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数年ぶりのマイナス時代に 2008-08-30(第1013号)

四半期別動向四半期別動向

平成20年6月の段ボール生産(実績)が11億3,759万3千m2、前年比3.5%の減少、これを加えた平成20年1〜6月の段ボール生産は66億601万4千m2、前年比1.5%の減少となった。四半期別には第1四半期に前年同期比1.2%減と4四半期ぶりにマイナスとなったのに続いて、第2四半期も1.6%減と2四半期連続マイナスとなった。なお、段ボールメーカーの一貫消費が生産と同じ2四半期連続マイナスであるのに対し、シート出荷は平成18年第3四半期から8四半期(2年)連続マイナスとなっている。

米国のサブプライム問題に端を発した金融バブル崩壊、及びそれを機に原油・鉱物・穀物など各種資源に投入された投機資金による価格バブルなどを受けて世界経済に混乱が広がり、わが国でも、これまで極めて低率ながら数年にわたって上昇をつづけてきた景気が、平成19年末ごろにピークアウトして、平成20年は年初から数年ぶりに景気後退の過程に移行してきたようである。

これを反映して、上記の通り、段ボール生産は平成20年第1〜第2四半期と連続して前年比減少を辿ることとなったが、この四半期別の段ボール生産動向を最近10年(平成10年〜19年)についてみると、まず最も長くマイナスが続いたのが平成9年4月1日の消費税導入後の6四半期連続マイナス。これは平成年代はじめごろのバブル崩壊後、漸く立ち直りかけた景気を直撃、1年半の長期にわたって段ボール産業にマイナス成長をもたらした。

以上が近年での四半期で見た最長のマイナス記録だが、そのあと中国のWTO加盟に伴う日本企業の中国進出ラッシュで、平成13年第1四半期から14年第1四半期まで5四半期連続でマイナスが続き、これが段ボール産業に決定的ともいうべき打撃をもたらすと同時に、業界構造の大変革を呼び込む根源ともなった。

その後、平成14年第2四半期からプラス基調に転換してからは、平成15年第2四半期、16年第4四半期、19年第1四半期がそれぞれ前年同期比でマイナスとなったものの、2四半期連続でマイナスになったことはなく、20年第1〜第2四半期の連続マイナスが平成14年以降では初めてという流れとなっている。言い替えると、最近数年間の「景気回復期」と種類の違う時代に入ってきたことが言える。

例えば、これまでの時期は、日本では「失われた10年」か、むしろ10数年だと思われるが、そういうデフレ経済に呻吟しつづけた一方、欧米はかなりの好況、特に新興経済諸国や産油国は、それぞれ建国以来最高とも言えるような高度成長を謳歌して来たわけで、そのことによる外需が輸出を通じて日本経済を下支えしてきたことも事実。

つまり、大きな流れとして日本経済のマイナス基調が当分続きそうなことは確かとしても、日本の段ボール産業にとっては、多分、平成9年〜10年、平成13年当時に比べると、情勢の厳しさのレベルは大違いと思われるし、中でも決定的な違いは、原材料費の価格転嫁ができる体質に切り替わったことだと思われる。