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大坪社長が「新価格体系移行」を語る 2006-02-15

レンゴー(株)では2月2日、大阪市北区中之島「中之島セントラルタワー」(旧住友生命本社跡)の大阪本社大会議室(26階)で新春恒例の記者懇談会を開催した。当日は大坪清社長のほか、廣崎守正専務、肥塚照樹専務、安藝勲男常務、竹中淳常務、小澤善孝取締役、高嶋良昭取締役の各基軸事業管掌役員6氏が出席、今年の概況等について、それぞれ詳細な説明が行われた。大坪社長は、冒頭挨拶の中で、まず昨年8月の本社移転の経緯を詳しく説明のあと、目下、段ボール関連産業界が「新価格体系」への移行期を迎えつつあるとして、下記のように述べた。以下、発言の順序は前後するが、まず最初に新価格体系の問題を”中抜き”してお伝えする。

大坪社長の新価格体系に関する発言要旨は次の通り。

『レンゴーのコアビジネスというのは、製紙があり段ボールがあり、紙器、軟包装があり、海外事業がありということですが、その一つ一つのコア・コンピタンスといいますか、基軸事業の責任者が今日はここに出席しておりますから、具体的に皆様方からご質問があれば、その管掌役員が答えると思います。

まず、製紙事業についての基本的な考え方は、需要に合った生産体制、需要に合った供給体制を堅持するというのが私の製紙事業の原点であります。日本全体の段ボール原紙の生産量というのが、例えば九百数十万トンというところで、これが余り量的な拡大をして行かないということになった場合には、それに合った生産体制を堅持します。

これは、他社がどう動くかは知りませんけれども、レンゴーは、再び犠牲を払ってでも、この数量、需要に合った供給体制を堅持すると私は考えております。

最近の動向からすると、色んな計画をお持ちのメーカーもあるかも知れませんが、レンゴーとしては寧ろ非効率的な抄紙機は再びスクラップにする、或いは停止するということを考えておりまして、これはまだ発表しておりませんが、私どもの関係会社・丸三製紙の5号機は、2月から永久休転に近い形で止めることを決定しております。これで業界として年間5万トンの減産になります。

これがどういう効果を生んでくるかということも色々あるわけですが、あくまでもこれはレンゴーの方針ですので、レンゴーが需要と供給のバランスの取れた供給体制をとるためにこういう方針で進めた方が良いと思っておりまして、2月から、完全休転に入ることを決めております。

それをベースに、段ボール原紙の日本全体の体系をどうしていったらよいかということでありますけれども、これはもう既に皆さまもよくご存じの通り、原燃料或いは薬品、或いはフレート等、コストプッシュ要因が目白押しであります。また今年は、もう一つ製紙業界では余り話題にはなっていないのが非常に残念だということで、昨日、そういう会合で申し上げたんですが、やはりここで働く従業員のための、新しい賃金体系、或いは生活環境というのを作り上げて行く必要がある時期に来たという風に思っております。

そういうことも考えますと、やはり新しい価格体系といいますか、これが段ボール原紙業界にもその波が押し寄せてきているのは事実であります。これは具体的に、例えば2003年に最後の価格が動いたあと、今日まででどれぐらいのコストプッシュになっているかという風なことについては、そこに高嶋君がおりまして、彼が非常に克明な分析をしております。

細かく言えるところは言ってもいいと思いますが、例えば、利根川工場の原燃料、C重油だけのコストアップ分を原単位にしますと2003年から2006年の今日までに、私の計算ではキロ7円上がっていると思っておりますが、日本の製紙産業全体で油の値上がりだけで見ますと、2,100億円のコストプッシュになっております。

この値上がりだけでみても、例えばこれを3,000万トン(紙・板紙年間生産量)で割ると、偶然にも7円になるという状況になっております。そういうこともあって、今朝の日経新聞で王子製紙が印刷用紙の値上げを発表している(※3月21日出荷分から上質・上質コートでキロ5〜10円、軽量コート・微塗工紙10〜13円アップ)ということですが、あれはあれで良かったのかなあという、私は私なりに多少感ずるところがあるんですけれども、実際、そういうコストプッシュ要因がもの凄くあるというところから、更に先ほど申しましたそれ以外の要素で、新しい価格体系に入る時期が来たんだという風に思っているわけです。

ここで、もう一つ重要なことは、先ほど言いましたコア・コンピタンスのもう一つである段ボール事業にどうリンクさせて、同時並行的にうまく新価格体系に入って行くかということを考え、同時に、製紙業の原料である段ボール古紙等も同じような動きをして行くというようなことが一番望ましいわけでありますけれども、今朝の日経新聞では古紙再生促進センターの融通事業の段ボール古紙が上がってきたという発表も出ているようでありますけれども、同時並行的に、私は値上げという表現は使いたくなくて、新しい価格体系への、まさしく時代が変わってきているという意味ですが、新価格体系への移行時期というのが来ていると思っております。

私は去年のパーティ、或いは新年のパーティでも、個々に皆様方から聞かれたときには、「花の咲く頃には何か動きが出てくるでしょう」と、ずっと申し上げて来ているわけですけれども、まだ、梅も蕾を持ったところで、花は咲いておりませんが、これから花が咲く頃までには、いまのようなことを実現して行くことになってくるという風に思っております。

そういうことも考えながら、丸三製紙の5号機は止めてしまうことを決定しているわけであります。

段ボール事業につきましては、そういう製紙の動きを受けて、やはり新しい価格体系というものになって行かなければならんわけですけれども、これも昨年の大型アライアンス、大型合併というのが非常に大きな要因にもなってくるでしょうし、私どもも、色んなところでセーフティネットと称して、色んなアライアンスを組みながら、捨てるべきところは捨てるということで、スクラップ&アライアンスと申しますか、セーフティ・ネットを張りながら、段ボール業界の本当の意味での再編がますます進むと思っておりますが、レンゴー自身、そういうことを考えたいということで、同じく青森にありますケンダン(株)という会社、これは昨年買収したヤマトヤの青森工場ですが、ここのコルゲーターを完全に廃棄することを決めております。

まあ、徐々にではありますけれども、段ボール事業もそういう方向で走り出しました。ただ、段ボール事業につきましては、これは個別の色んな取引、いわゆるオーダーメイド、カスタムメイドのお取引でありますから、取引先ごとに色んな条件設定をして行くということでありまして、製紙が花の咲く頃ということになりますと、段ボールもそれに合わして、個別の動きをして行かなければならないと思っておりますが、従来のように、業界のどこかで誰かが集まってコソコソやるというようなことは、もう一切、レンゴーはやりませんので、肥塚君にも、変な会合には一切出るなということを厳命しております。何とか会とかいう会合があったとしても、レンゴーは出ないという風にしていきながら、レンゴー独自で、新しい価格体系に持ち込めるような努力をして行きたいと思っております』。