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「変動の中の不変こそが貴重」 2008-08-30(第1013号)

▼「変動期」である。ということは、変化に対して柔軟に自分自身を変化させることができないと、その周囲の環境変化に取り残され、飛んでもない事態に見舞われるという意味だろう。

▼こういう変動期は、しかしそれほど長くは続かない。前二回の石油危機時が良いサンプルを提供してくれているが、長くて3年の間に、何となく地殻変動がおさまり、新しい経済環境とか、物価体系が出来上がって、以前とはかなり相違はしても、それなりにお互い同士のバランスが取れるように、いわば収まるべきところに収まってくる。

▼ただ、以前の段ボール産業は、その収まり方が何とも絶望的というか、変動する前の方がどれほど良かったかと嘆かれる風な収まり方になった。というのも、業界の構造上の欠陥が変動期を境に余すところなく露わになって、企業が弱体化し、価格競争は更に激化し、どうにも収拾のつかぬ状況に陥ることがしばしばであった。

▼その点、今回はまず起こらない。ということは価格変動期の前と後では以前と反対に、後の方が良い収まり方をすると期待される。といっても、別に特別のことではなくて、段ボールの主要ユーザー産業は大半がそういう体質を持ったところばかりで、だから、いま行っている価格転嫁の前回は20年ぶりとかいうことである。この間に段ボール業界が何度値上げの旗を振ったかを考えると、違いの大きさが改めて思われるところだろう。

▼以前の石油危機の際、或る経営者が「千載一遇のチャンス」と口走ってごうごうの非難を浴びたことがある。正直な話ではあるけれども、段ボール業界も、価格転嫁は便乗ではないことを真摯に実践することが何より必要だろう。

▼物価変動の後にくるのは、またもや物価変動という名の調整。変動の中の不変こそ貴重である。