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「異色の高層ビルの住人たち」 2009-09-15(第1038号)

▼段ボール産業は、たまたま軟弱な地盤の上に建設された高層ビルのようなものという見方がある。戦後、アメリカをお手本に段ボール産業が構築された時代には、木下又三郎氏が創始した本州・釧路のKライナー、パルプ中芯をはじめとして、パルプから一貫生産のパルプライナー・パルプ中芯が普及化され、純粋Kライナーとの双璧だったジュートライナーも古紙ベースの上には自社製ないし買いパルプを上層に流したパルプ配合率の高い製品だった。

▼それが、世の中のせち辛さの進展というか、合理化推進につれて、パルプから古紙原料への転換がどんどん進み、現在では、Kライナー・パルプ中芯は製品名に残るだけで、実質を伴わない形にまで至っている。

▼つまり、段ボール原紙及び段ボール製品を網羅した段ボール産業の基盤が、いまはほぼ100%、段ボール古紙を主体とした古紙に変わっている。

▼古紙は使用済みで廃棄されたものを回収するだけだから、生産コストというものがないし、時には需給の変化などによって、コストそのものが全くないような振る舞いをすることさえある。

▼そういう地盤の上に立つ高層ビルの住人はと見ると、一番下の階に居住するのが多分、原紙メーカーだろう。段ボールメーカー・ボックスメーカーはいわばその背中というか、2階〜3階のあたり、すぐ上が商社も含めた代理店など流通、そして10階以上の高層部分には、わが国を代表する自動車とか電器、機械、食品、飲料、農業関係その他、もろもろのユーザーの方々が住んでいるということで、但し、このビルの他のビルにはない特徴は、材料から最終商品までの全ての階層が同じビル内に一緒に同居していることである。

▼箱がなければ製品が出荷できないという因果関係が、この異色のビルを生み出した。地盤が軟弱で地震の時はかなり揺れもひどいのだが。