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平成21年の回顧と展望

平均単価の推移平均単価の推移

段ボール業界の業況が安定して、これで丸3年になる。これほど長く業界が安定状態を続けているというのは、実は、これまでの歴史上では初めてとみられる。この序章は平成18年。原紙メーカーが「新価格体系の確立を目指す」として春からのキロ5円アップを打ち出し、段ボール加工業界も製品価格修正への動きを本格化させてから。ただ、平成18年は結局"掛け声だおれ"で、それまでの弱気の惰性から抜けきれなかった。だが、平成19年に入ると原燃料高で状況が一変、翌20年にも引きつづいて業況改善の流れとなった。

「業界安定」を数字で表すとすると、段ボール価格の推移、つまりシート・ケースの出荷金額を生産量で割って算出した平均単価が一番の目安となるはずである。問題の平成18年から平成21年10月までの平均単価の推移は、別表のようになっている。
この表にみる通り、平成18年は、夏場までずっとマイナス状態が続いた。秋口からプラスが出始めたが、大手も中小も、みんな歯を食いしばって耐えた時代とも言える。平成18年の年間を通じてみると、平均単価は62円26銭、前年比では99.9%、つまり弱含み横ばいだった。

これが平成19年に2%上昇の63円51銭となり、更に20年には6.0%上昇の67円30銭となった。平成18年からみると、m2当たり5円の価格改定で以後の業況を一変させたことになる。そればかりではない。段ボール産業は主原料を「古紙」に依存するから、古紙の状況次第で揺れ動く"葦"のようだともいわれてきた。

そして、平成21年春にはリーマン・ショック後の経済情勢の激変が加わって、前年秋までの原燃料高が大きく反転したが、以前の常識に反して平均価格は上昇を続け、前年比3.8%上昇の69円22銭に達した。

「史上初」というのは、このことである。つまり、以前の業界は原燃料高への対応策(値上げ)はあっても、原燃料安に対応する有効な対策を持たなかった。それが、今回は「宣言して値下げ」という新発想でユーザー産業の了解を取り付け、不安定材料に区切りをつけた。しかも、この「宣言して値下げ」は、今後とも、原燃料安情勢の度合に応じて、何度でも使える調整手段となりそうである。

勿論、業界安定の原点は過去10数年来の業界構造の変革にあるわけだが、それに加えて統合大手のリーダーシップと、更に業界全体としての意識改革の徹底が平成21年のこの安定を際立たせたと考えられる。