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段ボール生産、依然 底ばい状態に 2009-04-30(第1029号)

四半期別段ボール生産四半期別段ボール生産

平成21年2月の段ボール生産が9億2,194万8千m2、前年比14.2%の減少と発表された。3月(速報)は9.5%減とやや緩和された。過去の記録で最大のマイナスだったのが昭和49年12月の前年比32.2%減、50年1月の36.8%減、同2月の35.5%減で、30%以上のマイナスはこの3カ月だけ。また、20%台のマイナスがその直前の昭和49年9月〜11月の連続3カ月で、この結果、昭和49年は年間でも前年比14.9%減と2ケタのマイナスとなった。第一次石油危機後の転変が、如何に強烈だったかが改めて思われる。

第一次石油危機後の大幅な需要量の落ち込みに対して、「支え」となったのが「価格」。つまり、昭和48年〜49年の価格急騰で、段ボール産業の収益も非常に好転していたため、需要(生産)の縮小に対しても、価格効果でカバーされる面が大きく、冒頭に述べた年間を通じて前年比15%減にも耐えられたのが昭和49年〜50年の実態だった。

ただし、第一次石油危機後の場合は、昭和50年6月から段ボール生産は前年比増加に転じたものの、生産の増加に反比例して価格の下落傾向が加速したため、それ以降の方がむしろ経営的に厳しい状況となった。

同様の事例が、第二次石油危機後に再現された。昭和54年の第二次石油危機突発で、同年中、生産は2ケタ増加、売価も急上昇を辿ったあと、翌年の昭和55年4月の前年比0.1%減に始まって、以後、昭和56年6月まで14カ月間、マイナスがつづくことになった。但し、数量的にはマイナスつづきだった昭和55年〜56年も、実際は価格効果で経営的にはまだ余裕があった時期。以後の価格下落による収益難が、段ボール原紙業界の過剰設備による混乱も加わって、結局、昭和60年代のバブル期までつづく経過となった。

昨年のリーマン・ブラザーズ以来の世界不況で、現在も前2回の石油危機時と背景的には似通った状況という意味で、強烈な警戒感が持たれている。当然、似た状況もあれば、全く異なった要素も非常に多い。

一番違うのは段ボール産業の基盤である段ボール原紙で、しかも、これは業界内のみならず、ユーザー業界にも広くその認識が行き渡っていることが挙げられるだろう。原紙業界の構造的な変化もさることながら、原紙の原料面の基盤である段ボール古紙の環境もまるで変わってしまった。

つまり、前2回の石油危機当時は原料古紙の買い手は国内の原紙メーカーだけだったが、いまや最も強力な買い手として中国が登場して、昨年末ごろ一時は買いをストップする動きがあったものの、今年に入って買い付けを再び活発化させており、2月は日本から30数万tもの古紙が輸出される状況となって、古紙需給バランスの失調懸念はひとまず去った状況となっている。

ところで、目下、昨年の段ボール値上げ分の半額値下げの過程が粛々と進行しつつある折柄だが、別表の四半期別の段ボール生産量の面で、数量的にはこの1〜3月は前年比で11.2%減と、やはり2ケタのマイナスとなっている。ただ、前2回の石油危機時とは比べものにならないが、最近2年間の段ボール製品値上げによる効果がやはり数字的にも示されるところで、1〜2月の数量は12.1%減。但し、価格は6.3%アップで、数量減のダメージを価格でほぼ半分はカバーしているのが最近の状況と判断される。

21年1月の段ボール生産が9.7%の減少だったのに対して、2月は14.2%の減少。これは前年がウルウ年だった関係で、その差の実働1日分は統計上は5%前後の差と見積もられるから、2月も1月とほぼ風速は同じ。そして、3月の速報値が9.5%減ということで、1〜3月期はともかく10%程度ギリギリのマイナスで踏みとどまって、いわゆる底ばい状態となっているのが、段ボール需要の実態と見られるようである。

日本国内の景気低迷を反映して、段ボール生産も平成20年第1四半期からマイナスに転じ、平成21年第1四半期まですでに5四半期連続のマイナスだが、回復の兆候はまだない。