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段ボール業界に安定経営時代 漸く開く 2008-11-30(第1019号)

今次の段ボール製品値上げは、一部実施がずれ込んでいたユーザー先でも、11月末までには新値契約への更新を終え、9月以来3カ月間の交渉に完全に終止符を打った。段ボールケースの値上がり幅は、ごく大ざっぱには平均して11〜12%見当と見られている。この製品値上げの成果と、また今回の価格修正をもって、過去数年来つづいた原紙価格高騰にともなう製品値上げの重圧から解放された段ボール業界は、折からの世界経済情勢の緊迫もよそに、これからの安定経営時代の到来に大きな希望を託す状況に至っている。

とは言っても、段ボール業界安定の根幹は、やはり段ボール原紙。その段ボール原紙は、これまでの原料古紙高・燃料高をしのぎきったあとに、目下、新たな困難に直面している。すなわち、需要の縮小に伴う減産コストの急拡大、及び需要縮小にともなう古紙需給縮小への対応が、逆に最大の問題点となってきた。

これまでは、中国への古紙輸出の急拡大と輸出価格急騰にともなって、まず段古紙の購入価格をキロ18円まで段階的に引き上げ、更に中国向け輸出の最盛時には輸出に対抗したサーチャージ料(上乗せ分)でキロ24円まで急騰したものが、9月までをピークに、10月半ばには中国向けの突然の輸出ストップで上乗せ分が一挙に解消、国内価格のキロ18円だけが残った形。

古紙の中でも、段古紙は段ボール原紙用にしか使えない。また、本来が無原価というかゼロ・コストで、需給次第で価格が揺れる厄介な存在であると同時に、公的には、地方自治体のゴミ対策・環境対策の一環として、税金を投入して末端処理が行われているという特別な分野でもある。

このため、原紙メーカー各社では、中国の輸入がいつ再開されるかの問題と合わせて、当面はまず現行の段古紙購入価格キロ18円を堅持し、古紙需給の安定を支えると同時に、地方自治体への行政支援も含めた両にらみの姿勢と目される。

ここで、一番の問題は、ユーザー業界からは、こうした措置が価格維持のための方策という誤解を招きかねないこと。このため、古紙問題を市場原理のままに放置した場合の重大極まる結果や先例などを、業界として懇切に説明する説明責任も問われてくるようだ。