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王子チヨダコンテナー(株)佐野新社長に聞く 2009-06-15(第1032号)

佐野成人社長佐野成人社長

王子チヨダコンテナー(株)では、石田隆社長の王子製紙(株)代表取締役副社長就任(6月下旬)並びに4月1日付でのグループ内組織「生活産業資材カンパニー」管掌への異動にともない、同日付で佐野成人専務(王子製紙執行役員)の社長昇任を発令した。佐野新社長は昭和24年福岡製紙入社、12年後の本州製紙、更に13年後の王子製紙の合併とともに歩んできた正に王子チヨダコンテナーの合併の歴史を体現した人である。本紙は5月14日、就任間もない佐野新社長にインタビュー、同社の現況や今後の抱負などをうかがった。

<本紙>佐野新社長が誕生されて、はじめてのインタビューでございますので、まず王子チヨダコンテナー社長としての抱負といいますか、こういう方向でやって行くというお考えを、まずお聞かせいただきたいのですが。

<佐野>基本的には、石田前社長の路線を引き継いでやって行くということには間違いありませんし、そういう中で、私がまずやらなければならないことは、私どもがチヨダと合併して、それの整理を石田社長がずっとやってこられました。それを私の代には何とかチヨダと元の王子コンテナーとを完全に同一に、全く融合するようにして行きたいということです。

合併統合ということは、ややこしい色んなことがありがちですから、これを整理して行く、労働条件なども含めて整理していくことが第一番で、それを私の代で完成しなければならないと思っております。

<本紙>森紙業グループとの関係もあるわけですね。

<佐野>森さんとの関係では、パックスパートナーズという組織を作って森の勝谷社長にその代表ということでお願いしております。これも石田社長の時代から進んでいたのですが、王子チヨダコンテナーとの王子グループの中でやってきたこと、工場の再編ですね、これを森さんも含めてお願いして行くということになると思いますが、この工場のクローズという問題については、普通考えられるのは「負のイメージ」なんです。つまり、赤字の工場を閉鎖して、出血を止めるということ、まあ、それも無いと言ったらウソになるでしょうが、私ども、特に石田社長が始められる前の再編と、石田社長の時代からスタートした再編との違いというのは、黒字の工場でも閉めるということです。

<本紙>黒字でも閉鎖を。

<佐野>ですから、負のイメージではないです。赤字だからクローズするというような、マイナスのイメージではなくて、日本のマーケットに合った生産体制の確立というのが目的です。

日本のマーケットの伸び率というのは、少子高齢化ですから、もう大きく期待は出来ません。ですから、それに合った生産体制にする。しかも、当社は同業の各社さんと比べると、合併の繰り返しの会社・工場ですから、そういう再編のプロバリティは王子チヨダコンテナーの中だけでもあるわけです。更に、それに森さんというファンクションを入れますと、そういう再編の可能性というのは絶対に優位に立っている、チャンスが大いにあるということです。これは非常に大きな財産です。

ですから、再編の目的というのは、赤字だからリストラ・再編ということではなくて、マーケットに合わせてやって行く。その結果として、つまり再編しながらやって行くとなると、全部の工場に同じような投資を均一にして行くというのは非常に無駄になりますから、この地区はこの工場を基幹工場にする、そして、こちらは基幹工場のサブ工場だとか、アシストが出来る工場にして行くんだという流れになります。

ご存じのように、エンドユーザーさんから広域の非常に厳しい要求が出てきます。それに対して、全部の工場に環境設備を整えたり防虫対策をしたり、品質的に有利な検査装置を入れたりといったことを全てやろうとすると、大きなコストアップになりますから、まずは、そういったポイントを置いた工場を作って行くということです。

それで、これは私の個人的な意見で、オーソライズされたものではありませんが、現状では月産1千万m2以上の工場を作るとなると70億〜80億の資金と、それにコルゲータも2台必要ということになりますから、私の言う基幹工場、いわゆる戦艦というのは「戦艦ヤマト」ではなくて、その下ぐらいの准戦艦です。まあ、600万m2から700万m2の生産規模ですから、いまの工場群の中で、そういう准戦艦クラスの可能性のある工場は幾つもあるわけです。

