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「値上げ」と「値下げ」だけに? 2009-04-15(第1028号)

▼段ボール価格は、これまで「上がる」とか「下がる」と表現されていた。ニュートンの万有引力の法則みたいで、天然自然の物理的原理により上がるか、下がるかしていたように一般に認識されていたわけである。

▼段ボール事業者や、その直接のユーザー先でもどちらかというと同じ認識で、「こんどはいつごろ下がるのか」と、そういう物理現象が発生する時期が観測されたりしていた。それが、昨年から今年にかけて、はじめて「値上げ」と「値下げ」に変わってきた。つまり天然自然の物理現象ではなく、製造事業者の意志と、またユーザー側の受入のこれも意志によって決定され実行されたという変化のように見える。

▼たとえば、段ボール原紙価格が原紙メーカーの意志で値下げされた例は過去にはごく例外的だがただ一度だけある。昭和60年に本州製紙がKライナー価格をキロ5円値下げしたのがそれで、メーカーが自発的に宣言して値下げしたのは、過去にはその記録しかない。

▼それが今年2月23日、レンゴーが日経紙に4月1日からのキロ5円値下げを発表したことで、史上2度目の記録となった。実際には、原紙業界の底流として「宣言して値下げ」の意志はすでに固まっていた様子だから、時期が少し早まったけれど流れとしては自然の成り行きだったようである。

▼それを受け継いで、段ボール製品価格についても、段ボール事業者の方から自発的な申し入れ、ないし要請の形で、目下、前回値上げ分の半額値下げと、実施時期の要望の交渉が進められている。「値下げ要求」によって「下がる」のではなく、自発的に「下げる」のは過去に全く記録がない。

▼こういうことが、今後も持続できるのかどうか確信は持てないが、段ボール製品の方は原紙次第だから、原紙がその積もりになると、そうなるだろう。新しい風が吹き始めたようである。