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全段連大坪理事長がセミナーで冒頭挨拶 2009-07-15(第1034号)

全段連では7月10日〜11日の2日間、豊橋市・ホテル日航豊橋で「段ボールセミナー09」を開催した。参加者は300名を超える多数で、第1日目の10日は12時30分開会、大坪清理事長の主催者挨拶に始まり、「安全衛生委員会の部」として栗原由行委員長から活動状況の報告、更に08年の労働災害の概況が川口哲男委員から報告された。このあと東・中・西・南各段ボール工業組合の安全衛生に関する研究発表、及び関連産業7社の新技術紹介で第1日が終了、第2日は「技術委員会の部」として4段工からそれぞれ研究発表が行われた。

冒頭の全段連大坪理事長の挨拶要旨は次の通り。

『本日は300名を越す皆様方にご参加いただき、誠に有り難く存じます。ご存じのように、この段ボールセミナーは、技術セミナーと、安全衛生大会という二つの形でずっと続けられて来ましたが、2005年に統一され、「段ボールセミナー」となったわけであります。

これまでの段ボールセミナーの歴史を振り返ると、今年で41年目になります。非常に歴史のあるセミナーですが、同時に、われわれ段ボール業界は今年、目出度く100周年を迎えたわけで、100周年の歴史というのは非常に重いものであるという風に私は思っております。この100年の歴史の中で、段ボール技術というものが、本当に心血を注いで開発されてきたのは1970年から1980年ぐらいまでであって、80年以降は技術開発そのものが、ややスローダウンしているのではないかと私自身は思っておりまして、この大会が、来るべき次の100年に役立つような大会になることを切に祈念する次第です。

私は、実は昨日の夜まで中国におりました。青島で私どもの新しい工場を立ち上げて、そのオープニングセレモニーを一昨日、昨日と行ってきたわけですが、その前に香港からぐるっと各地を回って、中国の最近の状況をチェックしてきたわけであります。

100年に一度という世界的な経済危機がやってきたことで、皆さんも、非常に心理面がシュリンクしているんじゃないかと思いますが、事実、経済評論家の中でも、極端な人はこの不況は10年続くと言ってみたり、あるいは3年は続くと言ったりしているのに対して、まあ、そういう人が多いわけですけれども、中国を見る限りでは、この経済不況の克服というのは比較的早いんではないか、特に中国ではと、その感を深くしたわけであります。

今回のセレモニーには、中国の現地政府代表以下、中国側のいろいろな人に来てもらったり、日本の総領事に来てもらったりしたわけですが、皆さんの話をずっと聞いておりましても、やはり中国の経済復興は政府が本格的に取り組んでいる、だから回復が早いと、みな自信を持って言っておりました。いま中国の内陸部では、極端なことを言うと、ウィグルで問題が起こったり、チベットで問題が起こったりもしておりますが、中国の内陸部開発には、われわれが知っている以上に中国政府が力を入れております。内陸部地区で冷蔵庫、或いは電気洗濯機、クーラー、携帯電話などを買うと、政府からの補助が20%から30%出るということで、電化製品がもの凄く売れ出しているということです。

それから、今朝の新聞にも出ておりましたが、中国では自動車がこの1〜6月で610万台売れている。アメリカは480万台ですから、中国がアメリカを抜いて、遂に世界で1位になったというようなことで、今回の100年に一度の経済不況は、いわゆるBRICsのブラジル、まあロシアはちょっと遅れていますけれど、インド、中国という中進国群といいますか、そういう国々が中心となって、経済開発が進むという風に思っているわけです。

それから、日本ですけれども、日本でもトヨタとかキャノン、パナソニックとか、日本をリードする色んな会社がリストラ策を打ち出されております。日本全体の経済はシュリンク以上の状況になっているわけですが、しかし日本の経済も私はもう底打ちをしたと思っております。なぜかと申しますと、1990年から2000年代初めごろの経済に関する勉強が結果として出てきていることです。

つまり、経済で一番重要なのは在庫管理を徹底するということなんです。特に製造業は、自分の作ったものが、どのようなルートをもって消費されているか、そのルートを確実にチェックすることによって、われわれの製造業がどれだけのものを作って、在庫をしておればいいかを、この2000年初め頃までに勉強し終えたということであります。従って、その勉強が出来ていないところが、今回の経済不況では非常に困った状態になっているわけであります。例えば、製紙業界においても、洋紙と板紙ではなぜ違うかというと、洋紙はその勉強を結局しなかった。一方、板紙はその勉強をして、それに対応をする姿勢というのが出来ていたということで、今回の不況に対する洋紙と板紙の違いが出てきていると思います。

