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古紙需給に重大懸念 2009-06-30(第1033号)

中国の古紙輸入動向中国の古紙輸入動向

平成21年4月の段ボール生産(確報)が11億2,585万1千m2、前年比7.1%減と発表された。つづく5月の生産速報は9億8,450万8千m2、前年比11.5%の減少と発表されている。但し、5月の稼働日数は前年より2日少ないため、実質では1.7%の減少。「生産月報」の上では2月の前年比14.2%減が大底という数値だが、これは前年がうるう年だった関係からで、実働日数で調整した実質では1月が前年比99.8、2月90.3、3月86.3、4月92.9、5月98.3の推移と変わる。

すなわち、昨年の世界パニックを受けた段ボール需要の急下降局面で、一時は第1次石油危機時以来の連続2ケタマイナス時代が来るかと懸念されたが、実際にはそうした事態は09年第1四半期だけで収まり、4月が7.1%減、5月1.7%減、そして6月にはプラス浮上という傾向値がほぼ確認され、一応、最悪の事態は避けられた感触となってきている。

これには、世界各国政府が協調して、あらゆる手段を総動員して景気対策を進めた結果であると同時に、日本の段ボール産業に限って言えば、電機.自動車をはじめ輸出産業が大きな打撃を受けた反面で、段ボール需要全体の55%を占める食料品及び日常の生活必需品の需要が大枠を保持している関係で極端なブレが生じなかったためと言えるようである。

ところで、世界パニックの影響下で一時、大きく落ち込んだ重油及び主原料である段ボール古紙価格の面で、まず重油が年初の底値から大きく反転上昇、さらに原料古紙価格も「中国要因」により今年1〜3月時点の情勢と一変する展開を続けており、段ボール原紙の生産コストの反転上昇を軸に、先行き市況の強調化が一段と進むとの観測が広がってきている。

昨年から今年にかけての中国の古紙輸入量の推移、及びそのうち日本からの輸出量、米国からの輸出量は上掲表(日本紙類輸出組合資料)の通りで、1〜4月に中国の輸入量は前年同期比6.5%、52万8千t増加したが、同期間に主要輸出国の米国は3.6%、約13万t減少している。これをカバーしたのが、古紙の過剰在庫を抱えた日本で、前年比56.7%増の142万9千t(51万7千t増)を輸出したことになる。

1昨年〜昨年の段古紙価格高騰が記憶に新しいが、当時はベース価格と考えられていたキロ18円の線を越えて20円相場まで上昇、更に中国の買いにつれてプレミアム5円前後が上積みされる事態となった。それが中国向け輸出量でみると、ピークが08年7月の31万4千t〜9月の30万4千t程度で、月平均に均すと25万t弱に止まっている。
今年は2月が34万t、3月43万t、4月53万tとケタ違いのペース。やがては古紙需給の破綻が表面化する懸念さえ持たれている。