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磯輪英一さんの思い出の記 2010-11-15(第1066号)

▼磯輪英一さんが11月4日急逝された知らせを聞いて、余りのことに言葉を失いました。実は先月、所用で東京に出るからとの久しぶりのお電話をいただいて、10月6日、東京会館でお目にかかったばかりでした。その折、大事そうに懐から出された古い手紙は、私がこの春に英之社長にお届けしたものでした。

▼というのも、たまたま事務所のデスクを整理していて、引き出しの奥にその手紙を見つけたのです。昭和50年9月ごろの日付だと思いますが、英一さんはそのとき技術提携先のアメリカ・コッパース社に出張中でした。同社のリトルトン副社長が日本を訪問したいと言っている。ついては日本のさる人物に会わせたいので、アポイントを取ってもらえないかというご依頼の内容でした。

▼その二、三日後、日本印刷産業機械工業会の新年会で英之社長にお会いしたので、そのことをお話したら、コピーでも良いからと仰有るので、すぐ郵送したものでした。

▼東京会館では、その古い手紙を前に、当時の話に花が咲きました。私は段ボール事報を創刊する直前でした。ミスター・リトルトンはコッパース社のあと、三菱重工にスカウトされて、海外子会社・MCMC社の社長になったりと、そういう人生模様も後に繰り広げられたわけですが、創業者のお父上から引き継いだ会社を何十倍かに育て上げた奇跡のような経営者が、その手紙を本心から喜んで下さっているのを前にして、本当に良かったと思ったことでした。

▼磯輪英一さんは誕生日が私と同じ2月7日なのです。生まれた年はちょうど2年違いますが、前世から何かご縁があったのでしょうか。そういう方に急に亡くなられて、寂寥感がにわかに身辺に立ちこめる思いです。

▼別れ際、これからは長生き競争ですねと言ったら、受けましょうと笑っておられたのだけれど。