言い替えると、経済を回して行くに当たって、一番重要なのは、物を作ることと同時に、作り上がったものの管理、それと在庫を如何に適切な管理体制で維持するかということです。日本全体としては、その勉強が一応出来上がっているわけです。トヨタにしても、キャノンにしても、パナソニックにしても、リーマンショックを受けて、一時は極端に不況対策を進めましたけれども、トヨタではそれなりの在庫管理が出来ていたわけでありますから、いま現在では、わずか5カ月間で動き始めました。ということは、在庫管理が徹底できたということです。パナソニックもそう。パナソニックは、液晶も、プラズマも、もう増産体制に入りつつあります。という風なことで、結局、在庫管理が出来ているわけです。

そして、インド、中国、ブラジルなどの新興国、それにアメリカも、それなりに動き出しつつあります。従って、昨年9月15日のリーマン・ショックで受けた影響があまりにも大きかったものですから、皆様方も心理面が非常にシュリンクしている状態が続いていると思いますけれども、私はそう遠くない時期に日本経済が動き出すと思っております。そして、そういう動き出すときに、われわれ段ボール産業がどういう対応をするかということが非常に重要です。

そこで、今日の段ボールセミナーです。本日は安全衛生を中心に色んな問題が取り上げられ、明日は段ボール技術、テクノロジーについての検討がなされるわけですが、冒頭に申し上げた通り、段ボール技術のテクノロジーは、私は1980年ぐらいまでは日本が文字通り世界をリードして、発展してきたけれども、1980年以降、わが段ボール業界のテクノロジー開発は、ややスローダウンしているというように思っております。

私は、社内でも機会をとらえては技術屋さん、或いは現場のトップに段ボール技術の新しいアイディア、本当の段ボールの新しい技術、対応というのを考え直せということを言っておりまして、やがて新しい段ボール技術というものが開発されると確信している次第です。

その原点は何かと申しますと、テクノロジーの開発は五つあると思います。ひとつはやはりメカニカルなテクノロジーの開発です。私はこれをMTと呼んでおります。それから、段ボールで、もう一つ、非常に重要なのがケミカル・テクノロジーです。ケミカルの開発、つまり紙と紙を接着させる、紙の上に印刷をするということはケミカルが担当するわけです。このケミカル・テクノロジーCTがMTとともに非常に重要であります。

しかし、それだけでは不足で、そこにインフォメーション・テクノロジー、ITが必要です。さらに、出来上がったものを、物流に乗せて運搬したり、保管したりするわけですから、ロジスティック・テクノロジー、LTが必要です。そして、最後に必要なのは、そういう事柄を創造的に、会社として、企業として、或いは業界として出来るようにするファイナンシャル・テクノロジー、つまりFTと、この五つのテクノロジーを総合して、業界発展、或いは各企業の発展に取り入れていただきたいと思っているわけです。そういうものを総合した新しい技術を創り上げることで、今日ここにご出席の皆様方に世界に冠たる日本の段ボール産業を創り上げていただければと願っております。

それから、一方、安全の方ですが、安全については私は、社内で朝から晩まで「安全、安全」と言っておるわけですが、基本はヒューマン・エラーを如何に無くすかに尽きると思っております。ヒューマン・エラーを無くすためには、普通は「3S」ということが言われておりますけれども、私は「6S」だと、ずっと言い続けております。「整理・整頓・清潔・清掃・躾・作法」です。この六つのSというのをぜひ皆さま方の社内でも徹底していただくことによって、失敗しても、災害が起こらない「フェイル・セーフ」、フェイル(失敗)してもセーフに、ということを常に念頭に置いていただいて、皆さま方のオペレーションを進められることを切にお願いする次第です。

これからの段ボール産業のもう一つのキーワードはなんと言っても「環境」です。本日も、それに関連する色んな話題が出ると思いますが、基本は何かというと、皆さまの工場全体をクリーン・ディベロップメント・メカニズム、いわゆるCDMに乗せることです。クリーンな開発を続けるメカニズムが出来上がっているかどうか、それを皆さま方が意識してやっていただくと同時に、それを維持して行くことによって、段ボール産業が更に発展して行くということであります。総合的に言いますと、イノベーションをつづけること、先ほど申しました五つのテクノロジーをさらに発展させ、ずっと維持して行くと同時に、今後は環境が大事だということから、CDMを絶えず考えながら、皆さま方に努力していただきたいことを、大会冒頭に全段連理事長として、皆さま方へのメッセージとしてお話した次第です。

今日一日、そして明日と、大きな成果が出ることを祈念いたしまして、私のご挨拶にかえさせていただきます。有難うございました』。