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21年段ボール生産6.9%減に 2010-03-15(第1050号)

平成21年12月の段ボール生産が11億3,880万3千m2、前年比1.1%の増加と発表された。これを合わせた平成21年の年間段ボール生産量は126億2,275万7千m2、前年比6.9%の減少となっている。つづく平成22年1月の生産速報では9億156万m2、前年比5.5%の増加と発表された。但し、3年前の平成19年1月の生産量は9億5,708万5千m2、20年1月の生産は9億4,502万4千m2だから、平成19年1月に対しては94.2、20年比では94.5と、なお5ポイントほど低いレベルとなっている。

リーマン・ショック以来の世界的な需要縮小によるわが国段ボール産業への影響は、当初のどんな予想も大きく越えるものだったが、ただ数量の落ち込みに比べ、段ボール製品価格の落ち込みがなくて済んだことで、それが以前の段ボール業界との最大の相違点となり、また、1〜3月の不需要期を通過したあとの業況の改善にも大きな期待が寄せられるところとなっている。

段ボール企業の収支は、言うまでもなく「製品単価×数量」で、10月度を中心とする最盛需要期に対して年末から1〜3月の不需要期には最大3割ほどの数量減となるのが例年のパターンとなっている。段ボール産業はそれだけ「季節性」の強い業種だから、往々にして、この需要期と不需要期のハザマで競り込み販売が発生し勝ちな状況があったわけだが、今回は、というより近年、不需要期にもそうした現象がほとんど見られず、このため平成22年の場合、製品価格の低下なしで凌いだあと、需要数量の増加局面を迎えるという明るい情勢となっている。

平成21年の需要部門別の動向をみると、多分、過去に類例がないはずの最大の落ち込みとなった「電機・機械」は、1〜3月には前年比で30%近いマイナスだったが、夏ごろから回復に向かって、10月〜12月には6,700万m2台の水準にまで戻してきた。リーマン・ショックで落ち込む以前の水準が10〜12月で8,000万m2ほどだから、あと1千万m2ほど、つまり10ポイントほど不足があるものの、回復が始まってまだ半年のところだから、今年夏ごろにはそのレベルまでキャッチアップ出来る見通しも立ち始めている。

段ボール需要の主柱「加工食品」は、結局、年間を通じてはマイナスにならなかった。前年比で0.2%増加。そして、通販・宅配・引越用が1.8%増で、プラスはこの2部門だけとなっている。これだけ不景気風の吹きすさぶ社会・経済環境下にあって、部分的ながらも、なおプラス部門を抱えているということが、やはり段ボールの大きな強みと考えられるところだろう。

結局、年間を通じて最も落ち込み幅の大きかったのが電機・機械の14.0%、次が「その他」の9.3%で、「その他」の中で大きな割合を占めるのが「紙類」だから、電機・機械・自動車・紙類の4部門が平成21年の前年比6.9%減の最大のマイナス要因として特筆されるだろう。

また、地域別の生産動向をみると、全国8地域全てがマイナスだが、中でも中部地区が10.1%減と、ひときわ大幅な減少となっている。残る7地域は東北が7.4%減だが、そのほかは5〜6%の減少におさまっており、中部を間に挟む関東・近畿の大都市圏は、それぞれ6%台のマイナスと、全国平均並みのレベルとなっている。

中部地区のマイナスは先述の電機・機械の急減によるもの。特に自動車の不振が大打撃となった。ただ、夏以降は次第に回復のピッチを上げてきているところから、今年夏ごろまでには先述の数量効果で中部地区の業況も大きく改善される期待が高まってきている。

平成21年の段ボール生産量が前年比6.9%減少だったのに対し、シート・ケース合計生産金額は4.4%減少と、2.5ポイントもマイナス幅が少なくて済んだ。言い換えると、総平均単価2.7%上昇との見合いとなっている。