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「市場原理にしばらくサヨナラを」 2009-02-15(第1024号)

▼ローマで開かれていた「G7」が終わった。先進7カ国が財政の一斉出動で協調体制を取り、需要の創出、成長と雇用拡大に有効な全ての政策を投入するという内容である。

▼市場原理を振りかざして突っ走った金融・証券のシリ拭いで、世界が大変なことになっている。

▼そういうG7の主要国の動きをみて、さて、わが段ボール業界はと見ると、これまた噴火山上にいるような感じがしないものでもない。大元の原料が、何分にも古紙である。製造原価がない物質だから、価格の不安定は言わずもがな。それと、昔から段ボールシート価格を中心に「市況産業」といった呼ばれ方をする。非常に迷惑な呼び名なのだが、この名前のせいで、こんどはいつから安くなるのといった、妙な期待のされ方をする。

▼それに、ユーザーがすごい。日本の製造企業は世界最強だが、その世界市場で揉み抜かれた会社がみんなユーザー。これまた噴火山の上に住んでいるような案配である。

▼一方で、段ボールはタネも仕掛けもない加工賃商売。売上高の3割だけが本当の稼ぎで、残る7割は原紙メーカーのところへ素通りして行ってしまう。しかも、昔と違って、原紙メーカーも最強だから、何やかや言い分を聞いてもらいたいと思っても、もはや、それも叶わぬ時代になった。

▼という環境の中での世界大不況である。段ボールは一兆円産業だと気張ってみても、先ほどの原理で正味は三千億産業なのである。業界全部が一年間働き抜いて、それだけ。それほどの金額の欠損を一社で出した会社が日本の中にもぞろぞろ。こんな非常時に、ぼんやりしていると、乱世の坩堝のような市場で揉みくちゃにされて、何もかもなくしてしまいそうな心配がある。

▼だから、向こう一年、段ボール価格の凍結を提唱したい(db即報参照)。この非常時、市場原理など忘れた方がお互い、良さそうだから。