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日本製紙連が9月の紙・板紙速報を発表 2008-10-30(第1017号)

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日本製紙連合会では、平成20年9月の紙・板紙需給速報について、異例のコメントを付記して発表した。この内容は下記の通りだが、それによると、特に段ボール原紙及び白板紙について、同月の国内出荷が前年同月比で2ケタ増加のそれぞれ15.0%増、12.5%増に達し、同時に段ボール原紙及び白板紙を主とする板紙の月末在庫が合計46万6千tと、前月比4万4千t減少して、17年前の平成3年3月以前の水準に戻ったと説明している。これは9月中の仮需によるもの。原紙値上げを拒否すれば物が入らない状況であった。

平成20年9月の紙・板紙需給速報

▽問い合せは日本製紙連合会紙・板紙部へ(03-3248-4803)

【概況説明】
  • 紙・板紙の国内出荷は前年比2.6%増だが、紙4.5%減、板紙13.7%増と好対照。印刷情報用紙が大きく落込んだのに対し、包装用紙及び板紙は10月分からの値上げを背景に仮需が発生した影響から各10%を超える大幅な増加。紙・板紙の輸出は前年比8.8%増で22ヵ月連続増。塗工紙の増加が寄与。板紙は3割減で8月に続きマイナスとなった。
  • 紙・板紙の在庫は前月比4.4万tの減少。出荷動向を反映して紙は3.2万t増(印刷情報用紙が増加の中心)。他方、板紙は大きく7.6万t減小し、46.6万tと、平成3年3月以前の水準にまで低下した。
【主要品種別動向】
  • ▽新聞用紙=国内出荷は前年比0.1%減。広告出稿の不振継続と北京5輪関連効果がなくなったこと等から再びマイナスに転じた。
  • ▽印刷情報用紙=国内出荷は前年比7.4%減。景気後退や6月からの値上げの影響を受けてカタログ、チラシ等商業印刷向けが低迷したことが主たる原因。とくに塗工紙は10%を超える落ち込みとなった。輸出は同24.3%増。微塗工紙、軽量コート紙が引き続き高水準で推移している。
  • ▽段ボール原紙=国内出荷は前年比15%増と大幅に増加したが、10月分からの値上げを受けて仮需が出たことが背景となっている。
  • ▽白板紙=国内出荷も前年比12.5%増となった。昨秋以降の一部メーカーの品目の見直しに加え、10月分からの値上げに伴う仮需発生が原因となっている。

平成20年1〜9月、3四半期連続マイナスに
足もとの段ボールの生産は、7月の前年比1.2%増につづいて8月が6.2%の減少となった。見掛け上はかなり大きなマイナスだが、実際は昨年8月の土日を除く稼働日数が23日だったのに対して、今年8月は実働日数が21日と2日少なく、これを調整すると生産量で9〜10%程度の差になるから、実質ではプラスだったと見てよい。ただ、8月には例年の旧盆・夏休みの期間があるため、実働日数で2日間の差を数値通りには判断できない要素もあって、それにしても、この統計数字上のマイナス6.2%ということは絶対にないことは言えるわけである。

つづく9月の段ボール生産速報が10月29日発表された。それによると、同月の段ボール生産は11億7、530万4千m2、前年比2.0%増、シート出荷が1.4%増、在庫は9.%減少となっている。8月と逆に、9月の稼働日数は20日で、前年8月より2日多い。ということは、19年8〜9月の合計生産量22億7、383万3千m2に対する、20年8〜9月の合計生産量22億2、735万5千m2、つまり前年同期比98.0が実質の風速という意味になる。従って、平成20年第1四半期(1〜3月)、第2四半期(4〜6月)につづいて第3四半期(7〜9月)も連続マイナスへの落ち込みが避けられない状況となっている。

直訳すれば「3四半期連続マイナス」の事態だが、周知のように、GDPの場合は、2四半期連続マイナスが景気後退入りの判断の目安とされている。段ボールはGDPと違ってより単純な経済条件で動きやすいから、「2四半期」だけでは即断できないにしても、ただ、3四半期以上の前回の連続マイナスが、平成13年第1四半期〜14年第1四半期までの5四半期で、これは中国のWTO加盟承認にともなう日本企業の中国進出ラッシュによりもたらされたものだった。従って、中国ラッシュが一巡後の今回は、米金融バブル崩壊に伴う世界不況との連鎖による連続マイナスと記憶される公算が強いと見られる。

そして、前回の中国ラッシュによる連続マイナスの場合は、それより4年前の平成9年4月からの消費税増税を機に、6四半期連続マイナスが生じて、段ボール産業の体力をとことん衰えさせた後のマイナス成長だったから、正に惨憺たる状況だったが、今回は、そういう阿修羅を乗り越え、業界構造再編を経て、原紙及び段ボール製品とも価格修正を達成した上でのマイナスと、状況には天と地ほどの差異がある。失われた15年の成果だろうか。