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段ボール生産は二ヶ月連続マイナス 2008-07-30(第1011号)

平成20年5月の段ボール生産が11億1、250万8千m2,前年比2.0%の減少と発表された。つづく6月の生産速報は11億3,577万5千m2、前年比3.7%の減少と、2カ月連続のマイナス。この2カ月連続マイナスは平成16年9月〜10月以来の3年半ぶり。また、仮に7月もマイナスだと、平成15年3月〜5月以来の5年振りとなる。日本政府はいま、景気が後退期に入ったかどうかの微妙な判断を迫られている状況だが、段ボール生産動向からみても、そのあたりの微妙な情勢に変わりはないようである。

「段ボール」は、人間が人間として生きて行く上で不可欠のあらゆる物資の運搬・配送・分別に欠かせないものだから、景気の振幅如何で増減を繰り返すのは当然として、勿論、減少一方に傾くことはない。ただ、近年の例外的な事情として、10年前の中国のWTO加盟・世界工場化の流れの中で、特に地勢的に近い日本の製造業が雪崩を打って中国市場に移転・進出、このため日本の段ボール生産・需要量は平成13年8月〜14年3月の9カ月連続でマイナスを記録し、どん底状態に見舞われた。

そして、その後の回復気味の経過の中でも、前記の平成15年3月〜5月の3カ月連続マイナス、及び16年9月〜10月の2カ月連続マイナスが記録されたという事情である。
ところで、これからの景気後退局面は、上述の最近10年のパターンとまるで違って、アメリカの住宅バブル崩壊に始まり、同じくアメリカを震源地とするいわゆる金融工学の破綻、バイオエネルギーも絡んだ穀物価格の高騰、更に原油価格の暴騰に、これからは北京オリンピック後の中国の経済状況がどうなるかなど、複雑な条件が幾重にも重なるだけに、過去に前例がないほど読みにくい状況。

しかし、とにかく先行きの展望がどうあれ、わが国の段ボール関連業界としては、何はともあれ、目先の案件を一つずつ取り上げ、一個一個解決して行く以外に対処する方法がないという事情にも変わりはない。

さて、平成20年1〜5月の地域別の生産動向をみると、全国8地域の中で北海道だけが群を抜いて好調な状況となっている。特に、4月は前年比19.9%増と、近年にはどの地域でも聞いたことのない20%増ペースだったわけで、つづく5月も8.3%増。また、1〜5月の累計前年比では10.7%増と、目を見張る増加ぶりとなっている。

何が原因かを探ると、まず考えられるのが「食の回帰」だろう。中国ギョーザ事件などを契機に、国産食材への回帰現象が至るところに見られるが、北海道はまさに日本の食の分野に圧倒的な存在感を持つ地域であり、段ボール需要の面でも、食料品(加工食品・青果物・その他の食品)の、地域全需要に占める割合が80%以上となっている。

それが、4月は前年比で加工食品3.5%増、その他食品1.9%増と目立たないけれど、青果物はなんと72.5%増、5月も青果物は33.6%増となっていて、北海道の段ボール生産の2ケタペース増加の最大要因が「青果物」という事情となっている。

日本の農業にはずっとマイナスイメージが付きまとってきていた。だが、日本農業の抱える根本課題が一朝一夕に解決できるとは言えないかも知れないが、ただ、国産の食を大事にしようという意味でのムード変化がここに来て急速に高まっていることも事実。実際問題として、食味をはじめとする品質面で、日本の農産品は何の種類についても世界最高水準だし、いまやそれに安心感が加わって、いわば「国産ブランド化」が進行しつつある状況。北海道の今年の段ボール統計は、いわば、その断面を切り開いて見せた感があるようにも思われる。

因みに、北海道のシート出荷は、生産量全体の30%未満だが、そのシート出荷も、1〜5月累計で前年比9.0%増と高い伸び。つまり、北海道では一貫メーカーもボックスメーカーも一様に需要増加の恩恵を享受していることになる。

ところで、平成20年1〜5月の段ボール平均単価は前年同期比でシート8.7%アップ、ケース4.9%アップとなった。シートとケースの相対原紙コストを充たすバランスだろう。