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需要漸く回復基調に、12月速報1.1%増  2010-01-30(第1047号)

平成21年11月の段ボール生産(確報)が、速報値をやや下方修正されて、11億3,700万2千m2、前年比0.1%の増加と発表された。前年比での増加は、平成20年9月以来の14カ月ぶりとなる。また、つづく平成21年12月の速報値が11億3,860万6千m2、前年比1.1%の増加と発表された。実働日数は20年、21年とも22日と同じだから、リーマン・ショックの直撃を受けた20年12月の落ち込みが大きかったとはいえ、基調的には上向きの軌道に移行しつつあるのは確実と判断される。

これを加えた平成21年(1〜12月)の年間段ボール生産量は126億2,256万m2、前年比6.9%の減少となった。前年比で5%も越えるようなこれほど大幅な減少は平成年代に入ってからは一度もなく(注・平成10年の3.6%マイナスが最大)、歴史を遡れば第1次オイルショック後の昭和49年の14.9%減、50年の6.0%減以来のこととなった。

因みに、第2次オイルショック後の昭和55年及び56年も2年連続のマイナスとなったが、各産業界に第1次オイルショック時の「学習効果」が浸透していたため、不況の実態に変わりはなかったものの、段ボール生産面では55年が2.8%減、56年3.0%減に止まっている。

付言して言えば、昭和年代には前年比マイナスに陥ったのは上記の第1次・第2次のオイルショック後だけであったのに対して、平成年代に入ってからの21年間には、平成4年、10年、13年、20年、21年(連続)と5回もマイナス成長が発生しており、日本の産業構造の変化、高齢化社会への移行、及び特に世界経済のグローバル化への潮流変化が強く反映されていることが印象づけられるところとなっている。

12月の段ボール生産を地域別に見ると、全体の生産合計で0.1%増ということは、依然マイナスの地域がある一方で、新たにプラスの地域も現れた(10月まではすべてマイナス)ということだが、そのプラス転換の地域は関東・近畿・中国の3地域、そして残る5地域がマイナスという色分けになっている。

但し、マイナス幅が最も大きかったのは、例年の季節的な不需要期に入った北海道の5.5%減で、これまで目立ってマイナス幅の大きかった中部が0.2%減までマイナス幅を縮小しているほか、東北・四国・九州の3地区もマイナス幅は1%台に縮小しており、12月速報の1.1%増から判断する限りでは、12月は各地区とも揃ってプラスに浮上している公算が強いと見られる。

中部地区のマイナス幅縮小には「電球電気器具・機械器具」が前年同月比6.9%増と回復に転じたことが大きく寄与している。関東の1.0%増は、需要別の動きから見ると、電機・機械4.7%増、薬品・化粧品2.7%増、加工食品5.9%増、青果物7.4%増、通販・宅急便12.4%増などが回復したことが寄与している。こうした需要の流れが12月以降、各地区に広がってきそうだ。

それと、今回の不況局面で特に注目されている業界情勢の安定についてだが、業界安定は、"価格安定"と同義語的な要素があって、下掲の段ボール平均単価推移に見る通り、数量の減少にもかかわらず、価格的に極めて安定した推移を辿っていることが確認される。

実際問題として、業界ではいつも「半年先」の情勢が懸念され続けてきているが、当面の焦点の平成22年1〜3月の不需要期については、需要の回復、原材料(古紙)の強調気配等で懸念がすっかり薄らぎ、落ち着いた推移となっている。

平均単価平均単価