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平成13年と20年 産業体質の差が歴然 2008-11-30(第1019号)

平成20年9月の段ボール生産が11億7,998万5千m2、前年比2.4%の増加と発表された。つづく10月の段ボール生産(速報)は12億5,151万7千m2、前年比2.6%の減少と発表された。9月の生産量の前年比2.4%増、次工程投入の同2.8%増、出荷の同0.2%減からは、「仮需」の動きはほとんど感じられず、同月の段ボール原紙の動き(仮需の大幅拡大)と極めて対照的な推移となっている。言い替えれば、段ボール製品値上げについては、9月中は不活発な状況に推移したことが示されているようだ。

9月の段ボール生産量を加えた平成20年7月〜9月(第3四半期)の合計生産量は34億3,840万4千m2で、前年同期の34億6,607万8千m2に対し0.8%の減少となった。これで、20年第1四半期から3四半期連続のマイナスが確定した。更に、10月の生産速報が上記の通り、前年比2.6%の減少となっており、11月は業界各社の感触として前年比で実質15%以上のマイナスが予想されている状況。つまり、第4四半期のマイナスも既に確定した感触のため、これで平成20年は4四半期連続のマイナスに落ち込む状況となっている。

このように、四半期ベースの連続マイナスは、7年前の平成13年第1四半期〜平成14年第1四半期までの5四半期連続マイナスに次ぐ長期連続マイナス記録となる。ところで、この平成13年〜14年の長期マイナスは、周知の通り、中国のWTO加盟の正式発効(2001年12月11日)にともない、その前後から日本の製造事業所の中国への”集団移転”が始まり、それに伴って国内段ボール需要の消失がつづいた時代である。

この時期の段ボール原紙および段ボール(シート)市況の推移をみると、平成13年1月のKダッシュライナー価格キロ65円が年末までに55円と10円値下がり、同じく外装用Cダッシュライナーも年初のキロ46円から年末には36円へと10円下がっている。

これにつれて段ボールシート価格も値下がりした。平成13年1月のC5シート価格は平米35円。これが同年末には30円大台も割り込んで28〜30円への値下がりとなった。これは、バブル経済崩壊後も、段ボール産業の構造的に脆弱な体質が温存されていたところに、中国のWTO加盟を契機とした事業所の海外流出が重なって、二重のダメージを蒙ったというのが、この時期の段ボール産業の実態だったが、こうした事態を受けて、以後の阿修羅のような業界再編成、企業の合併統合が、特に段ボール原紙部門を中心として急速に進展した。

その結果、段ボール原紙の生産シェアで、王子製紙グループ27.0%、レンゴーグループ20.5%、日本製紙グループ15.2%と以上の上位三大グループだけで全体の62.7%、更に大王製紙グループ、丸紅グループ、カミ商事グループ、東海パルプの4社グループを加えた計7社グループだけで93.2%の寡占体制という現在の構造大変革が生まれることとなった。

ということから、平成13年当時の5四半期連続マイナス時代と、今回、平成20年の4四半期連続マイナスの時期との市況推移を比較すると、こんどの場合は、Kダッシュライナーが前年にキロ10円アップの73円、そして連続4四半期目に当たる20年10月には更に10円アップの83円へと上昇、またCダッシュライナーも平成18年の46円から19年9月に56円、そして20年10月には66円へと、2年間でキロ20円の上昇となっている。

段ボールシート価格にもそれが、やや遅れて波及した。平成19年春ごろの相場はC5シートで37円。それが同年10月に43円まで上昇、そして20年10月には50円に切り上がった。因みに、m2当たり37円から50円への13円アップは、キログラムから平米への換算率を7割とすると18円57銭、65%で見ると20円になる。言うまでもなく、平米当たり13円アップで、原紙代の20円アップをほぼ吸収したわけである。

ということは、平成13年当時の段ボール産業が、需要減・景況悪化になすすべもなく一層の窮乏化を辿ったのに対して、平成20年の段ボール産業はまるで見違えるほどの変貌ぶりで、激烈な原燃料高も乗り越えて逞しく収益基盤を拡大する体質へと変化している。そして、目の前に開けつつあるのは「原燃料安」時代。それへの対応が、今後の課題ということになる。