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「紙パルプ産業の恐るべき現実」 2010-02-28(第1049号)

▼日本製紙連合会では、このほど平成21年(1〜12月)の紙・板紙品種別生産・出荷・在庫高表をまとめ発表した。

▼リーマン・ショックに始まった世界経済の縮小が、これほど紙パルプ産業に影響を及ぼすなど、全く信じられない事態だが、紙・板紙全品種とも一様に平成19年をピークに2年連続で減少、特に平成21年はすべて10%以上のマイナスとなった。

▼段ボール原紙は10.9%の減少、というと平成20年の921万tから平成21年の821万tへと、ちょうど100万tの減少である。前年に20万t減ったばかりだから、2年間で120万tの減少となった。板紙全体では、2年で163万tの減少である。

▼だが、段ボール原紙など、板紙の方はそれでもまだ傷が一番浅い方。洋紙の方、紙はこの2年間で板紙の2倍、336万tも減少した。うち平成21年の一年間で300万tの減少である。そしてその減少分のうち4分の3(254万t)までが「紙の中の紙」とも言うべき情報・印刷用紙となっている。前年比では紙全体で15.9%減少、情報・印刷用紙は17.5%もの減少となった。

▼結局、平成19年の紙・板紙合計生産量3,126万5千tが、平成21年の2,626万7千tまで全体で500万tも減ってしまったわけだが、生産が減ったということは、同時に出荷がそれだけ減ったことを意味するわけで、この先、どんな形で回復できるのか、数量的には正に深刻な事態と言わざるを得ない。

▼「出版不況」が言われて久しい。名の売れた月刊雑誌や週刊誌が次々に廃刊・休刊になり、書店には山ほど新刊本が積まれているのに、その売れ行きも芳しくなさそう。本や雑誌よりケータイの時代になってきている。

▼紙をめぐる環境条件は正に最悪。そういう中だからこそ製紙の今期決算が光って見えるようだ。