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景気回復を反映、シート出荷2ケタ増 2010-06-15(第1056号)

平成22年3月の段ボール生産が11億1,928万3千m2、前年比9.9%の増加と発表された。これを加えた平成22年第1四半期(1〜3月)の生産は前年同期比6.9%増と、6%台の回復ペースだが、リーマン以前の前々年比では、なお5%減の水準にとどまっている。3月の地域別には中部が13.9%増、なかでも中部のシート出荷は21.5%増と、ひときわ目立つ回復ぶりとなった。また、4月の生産速報は11億7,530万5千m2、前年比4.4%増と発表された。1〜4月累計では6.2%増となっている。

段ボール統計上に現われる景気回復期の特徴として「シート出荷」の伸長の拡大がかねて注目されてきている。今年の場合は、1月の段ボール工場の自家消費が前年比4.1%増だったのに対し、ボックスメーカーへのシート出荷が6.1%増、2月が同4.2%増と6.8%増、3月が同9.9%増と14.2%増という伸び率の差になっている。また、1〜3月の累計では、一貫消費の5.6%増に対し、シート出荷は9.2%増となって、同期の段ボール生産の6.9%増がシート出荷のより大きな伸長によって回復が加速されていることを示している。

これは近年ではずいぶん久しぶりの現象で、たとえば平成18年には一貫消費の1.5%増に対しシート出荷は0.2%減、19年が消費2.5%増に対し出荷2.4%減、20年が2.2%減と5.4%減、21年が4.7%減と12.4%減というように、それだけ比較対照的に、段ボール生産全体に対するシート出荷のシェアが低下をたどってきた。

構成比で言うと、平成18年の生産に占めるシート出荷の割合が34.9%だったのに対して、21年には31.0%と、3.9%の低下となっている。それが、以上の推移からすると、平成22年1〜3月は31.8%へと0.8ポイント上昇した。景気回復がつづくと、シート出荷の、より拡大もつづき、シェアも引きつづき拡大することになる。

では、なぜそうなるかの理由は、遠い以前からのナゾで、解明されていない。歴史的にはシート出荷のシェアが最高を記録したのが昭和47年の49.5%で、それまではシート出荷のシェアが年々上昇するのが普通だったが、その直後に発生した第1次オイルショック、つづく第2次オイルショックを機にこのパターンが崩れ、更にバブル崩壊後の長い「不況」の連続の中で、年々シート出荷のシェアが低下して、平成21年の31.0%に至ったという経緯である。

因みに、シート出荷の伸びが一貫消費の伸びを上回ったのは、昭和63年が最後で、平成になってからは今回が初めてとなる。「ずいぶん久しぶり」というのは、要するに22年振りということになる。

第1次・第2次オイルショックとバブル経済の崩壊や、また2008年のリーマン・ショックのような経済激動期に段ボール需要面に現れるもう一つの大きな特徴が「電球電気器具・機械器具用」の急減である。これは、2001年12月の中国のWTO加盟にともなう日本の製造業の工場集団移転では、需要が再び戻ってこないという意味で、更に深刻な現象が生じたが、そういうベースの変動に加えて、リーマン・ショック以後は前年比で20%〜30%の減少となって、特にこの需要分野への依存度の高い中部地区の段ボール生産が21年1〜3月は20%近いマイナスにまで落ち込んだ。

その電気器具・機械器具用の需要が22年1〜3月には前年比19.1%増へと、まさにV字型の回復を示している。ただ、これを前々年比で見るとまだ11.3%の減少で、21年1〜3月の25%減からおよそ3分の2を失地回復したとはいえ、回復への道のりはまだかなり遠い事情となっている。