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国民一人一人の高コスト体質 2010-07-15(第1058号)

▼悪夢が、いずれは蘇ってきそうである。消費税問題である。例えば、50年前を考えると、日本国民はみんな貧しく、そして若かった。戦後10年目ぐらいのところだから、都市も戦争の焼け跡からトタン屋根とベニヤでも、とにかく大急ぎで復旧をはじめ、全国の至るところで工場が立ち、そのための用地確保に農地の転用問題も浮かび始めた。つい何年か前は、みんな腹ぺこで、食糧増産こそが国の第一の優先課題だったのにである。

▼コストの安い社会だった。賃金が低いし、戦前の恩給も保険もチャラ、年金制度は漸く歩き出すかといったところで、積む人ばかりで受け取る人がいない社会だった。地方の若者が大都市に職を求めて集まり、それに万遍なく職が与えられる活力ある世の中だから、今日は貧しくても、明日に夢を持って、みんなが懸命に働いた。

▼そうこうするうちに、まるで奇跡のように世界第2位の経済大国にまで上り詰めた。段ボール産業も、日本発の技術開発を軸に世界第一級のレベルを自負できるようにまでなった。うまく行き過ぎたのかも知れない。

▼しかし、振り返ると、そういう拡大発展そのものの過程の中に、日本の経済社会全般の高コスト体質への変化、つまり国家としての競争力の低下の根源が隠されていたようである。

▼日本は幸い海に囲まれた安全な国柄だから、海外のことは日頃あまり気にしないで済んでいるのだけれど、国際競争力というものが、所詮は国民一人一人の国際競争力に基づくものだということになると、日本国民にいまやあらゆる面での高コスト体質が身についてしまった状況となっては、より多くの幸福度を求めるこれまでの政治課題からして、180度の転換が必要になってくる。

▼財源確保のために消費税をということの空しさを今度の選挙で感じた。