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「何も心配要らないそうである」 2008-12-25(第1021号)

▼世界の経済情勢悪化がどこまで続くのか、日本の実体経済の悪化がどのような経過をたどるのか、見通しが全く立たないという声が、輸出産業を支え続けてきた大手企業の方々の口から語られ続けている。そういう意味では、今年末は日本経済の全体像の上で、おそらく中国へ、中国へと工場移転の波が巻き起こった平成13年以来の険しさなのだろう。

▼あの当時と比べると、もちろん現在の方がずっと厳しい情勢なのだが、その一方で、段ボール業界は数量的には11月など2ケタのマイナス、12月もかなり落ち込んでいるといいながら、平成13年当時のような悲壮感は必ずしも無いようである。

▼これは、やはり価格効果なのだろう。数量が増えても、価格が収益を割り込む状態なら、作れば作るほど赤字ということで、その反対に収益基盤がきちんとしていれば、量の減った分、手取りは減るけれども、働いた分の収入は得られるという理屈がそのまま効いてきているということなのだと思われる。

▼けれども、いまの一番の心配は、このままの状態を来年は持続出来ないだろうという「恐れ」に違いない。だが、過去何年か、あの厳しいコスト上昇時代を突き抜けて現在があるわけで、10年も前の業界なら、いまの環境を手に入れることなど全く不可能だったはずである。となると、歯車が逆転したような世界で、何がどうなるのか、それが問題の核心だろう。

▼「何も心配ない」ということのようである。昔は、古紙が下がると、経営の苦しい小規模メーカーがまず走って、古紙を叩いて自分だけは生き残ろうとした。それが、やがて中規模にも大規模にも広がって、もともと製造原価のない古紙が値無し草になって回収人も霧散してしまう状況だった。

▼それを繰り返さないこと。幸い中国という新しい需要家もできている。