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原燃料高に揺れる製紙産業 2008-04-30(第1005号)

▼王子製紙が平成20年3月期連結決算概況をまとめ発表した。前期比527億の増収だが、内わけは森紙業グループ再編関連、アイパックス、米国の王子インターパック、タイの王子ラベル、蘇州王子包装、B&Cインター、蘇州の王子制紙ネピアなど連結子会社7社の増加によるのが大部分、一方の収益は営業利益で211億、経常で260億、当期純利益54億のそれぞれ減少と、何十年振りかの原燃料高が世界中の製紙産業に与えた打撃の大きさを物語っている。

▼王子製紙は昨年7月からの洋紙関連の全品種の値上げ、9月からの段ボール原紙、10月以降徐々に段ボール製品値上げを進めたが、その品種別の成果も公表した。印刷用紙121億、段ボール製品99億、家庭紙51億、段ボール原紙49億の順で合計410億に達するが、その大幅な増益分も、原燃料高による583億のコストアップには簡単に呑み込まれてしまった、という状況。

▼問題は2008年度がどうなるかだろう。前年の値上げ分が通期でフルに寄与する分が316億、既に発表し、実施段階に入っている新聞用紙や印刷情報用紙、特殊紙などの価格差益分が310億など、それに合理化によるコストダウンをぎりぎりいっぱい見込んでも、目下の計算では営業利益ベースで49億、経常69億の増加に過ぎない。他のコスト要因を勘案すると、2007年度における1031億、2008年度1648億(中国事業・富岡新マシン)という設備投資を確実に進める上でも以上ではおそらく、赤字・欠損状態に陥りかねないということになる。

▼段ボール原紙、段ボールの再値上げについては今回の次期連結業績予想には何も触れられていない。先の変化が非常に読みにくい状況がある。それがどうなるか。但し、業界の今後の進路に、王子製紙の経営判断が大きく関わってくることに変わりはないわけである。