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平成18年4月度の実績から 2006-06-30(第958号)

平成18年4月の段ボール生産(確報)が12億159万平米、前年比1.7%の減少と発表された。最近のマイナスは昨年7月(2.4%減)以来の9カ月ぶりで、趨勢としては昨年9月から11月まで「2%台」の増加が続き、今年は引き続き上伸が期待されたのに反して、1〜3月は「1%台」へと後退、更に4月にマイナス1.7%と、一段の下げが表面化した経緯である。しかし、つづく5月の生産速報は一転して3.8%の増加。段ボール需要が、回復から拡大への移行のステップを示唆するものと判断される。

まず最初に、5月速報の前年比3.8%増について述べると、段ボール生産が「3%」以上の伸びを示した記録は、2年前の平成16年まで溯らなければならない。まだ記憶に新しいが、平成15年末に段ボール原紙のキロ5円アップの再値上げが発表されて、需要環境が最悪の中で段ボール会社が製品値上げに取り組んだちょうどその時期、つまり平成16年3月〜4月に、需要状況が全国同時に驚異的好転を示し、3月は前年比6.6%増、4月が4.7%増となって、業界中を驚喜させた。

ただし、その直後の5月は逆に3.5%減で、はだ身に感じられる需要そのものが不調。そして8月に再び6.8%増と大幅な伸びがあったものの、以後は一進一退で、平成17年後半まで、いわゆる"踊り場"の、もう一つはっきりしない環境がつづくことになった。

その平成16年以前に「3%台」の伸びを探すと、平成12年まで4年間も溯らなければならない。つまり、平成9年の消費税率引き上げからずっと不振がつづいたわけで、11年後半から12年夏ごろにかけて、月によっては4〜5%増の伸びが散見されたものの、その後は再びプラスマイナスのはっきりしない情勢が繰り返されて来たわけである。
そういうような最近数年間の推移を経て、漸く今年5月に3.8%増と、「3%台」の記録が現れた。日本経済の流れからみて、段ボール産業に待望の「3%時代」が訪れてくる前兆と判断してよいとみられるわけである。

さて、4月の段ボール生産を地域別にみると、全地域が全て揃ってマイナス。既報の通り、2月〜3月は全地域揃ってプラスだったわけで、その翌月が揃ってマイナスというのも非常に珍しい現象である。何かごく単純素朴な理由があるに違いない。そして、5月にこんどは再び全地域がプラス、しかも2年前の平成16年3月〜4月当時にみられたような大幅な増加の記録が、地域によっては生まれているのではないかと観測されるようである。
4月の単月では全地域がマイナスだったものの、今年1〜4月の累計では北海道を除く7地域がプラス。ほとんど1%前後のプラスだが、東北地区だけが2.5%増と高い伸び。他の地区に先がけて「3%時代」を体現しそうなのが東北地区のようである。

地域別のシート出荷をみると、東北地区は4月のシート出荷も1.3%増とプラス。そして、興味深いことに、1〜4月累計でみると、中国は5.0%増、四国が3.1%増となっていて、シート出荷の方、つまりボックスメーカーへの販売の方が、一足先に「3%時代」に向かう地域が出始めている。

次に、需要部門別の動向をみると、4月には年初来好調だった電器器具・機械器具用と加工食品、および青果物の上位3部門が揃って1.2〜2.3%のマイナス。言い替えると、この3部門のマイナス巾が、ちょうど生産全体のマイナス巾1.7%にピッタリ反映された形となっている。

段ボール平均単価動向の面では、4月までは特に変化はみられない。4月も5月も交渉中で、シート価格でも5月以降に統計記録として多少形を表すかどうかで、実態的には6月以降、次第に成果が浮かんでくるだろう。「ケース」については更にその後になる。

ただ、「3%時代」の到来が近づいて、数量効果が同時に享受できそうなことが何よりの恩恵と思われる。