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「青葉若葉の季節にも憂い多し」 2009-04-30(第1029号)

▼去年のいまごろの新聞を読むと、「原燃料高に揺れる製紙産業」であった。例えば、王子製紙の決算では、売上高は前期比527億の増収だが、これは森紙業グループをはじめ連結子会社7社の増加によるものが大部分で、一方の収益は大幅な減少。これは何十年振りかの原燃料高によるということであった。

▼1年経って世界の経済情勢は急激に様変わりした。1年前に全盛を極めたデリバティブの金融・証券ファンド、ヘッジ・ファンド勢が大損失を蒙って、投資家も大損害。結局、資金の出し手が引っ込んだから、原油をはじめ、穀物・鉱物ほかあらゆる物資の買いあおりがすっかり沈静化し、そういう意味では「原燃料高」は当面解消したものの、新たな脅威が「需要の消失」となってきた。

▼段ボールは全くの内需型産業だから、内需の中の王様である食料品・青果物・飲料とか、生活必需品の各分野がそれぞれ最も大きな需要層であると同時に、そういう内需関連は大きな浮き沈みはないということで、比較的安定した基盤を確保し続けることができると信じられている。

▼だから、いま大ごとになっている自動車産業・電器・工作機械・各種部品産業などの輸出産業に比べたら、当面の需要のマイナス幅は小さいものの、一番肝心なことは、そういう輸出産業向けの段ボールが最も高額な、値打ちのある分野であって、その分野の需要の縮小幅が大きいことでは、段ボール産業への打撃も結局、極めて甚大と言わざるを得ないであろう。

▼平成20年第1四半期から第4四半期までの1年間がマイナスの循環だったところに、追い打ちを掛けるような世界大不況だから、いま誰にも先行きの予想はつかない。

▼こんな時は、やはり落ちついて四方八方を良く見ることが一番大事なのだろう。折柄、青葉若葉の季節でもあるし。