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全段連大坪理事長、展望語る 2009-05-30(第1031号)

全国段ボール工業組合連合会(大坪清理事長)では5月20日、東京・飯田橋「ホテルグランドパレス」で平成21年度通常総会並びに理事会を開催、引き続き午後5時から正副理事長、理事、監事、並びに経済産業省関係者などが出席して、恒例の記者懇談会を開催した。今年は役員改選期(任期2年)に当たるため、人事案を諮った結果、大坪理事長の再任、及び副理事長に児島圭多朗児島段ボール社長、佐野成人王子チヨダコンテナー社長、理事下園廣一下園紙工業社長のそれぞれ新任(南段工)と他の理事全員の再任を決めた。

当日の全段連大坪理事長の挨拶要旨は次の通り。

『ただいま全段連の第55回総会並びにそれに続く487回の理事会を開催しまして、今年5月以降の全段連の体制が決まりました。私が再び理事長に推薦され任命されました。引き続き皆様にお世話になるということですので、よろしくお願いいたします。

日本で段ボールが初めて世に出て今年で100年になりますが、ということで段ボール業界自身も100周年になります。100年に一度と言われる不況の中で、段ボール産業自身が100年を迎えたということですが、この100年間、段ボール産業は、日本の経済界に大きな貢献を果たしてきたと思っております。

ご存じの通り今年、世界の段ボール業界並びに段ボール原紙業界の代表の方々を日本にお招きして、日本でICCA及びWCOの総会を開きました。2日間にわたる討議その他も終わった後、各国の代表の方に意見を聞くと、本当に日本の段ボール業界は大したものだという評判で、そのあと国に帰ってからもお褒めの言葉を沢山いただいております。日本の段ボール業界の世界における地位も、相当高揚したのではないかと思っております。

一般的に、私は10年前からこの段ボール産業の地位向上、地位向上という風に申し上げて来ておりますけれども、この100年の段ボール産業の発展の中で、中間の50年前は、段ボールを創始した井上貞治郎氏がこの世を去る前後ということでした。その頃の段ボール産業は全生産量が年間10億m2、日本のGDPは70兆円ぐらいでした。同時に、段ボール産業が属する包装容器の業界は6千億ぐらいでした。

こういう三つの数字があるわけですが、これが2008年にはどうなったかと申しますと、GDPが550兆ぐらい、約8倍です。包装産業自体はどうかといいますと、50年前の6千億が6兆3千億と10倍です。では段ボール産業はどうかといいますと、10億m2が130億m2以上になっているということで、段ボールは13倍になりました。

言い替えると、段ボール産業が日本経済に果たしている役割というのは、GDPが当時から8倍、包装産業全体が10倍という中で、段ボール産業は13倍ということですから、日本の経済界における段ボール産業の地位というのも、それなりに大きくなっているのではないかと思います。

それから、2008年の6兆3千億の包装産業を分析してみますと、紙・板紙関連というのが、そのうちの40%を占めております。次にプラスチックが30%、金属製品の容器包装が17%です。その他の残る13%の中に、ガラスとか木材とか陶器とか、色んなものがあるわけです。

というように、紙・板紙関連が40%と非常に大きいシェアを持っておりますが、その40%の中の段ボールというのが紙・板紙の中でも圧倒的なシェアを持っているわけですから、段ボール産業の経済界に果たす役割は、それなりに評価していただいて良いのではないかと思っております。

私は前から、段ボール産業は「サポーティング・インダストリー」である、ユーザー産業を支える役割だと、ずっと言い続けているわけですが、よくよく分析しますと、この段ボール、或いは包装容器があるがゆえに、メジャー産業の商品がどんどん伸びたという例が多いわけです。例えば、身近かにあります粉洗剤がこれほど伸びたのは、印刷紙器が本当にうまく洗剤をパックできたというところから、あれだけ伸びたということが言えるでしょう。

また、いま瓶ビールが缶ビールにどんどん替わって瓶より缶の方が多いという状態です。これはやはり缶そのものを容器として開発したことによります。50年前、缶ビールはほとんどありませんでした。缶にアルミが使えるということが分かったことと、フルトップも開発できたことの結果です。そして、それを大きな包装で包める包装容器というのが、結局、段ボールだったわけです。

青果物包装についても、木箱、トロ箱、或いはワックス掛けとか色々ありましたけれども、その後の段ボール産業の技術的な開発によって、青果物包装も本当に伸びてきて、日本の青果物自体の流通が安定しました。例えば、全農の農業包装資材というのが、全農の商いの中であれだけ大きな地位を占めることができたというのは、やはり段ボール産業の努力があったからだと思っておりまして、段ボール産業自身もサポーティング・インダストリーであると同時に、いまやメジャー産業的な部分も、この50年の間に持ち始めているのではないかと思います。というところから、地位向上という面でも、評価を変えていただいて良いのではないかという風に思いだしたりしております。

これから先の2年間、また私が全段連の理事長として、皆様方と一緒になって更に前進して参りたいと思いますが、この数年の間、全段連の皆さんに本当に意識をどんどん変えていただいて、段ボール産業そのものの在り方というのを、段々お互いに分かり合ってきたんではないかという風に思っております。

ただ、日本経済全体が成熟化している中で、この段ボール産業も成熟産業になりつつありますけれども、決して衰退産業ではありません。物流がある限り、やはり段ボールは絶対必要です。いま、プラスチック・コンテナーの問題も片方に出てますけれども、私は物流に一番最後まで必要なものは段ボールであるという風に信じております。

この段ボール産業を更に発展させて行きたいと思いますが、その発展の過程でわれわれが気をつけなければならないのは、やはり地球温暖化対策です。あるいは省エネルギー、省資源です。そういう問題をよく頭に入れながら、世の中に本当にお役に立てる段ボール産業にして行きたいと思います。どうぞ、これからも、全段連を中心にして、ご協力のほど、よろしくお願い申しあげる次第です』。