特大


業界フラッシュ

ホーム > 業界フラッシュ > 段ボール値上げ全面浸透

段ボール値上げ全面浸透 2008-10-30(第1017号)

段ボール値上げが、10月いっぱいで全面浸透の形勢となった。このうち、シートについては、主に契約更改日の違いにより、10月1日または10月21日出荷分からC5シートで7〜8円アップ(数量格差による)で10月半ばまでに決着、ケース価格の値上げも、最大手需要家向け原紙価格が10月1日出荷分から例外無しの10円アップが公表されたことをバネに、10月中旬以降、詰めの交渉が急進展し、月末までにユーザー軒数で推定80〜90%の大半が決定、一部例外的に残るユーザー先も11月上旬には最終決定に至る見通しとなった。

いつの場合も、段ボールケース値上げは目標よりずれ込むのが通例だが、今回はそういう意味では異例のスピードで進展した。その背景として、当初は原紙の10円に加工賃上昇分も見込んで13%〜15%アップが目標とされていたが、米金融バブル崩壊に端を発した日替わりの世界情勢激変で、重油・コンスターチ・運賃等々の加工コスト上昇分が思い掛けず緩和される流れとなったため、段ボール各社とも加工賃を見切って、原紙代だけで決着する動きに急転換したことも、ユーザーにも受け入れやすい素地となった。

原紙代キロ10円だけなら、ケースで6円見当となるが、総じて従来価格に対し10%〜11%程度の値上げ幅に落ちついた形勢だ。また、原紙が10月1日から値上がりした一方で、シート(C5/50円がらみ)も即日は少なく、21日が中心となっているし、ケースは更に遅れるから、10月は段ボールメーカー全社が赤字。ただ、11月にそれがどの程度カバーされるか、70%回収できたら「御の字」という見方が多いようだ。

その一方で、段ボールメーカーは原紙在庫の積み増し、ボックスメーカーはシートの前倒し発注で防戦した。経済産業省が10月29日発表した20年9月の段ボール原紙生産(速報)が前年比3.9%増に対し、出荷は2ケタの17.2%増、在庫は20.3%の激減となった。段ボールシートはそれに比べると目立たないが、生産が2.0%増、出荷1.4%増、在庫9.8%減少と、やはり仮需の動きを数字に表している。

原燃料高に追いまくられて、毎年値上げを強いられてきた段ボール業界は、今回で値上げが打ち止めとなるだけに、重荷を下ろして表情も明るい。それと、この一両年ですっかり変わったと言われることだが、せっかく良くなったこの状態を壊したくないという気運が、業界中に完全に定着、値段を下げて量を取ろうとする段ボールメーカーは、もはや皆無にひとしい状況。原紙の安定構造が、段ボール加工業界の安定構造をも築く結果となっている。