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3月段ボール生産、全地域プラス転換 2006-05-30(第956号)

平成18年3月の段ボール生産が12億522万4千平米、前年同月比1.6%の増加と発表された。これを加えた今年第1四半期(1〜3月)の段ボール生産量は32億518万平米、前年同期比1.6%の増加となった。つづく4月の段ボール生産はこのほど11億9,972万6千平米、前年比1.8%の減少と発表された。四半期別には、平成16年以降は同年第4四半期の1.2%減を除いて全てプラスで、うち最大の伸びとなったのが平成16年第1四半期の3.5%増、次が17年第4四半期の2.4%増となっている。

平成18年第1四半期の前年比伸び率1.6%は、実は昨年末時点での予想をかなり大きく下回るものであった。昨年第4四半期に2.4%増まで"急回復"してきた流れの上では、この第1四半期に「2%」台の伸長が実現し、さらに第2四半期ないし第3四半期にかけては「3%」台の数字が見え隠れするような状況も期待された。
ところが、実際にはそうはならず、意外に需要が伸び悩んでいるという印象が浮かび上がった上に、4月の生産速報では、マイナス1.8%ということで、経済界一般に「景気回復」がいわれる中で、段ボールという素材の場合は従来と何も変わらず、回復が「遅れてやってくる」ことが改めて再認識されるような結果となっている。

4月速報のマイナスも、全く予想外のものだったと言える。稼働日数の上では前年4月も今年4月も土日休日を除く日数が20日で変わらず。従って、景気動向の上では今年4月の方がより安定的に上向いていると思われるのに、多分、新年度入り早々の消費はほとんど増えていないのが実態だったという意味になる。

そのように、平成18年は段ボール業界の期待とはウラハラに、余りよい出足ではなかったが、といって先行きの見通しがどこか悪くなったのかといえば、そんなこともない。つまり、景気波動の大河のような流れの中で、今回はエネルギー費の高騰などを織り込んだ"調整"の局面だと理解されるが、これが一巡すれば、また次の局面が開けてくるということで、いずれにせよ「景気の踊り場」の最後の過程をいま通過しつつあるとみてよいのだろう。

ただ、この不活発な需要状況が、目下進行中の段ボール価格修正の上で、当初に期待されたほどの支援材料にはなっていないことが言えるように思われる。
エネルギー費、原料費のコスト増加分をどう製品価格に転嫁出来るかが、目下のあらゆる産業界の「当面の課題」であり、特に、段ボールを含む紙パルプ関連産業の場合の打撃の大きさと転嫁の遅れが警戒されるところだろう。
まだまだ懸念先行型の推移ながらも、例えば地域別の段ボール生産動向をみると、2月から全国8地域全部がプラスに変わり、平成17年に北海道(99・4)四国(99・9)九州(99・3)の3地域がマイナスだったものが、平成18年第1四半期には全てプラスに勢揃いした。

これは、「景気回復」をそのまま象徴する統計上の現象で、景気の回復状況がまだ中途半端な"踊り場"の局面にはないものだと考えられている。全国一斉にプラスが、この第1四半期からスタートしたのも事実で、だから、この局面で先述のように伸長率の不足を言い立てるのは、むしろゼイタクということかも知れない。

段ボール統計上でみると今回の景気回復は関東・中部・近畿を中心とした大都市先行型で進んできた。それも、必ずしも画一的ではなく、関東だけはほぼ一貫して余り大きなブレもなく一定ペースでの回復経過を辿ったが、中部がプラス転換したのは平成16年から。近畿は更に遅れたが、平成17年になると一気に2.8%増と全国トップの伸び率を示し、それが、平成18年第1四半期には、これまで出遅れの東北が3.8%増、中部が2.1%増、中国3.2%増となって、四国・九州がまだ1.0%増に止まっているのを除けば、あとは北海道(第1四半期0.3%増)がどのような回復過程を辿ってくるかが注目されるだろう。

シート出荷は、更に半歩遅れというか、例えば生産がプラス転換した北海道・九州も、シート出荷はまだ平成18年第1四半期にも北海道2.8%減、九州4.6%減というように完全復帰していない。
その一方で、昨年の近畿のように、中国は6.9%増、四国4.3%増というように、シート出荷が先行して上向く動きも出だしている。
これも結局、景気上昇の初期的現象なのだと思われるが、全国平均的に景気回復の恩恵が行き渡るまでには、こうした整合性にはやや欠けるというか、シーソー的な現象がこれからも多くみられると思われるわけである。

注目の段ボール平均単価動向は、1〜3月期にシート・ケースともやや軟調の推移。例年の不需要期の一般的傾向だが、折柄、段ボール原紙の値上げが発表され、その実施が避けられない中での価格動向だけに、今後の経過への懸念も含めて注目されるところ。

この結果、出荷シート・ケース合計平均の総平均単価は、平成17年第4四半期の62円48銭から、平成18年第1四半期には61円67銭と80銭余り(1.3%)ほどの低下となった形である。
その一方で、段ボール原紙の総在庫は引き続き小緩みもなく推移、3月末在庫率(対消費)は82・4%まで減少している。