がやがてフリートレード、グローバル化へとスイッチが切り替わる中で、ユーザー工場の海外移転が相次いで、段ボール業界にとって決定的な打撃となりました。

このため、初めて130億m2台に乗った平成7年から平成19年まで13年間、ずっと130億m2の需要のワク内に閉じ込められるという誰の予想も及ばない事態に、段ボール原紙メーカーがまず真っ先に企業体力を消耗させ、力尽きて、合併・統合の大再編成劇が演じられる結果となりました。率直に言って、この間、原紙メーカーが段ボール加工部門の不採算をカバーし続けた形でしたから、原紙の統廃合及び体質改善が、こんどは加工部門への圧力を一段と強めて、それが幾多の変遷ののち、平成19年秋の段ボール加工賃値上げへと象徴される流れとなりました。

その13年間に、加工部門で何が起こったかを解析してみると、平成7年の130億m2から19年139億m2へと、総量としては約10億m2の増加でした。だが、この間、シート出荷量は平成7年の53億m2から19年の47億m2へと5億m2減少しています。つまり、この5億m2が一貫メーカーの方に移動し、加えて約10億m2の増加分があるから、一貫段ボールメーカー(シートメーカー)は、実際には15億m2の増加で、一方、ボックスメーカーが5億m2のシェアダウンというのが実態でした。

ただ、シート出荷の5億m2減少の中には、近年の合併・統合に起因する部分もかなりあって、つまり、ボックスメーカーの生産分は段ボール統計上の報告義務がないため、以前の統計に含まれていなかったのに、合併統合で大手の傘下に入ると、その段ボール箱の生産が段ボール統計に新たに加わるということになったけれども、絶対量としては格別大きな数値にはならないと思われます。

そして、最も肝心なことは、平成7年から13年後の平成19年までに、上述の通り、段ボール一貫メーカーの手許の数量は15億m2増えたものの、その総売上金額となるシート及びケースの合計生産金額は、価格の下落により、平成7年の9,868億円から平成19年には8,894億円と、約1,000億円の減少となっております。

だから段ボール産業は、第2次石油危機後の昭和55年当時をはさんで、1兆5千億規模の「1兆円産業」と呼ばれたものが、130億m2を行ったり来たりした13年間に、その呼称がふさわしくない生産金額にまで落ち込んでしまったことが現実のようです。

一方、13年間に一貫メーカーの手許に増えた15億m2は、需要項目別にはどうなっているかですが、まず電器・機械が1,500万m2減少、代わって薬品化粧品が7千万m2増、加工食品が12億5千万m2増、青果物4千万m2増加、繊維及び陶磁器雑貨がそれぞれ8千万m2減少、通販・宅配が1億m2増、「その他」が2億8千万m2増などが個別には主なところです。

要は、やはり加工食品、中でも特に飲料が主な増加要因で、それに加えて「その他」が増加の部。この2部門を除くそのほかの内需型商品は13年間、数量的には、ほとんど横ばいで推移してきたことになります。言い替えると、段ボールが需要の伸び悩みで苦しんだ13年間は、ユーザー産業の国内部門でも同じ伸び悩みに苦しんできたわけで、それが今回の石油・バイオ複合型の原燃料コストアップで、ほとんどあらゆるユーザー製品の値上げにつながったことも明らかです。

本紙は、世の中がすっかり変わったから、段ボール専門紙も存在のありようが問われる時代になったと考えて、30年来作り続けた新聞記事をコンテンツに、ホームページを開設したところ、ユーザー業界からも、まさに圧倒的な数のアクセスが寄せられて、最初からの目標だった「架け橋」サイトが、その字義通りに育ちつつある状況となっております。これは他の産業界を見渡してみても、ほとんど類例が見当たらない状況と思われ、あらゆる産業に必須の素材である「段ボール」専門サイトならではの現象だと判断しております。

このため、月間アクセス総数も1月のスタート台が85万件と前年1月(32万件)の2.7倍に達しました。つづく2月は、過去最高の昨年10月ペースも上回る勢いで、やはりユーザーのニーズにも合致したものではなかったかとの確信をさらに深めている状況です。これからも段ボール産業・ユーザー産業双方の「役に立つサイト」を目指して育てて参ります。ご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げる次第です。

段ボール事報社 代表 亘理 昭