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「原燃料価格の安定が収益の柱」 2010-05-15(第1054号)

▼上場企業各社の平成22年3月期決算が出揃った。板紙・段ボール業界の双璧であり、いわば業界の通信簿とも言うべきレンゴー・王子の決算も5月13日発表された。

▼それによると、レンゴーは2.4%増収で、かつ営業利益・経常利益・当期純利益とも2倍以上と史上最高の好決算で、経常利益が313億円。一方、王子製紙は需要減で9.5%もの減収ながら、営業利益・経常利益とも倍増の125%増で経常利益647億という"揃い踏み"となった。

▼この世間一般の不景気風の中だから、余計めだつ好決算だが、一番大きく貢献しているのが原燃料価格の値下がりとコストダウン。王子製紙の発表では期中のドバイ原油価格が前期の86ドルから67ドルに下がって、その効果で65億円の営業利益増、更に古紙価格も何円から何円にという発表はなかったものの、前期比で273億もの収益アップに貢献している。

▼王子製紙の場合は、これに加えて、生産設備の運転停止・廃棄ほか固定的費用の削減等のコストダウンが305億円に達していて、原燃料価格差だけが好収益の理由ではないと説明している。

▼レンゴーの場合は、決算概要説明の中で、原燃料価格の安定に加えて、製品価格の安定と、包装総合メーカー日本マタイの完全子会社化、さらに「昨年4月に実施した派遣社員の正社員化が生産性向上と生産原価低減に大きく貢献した」ことが強調されている。

▼ただ、両社とも、原燃料費の安定が最も大きな収益貢献材料である。となると、段ボール専業会社には、この条件は当てはまらない意味になる。段ボール加工専業の場合は需要の減少と製品価格のじんわり下げ傾向が響いている。しかし、一番の問題だった需要数量減が、不需要期を抜けて、増加に転じるところに差し掛かった。これからは原燃料高が問題になる。