<本紙>いま、工場数は幾つですか。

<佐野>全部で27工場になります。

<本紙>これはまだ多いと感じておられますか。

<佐野>今期中に25にします。それが大体、流れに乗ってきておりますので、並行的に次のステップを考えております。

<本紙>閉鎖された高槻なども黒字だったのですか。

<佐野>そうです。それを私は特に強調したいのです。赤字だから閉めますではないんです。それと、なぜそんなに急ぐかと申しますと、ちょうど団塊世代の後半の部分、後ろの部分が定年になって行くのが大体2年以内ぐらいです。ですから、その間に工場をクローズして、そこの従業員をその定年補充に当てて行くという方向です。その時期を逸しますと、過剰人員になってしまいます。

<本紙>現在の人員数の問題ですが、現状をどうお考えですか。

<佐野>まあ、これも石田社長の流れから言われてきたことですが、過去において無理な減らし方をしてきたきらいがあるということです。過去の状態では、段ボール業界の収益が非常に悪いということで、絶対人員を減らす、必要なところまで人間を減らす、なおかつ必要な社員でやるべきところを、いわゆる派遣に切り替えたり、そういうことがありました。

それで、石田社長の在任中に、ここは絶対に何人が必要である、それからここは社員でやらなければならないというルールが確立されました。そういう人材については、その流れで行きます。ただ、そういう基準で見ても、どうも少しプラスアルファがあるじゃないかという工場も散見されますので、それは適正人員に減らして行くことに変わりありません。

ただ、いまのプロセスでは、必要なところ以上まで人員を減らしてしまった状況の修復がまだ完了しておりませんので、それが当面の問題点の一つだと考えております。

<本紙>石田社長の代になってから、世間的なイメージがだいぶ変わって受け取られているのではないでしょうか。王子コンテナーとチヨダコンテナーが合体されて以後の経過ということでしょうが、合併後、何年になりますか。

<佐野>5年です。

<本紙>石田社長が2年前に就任されたころは、まだ半煮え(笑い)のような感じではなかったでしょうか。

<佐野>ええ、私はベトナムから帰ったばかりで、それから、すぐ技術の方に行ったんですが、ロスの尺度なんかも違うんです。違う尺度でロス率を出して、それを右と左で比較している(笑い)。尺度が違ったら出てきたパーセントだけでお前のところが良いとか、悪いとかという議論をしても仕様がないわけです。

まあ、そんなこともありましたが、これは合併、合併できた当社のような場合には避けられない悩みごとですが、仰有る通り、非常にベターな方向に進んできていると考えております。

<本紙>王子グループは多民族国家の、いわばアメリカ合衆国ですから(笑い)。

<佐野>石田社長の2年間で、王子コンテナーの人とチヨダコンテナーの人との給与面の格差も大きく改善されました。真の融合のためには、給与体系の一本化も先決課題です。たまたま現状は世界不況があって難しい事情を余儀なくされておりますが、向こう2年以内にはと考えております。

<本紙>本日は、貴重なお話を有難うございました。(文責・本紙)

【佐野社長の略歴】
  • ▽1949年(昭和24年)1月15日生▽71年3月、鳥取大学農学部林学科卒業
  • ▽71年4月、福岡製紙(株)入社▽83年4月1日合併、本州製紙(株)福岡段ボール事業部製造課長▽96年10月1日合併、王子製紙(株)筑波段ボール事業部次長兼製造課長▽00年10月、王子テックス(株)(ベトナム)出向▽06年8月、王子チヨダコンテナー(株)管掌役員付上席主幹▽06年9月、王子チヨダコンテナー(株)へ転籍▽07年4月王子製紙(株)執行役員兼王子チヨダコンテナー(株)専務▽09年4月、王子製紙(株)執行役員兼王子パックスパートナーズ(株)副社長兼王子チヨダコンテナー(株)社長。