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米バブル崩壊の嵐の中、最後の価格修正へ 2008-09-15(第1014号)

連休明けの9月16日、リーマン・ブラザーズの倒産旋風が世界中に吹き荒れて、世界の景気動向にさらに混迷の度が深まった。米国の金融バブル崩壊が投機筋に大打撃を及ぼし、その結果、投機的に買いあおられた原油も一転して値下がりが現実のものとなった。そうした中で、しかし、国内の段ボール関連では、10月1日出荷分からキロ10円アップの段ボール原紙値上げを、メーカー各社とも、かねての予定通り貫徹の構え。段ボール値上げも10月1日の即日15%アップの線でユーザー先に見積もりを提出し終え、本格交渉段階に入っている。

アジア地区石油価格の指標となるドバイ原油が80ドル台まで下がってきたと伝えられるほか、段ボール原紙の主原料である段ボール古紙価格も、中国向け輸出の減少から4月以降やや値下がりし、今春までの「キロ10円アップで果たして十分かどうか」或いは「このペースが続くなら来春にも再値上げ」といった懸念はほぼ解消した形となった。

一方で、ユーザー側からは、原紙メーカーに対して10月1日出荷分からの値上げに関し、値上げ幅の再考を要望する声が高まっているのも事実。また、リーマン・ブラザーズ以降の直近の情勢として、そうした面での緊張感が高まっているのも実態だが、原紙メーカーはここに至るまでの、特に昨秋以降のコスト負担の過大さと、更に主原料の段古紙価格が、引きつづき「20円ベース」の高原状態であることを根気強く説明、あくまでも既定方針通り、10月1日/キロ10円の線で値上げを貫徹する態度を固めている。

今回の原紙値上げでは、例えば飲料メーカーやナショナル・ユーザーのような大手の需要家向けも、一般の段ボール会社向けも同時・同値の実施が「公約」になっている。従って、一部でも例外を作ること自体が、大きな混乱につながることも必至で、それもメーカー側のテンションを高める大きな要因と見られている。それと、以前の段原紙業界と根本的に相違するのが「構造」の変化。以前の何十社かが、いまは数社で大半のシェアだから、価格問題でメーカー側が譲歩する可能性はほとんどない。

ところで、原油や古紙といった問題はいわば原紙メーカーだけの問題で、専業メーカーは全く関係ないというか、専業メーカーは原紙価格10円アップからスタートすることになる。その点、ユーザーに極めて説明しやすい立場でもある。

また、最近7〜8年の間に、ほとんど毎年のような頻度で原紙値上げを受け、段ボール製造のビジネス以上に、値上げビジネスに精魂を傾けざるを得なかった段ボールメーカー、ボックスメーカーにとって、今回のユーザー交渉は、上述の原油・古紙情勢から、事実上「最後の値上げ」という区切りになってくると見られる。だから、成功裡に終われば、おそらくバブル崩壊後10数年ぶりに、本来の事業に専念できる安定経営時代を迎えることになる。

一方で、日本経済が再び景気後退の循環に入ってきた形で、今年第1四半期が前年比1.2%減、第2四半期1.6%減と連続マイナスとなっている。この景気減速がどこまで続くのかは、米国の金融バブル崩壊もあって、更に見通し困難になっている状況だが、業界として望ましい最良の対策が、やはり当面の原紙価格転嫁を完全に仕上げることに総括される状況と言えるだろう。