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王子グループも段ボール原紙・段ボール値上げ 2006-03-15

日本大昭和板紙が4月1日出荷分から段ボール原紙(ライナー、中芯原紙)価格を一律キロ5円値上げすると2月上旬発表したのにつづいて、レンゴーが2月20日、同様に4月1日出荷分から段ボール原紙の現行価格+5円以上、段ボールシート10%以上、段ボールケース+6%以上、及び白板紙+15%、その他の板紙+10%の新価格体系への移行を発表、更に王子板紙が4月1日から段ボール原紙をキロ5円アップ、また王子チヨダコンテナーと森紙業、日本トーカンパッケージの同様の値上げ発表で流れが固まった。

「段ボール価格の歴史」を振り返ると、本当に値上がりした実感が誰にも持たれたのは、実は過去に2回しかない。いずれもオイルショックがらみだが、昭和48年に平方m当たり12円(21%)上がった上に、翌49年は更に34円(51%)上がって業界史上初めて3ケタの100円72銭に達した時期と、昭和54年の第2次オイルショックの結果、翌55年には前年より一挙に30円近い上昇の120円89銭(32%アップ)と過去最高を記録した時期の2回である。

それに比べると、以後10年間、昭和60年代のバブル期も一方的に下落し続けて平成2年に84円まで下がったあとに、平成3年には3円上がったものの、翌々年までに84円以下にまで落ち込んでしまった例や、更に下がり続けて、平成14年の最低値61円03銭まで下落したあと、平成16年に62円95銭、平成17年も62円32銭と1円の上昇推移は、値上がり要素ゼロ、つまり外部的コスト上昇分を全く転嫁していないという意味になるはずである。

業界自体の問題が当然あったということだろうが、同時に、この間のゼロ金利に象徴されるデフレ圧力の強さが、改めて思われるところでもある。

段ボール原紙価格が平成13年以降に2回、合計キロ当たり15円上がったのにもかかわらず、以上の平均単価状況だから、原紙メーカーの加工部門も含めて、段ボールは収益に何も寄与しない状態が続いてきたことになる。原紙も、古紙原料の値上がり・エネルギー費の値上がりで原紙の値上げ分が消えてしまっているから、つまり、今回の5円アップでは、累計20円に達する原紙コスト上昇分を、加工部門が”外貨収入”の形でどうまとめて外界から取り込めるかということにもなる。

段ボール関連産業の構造を簡単に言えば、段ボールメーカー及びボックスメーカーが段ボール箱をエンドユーザーに販売して得た収入、いわば”外貨”を、原紙メーカーを始め機械・資材・副資材がそれぞれ配分を受けて成り立っている。従って、段ボール箱の販売力の強弱が、この産業の命運を直接分ける形だが、そういう意味では、上述の例とまた多少事情が違うとはいえ、(1)原燃料コスト上昇が業界内の過当競争をゼロに追い込んだ状態、(2)3大グループの形成など産業構造の変化、(3)段ボール設備の老朽化・陳腐化に加えた極度の小ロット化進展で加工能力が逼迫、今後、需要の伸びが3%ベースに達すると、深刻な納期遅延等の事態が生じかねない状況。つまり、言い換えると「史上3度目の環境」に変ってきているようである。