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景気回復3点セット出揃う 2010-06-15(第1056号)

1〜3月動向1〜3月動向

平成22年1月〜3月の第1四半期の概況がまとまった。それによると、段ボールの生産は前年同期比で6.9%増、うち段ボール工場の一貫消費が5.6%増だったのに対し、シート出荷が9.2%増と、4ポイントほど上回った。景気回復期にはシート出荷の伸びが高まるというのは、いまでは伝説的な言い伝えになっているが、実際、この現象は昭和63年を最後に絶えてなく、つまり22年振りの出来事となっている。地域別には中部が11.2%増と、2ケタ増加、需要部門別には電機・機械が20%増の勢いとなった。

段ボール生産量の中のシート出荷の割合は、昭和47年がピークで49.5%となっている。高度成長期がつづいていて、段ボール工場のコルゲータ新設、更新などの際はケース需要よりも計算の立てやすいシート販売を当て込んで計画が実行された時代でもあった。ところが、2度のオイルショック後の不況、バブル崩壊後の不況などの経済激変期にはシート出荷の不調が特にめだつようになり、昭和年代末にはこのシェアが45%以下に低下、バブル崩壊後の「失われた10年」で、平成10年には39%、そして平成21年には31.0%までシェアが低下するに至った。

それが22年振りに反転、この1〜3月のシート出荷のシェアは31.8%と、0.8ポイントの上昇となった。ということは、ボックスメーカーの対象需要分野に需要拡大の波が広がってきているという意味に違いない。世間一般に、大企業はアジアなどへの輸出拡大で回復する一方、内需中心の中小企業分野の回復が遅れていると、判で押したような情勢分析に終始しているが、段ボール統計ではそういう一般的な見方に、部分的にではあるが、異を唱えている形ともなっている。

電機・機械も経済変動には敏感。オイルショック、バブル崩壊、ITバブル崩壊など、過去のそうした世界的な経済情勢の変化には、食料品関係と違って極めて鋭敏な反応を起こすのが通例で、反動増に移るのもおよそ1年でと早いが、落ち込み幅が大きく、反動増の幅も大きい。平成22年1〜3月の場合は、前年同期比で19.1%増となって、落ち込み分のほぼ3分の2を取り戻した形となった。

特筆されるのが、段ボール平均単価の落ち着きである。昨年4月1日から、前年10月値上げ分の半値戻しが行われたが、22年1〜3月の出荷シート平均単価は55円81銭で前年同期比3.6%低下、ケースは67円45銭で同3.7%の低下となっている。まるで精密機械のような数字の出方で、以前の段ボール業界には有り得なかったことが、いま現に目の前で起こっているといった感触となっている。

「景気3点セット」という言い方が適当かどうかは分からないが、リーマン・ショックで大打撃を受けた段ボール産業だが、この2010年第1四半期で回復軌道に乗りつつあるのは確実と言えるようだ。