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「数量本位制からの体質の変化」 2009-12-28(第1045号)

▼平成21年11月の段ボール生産(速報)が11億3,912万5千m2、前年比0.3%の増加と発表された。但し、同月の稼働日数は19日で、前年より1日多いため、これを調整した実質では10月と逆に5ポイント近いマイナス、風速としてはほぼ10月並みの底ばい推移と見られる。

▼景気の底割れ懸念が言われて久しいが、年末の消費の動きはまずまずの感触だったのではないかと思われる。各地のデパート、スーパー、歳末大売り出しの店舗でも、消費者の財布のヒモが固いといわれながら、新聞・テレビなどメディアで伝えられる大不況報道とは違って、「不況というのはどこの話か」と、わが目を疑わせる買い物客殺到などの光景もあった。

▼それはともかく、「何をやっても仕事は増えない」「いまある仕事を大事にやって行く以外にない」というのが、近年の段ボール業界に深く根付いた諦観のようで、従来から、とかく"数量本位制"のように思われてきた産業体質が、変わらざるを得ないから変わったことと、そのことが最近広く世間の注目を集め出した「段ボール産業の安定」に直接つながっているように思われる。

▼言い方を変えると、平成21年の推移がそのことを象徴している。前年と違って、今年春には古紙価格・ドバイ原油価格といった昨年のコスト高要因が全部下がった。以前だと、こういうコスト変動に段ボール業界は非常に弱くて、混乱するのが常だった。

▼それが「宣言して値下げ」でユーザー産業界の理解を何とか取り付け、危機脱出に成功した。前例はあった。バブル経済崩壊後の原紙業界の再建期に本州製紙が率先して実行したことがあった。だが、うまく行かなかった。環境の違いだろう。

▼到底信じ難いが、古紙価格は、何度もゼロ状態になることさえあった。それへの備えもできたようだ。