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パワーはまだ残っているのか 2006-04-30(第954号)

▼製紙メーカーの「受難時代」が来ているように思われた。何度もいうようだが、紙を抄くには水中で紙繊維をほぐして整列させ、それをすくい取って水を絞り、乾燥させる工程だから、他のどんな産業よりも莫大な熱エネルギーを必要とする産業である。

▼だからこそ、最初のオイルショックの時は「トイレットペーパー騒ぎ」が起こったのだし、その本質は今回も何も変わらないのに、世間の様子はまるで何事もないかのようで、無関心そのものの状況である。

▼4月28日の王子製紙3月期決算発表で、石田隆経営管理本部長が説明したところによると、今期決算では、重油の値上がりとチップ・古紙の値上がりでのマイナスが245億円、それと販売価格の下落が66億あって、合計310億もの前期比マイナスが今期の大幅減益の最も大きな要因なのだという。

▼「世間の様子が」というのは、実はそのことである。重油が上がって大変だというのは製紙会社のことだけで、だからといって以前のようには製品価格が高騰したりはしない。洋紙の場合は、エネルギー費上昇過程の中で逆に下がって、大きな損失に結びついており、それが板紙、特に段ボール原紙の場合と全く対照的な形になっている。

▼その傾向が、来期の王子製紙の収益予想の中にも浮かんでいる。段ボール原紙、段ボール製品、白板紙の板紙一家に収益上の期待が強くかかっている。ところが、その一方で、洋紙が悪いのはいわば業界内部要因だが、段ボールの場合は外部要因が最悪で、正直な話、どこから局面が開けてくるのか、四月末現在でもまだ手探りの状態と言えそうである。

▼だから、そんなに頼られている段ボールが、実はもうそんな頼りにされるほどのパワーは残っていないんだという結果が出そうで、心配である。