特大


業界フラッシュ

ホーム > 業界フラッシュ > ニューEVOLを公開

ニューEVOLを公開 2010-07-30(第1059号)

毎分350枚の超高速を披露毎分350枚の超高速を披露

7月1日新発足の三菱重工印刷紙工機械(株)では7月29-30日の両日、三原本社で新開発「ニューEVOL100」の公開運転を行った。見学者は7月29日が100名、30日が150名、合計250名もの多数で、同機への期待と関心の強さをうかがわせた。

三菱製フレキソグルア開発の歴史は「ダイヤセンチュリー」に始まり、「SUMIT」から更に「EVOL」へと引き継がれてきたが、ニューEVOLは更に超高速、省スペース、インキロス半減、打抜ダイ交換時間半減を実現、世界最高の地位を一層高めたと評される。

それを証明するように、1社で段ボール工場を40-50工場も持つような米国のメジャー製紙会社から先ごろ同社にEVOLを20数台一括購入するオファーが寄せられたのにつづいて、それに触発されたように、もう1社からも、同様のオファーが寄せられ、そうした動きが欧米の段ボール各社に伝播しそうな感触とされている。

日本に限らず、世界的にも近年の段ボール産業の不調により設備投資が抑制され、その結果、主力製函機の老朽化が進んで、設備更新のニーズが世界的規模で高まってきているといわれる。EVOLは、2003年の販売開始以来、既に国内・海外から計128台を受注したベストセラー機種だが、そうした世界市場での最近の流れの中での「ニューEVOL」の誕生となった。

ニューEVOLは4色機がスタンダードの従来のEVOLと異なって、3色機がスタンダード。印刷ユニットが1色少ないことにより、その分全長が短く、省スペースで、工場の狭さのため従来型EVOLを設置できなかった工場にも導入できるようになるという、いわば選択仕様の拡大と、稼働効率向上のメリットも大きな狙いの一つとなっている。

勿論、性能的には、新インキ交換システム(特許出願中)によるインキ交換時間短縮とインキロス低減、及び洗浄水量の大幅削減、また打抜ダイのクイックチェンジ(特許出願中)システムを搭載、これは三菱独自のストリッピング機能をピン内蔵式に改良し、固定ボルトを廃止したことにより打抜ダイ交換作業時間の大幅短縮を実現している。

7月29-30日の公開運転は、ニューEVOLの最大の特長である印版交換時間の短縮、インキ交換時間の短縮、打抜ダイ交換時間の短縮、試し通し自動補正、及び検査装置との連動による不良除去の実際を公開する形で行われた。同時に、付帯設備メーカーの協賛によって、段ボール工場と同様の生産体制、つまりオートフィーダからパレタイジングロボットまでを装備した形での実演であった。

実演の最初のオーダはBフルート(白ライナーC170×PS180×K180)のサイズが628mm×1730mm、2色印刷、20枚結束で、これを毎分350枚の最高速度で運転した。EVOLは自動試し通し機能を標準装備しており、オペレータが給紙ボタンを押すことで、マシンが自動的に試し通し速度まで上昇、プリセットされた枚数を給紙して、一旦、給紙を停止する。このあとオペレータの見当合わせが完了、OKが出ると、直ちに連続運転に入る。この際に、通紙開始直後に発生するインキの濃淡を最小限に抑える最新の制御も採用されており、印刷ロスを大きく軽減することに役立っている。

1オーダ目が終了して、2オーダ目の印版・インキ交換・セット替えを行った。3色機の特長として、印刷ユニットを昇降させずに印版交換ができるようにして、セット替え時間を短縮している。

また、新たに開発、搭載された新インキ交換システムでは、最大の特長である高圧エアガンを作動させ、チャンバー装置、及びアニロックスロールの強制洗浄を行う。この様子は、会場内の計3カ所に設けられた大型スクリーンとモニターに映し出されていた。

3オーダ目が終わって、次は印版・インキ交換及び木型取付のセット替えを行った。シート構成はAフルート、白ライナーC180×S115×C180で、シートサイズは443mm×1518mm。これを3色印刷、20枚結束の変形打抜ケースとして実演してみせた。

木型は、従来は木型脱着時にボルト固定及びストリッピングピンの挿入、取り外しに相当の時間を要していたが、新たに搭載した木型クイックチェンジ装置では、この作業を省いてロックリング装置に置き換えることで、木型交換時間を大幅に短縮化している。

付帯設備のシートフィーダは不二輸送機製の「FAT350型」。パレタイジングロボットも同社製。また、カウンタを出たあとのコンベアには不良を検出しバッチ排出する神戸製作所製「GO-GLE」が装備されていた。なお、検査装置は三菱重工交通エンジニア(株)製となっている。