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前々年比水準を検証 2010-11-30(第1067号)

平成22年9月の段ボール生産が11億437万m2、前年比1.7%の増加と発表された。これを加えた平成22年1-9月の累計は95億7,756万8千m2で前年同期比4.2%増、また四半期別には第1四半期(1-3月)が6.8%増、第2四半期(4-6月)3.0%増、第3四半期(7-9月)3.1%増の推移となっている。リーマン・ショックからの回復過程となった前半は、消費と出荷の間にかなり明確な差が生じた。第1-第2四半期は出荷の伸びが大きかったが、第3四半期にはその差が縮小、逆転に至った。

「消費」は段ボールメーカーのケースまでの一貫生産分のシート消費の意味、また「出荷」は半製品であるシートでの出荷に分類されているが、この消費と出荷の平成22年の統計では、見掛けの上では「前年比」で出荷の回復割合が大きく消費の回復が小さいイメージがずっと続いていた。

ところが、前年比は結果的には前々年の平成20年比で前年の平成21年の消費及び出荷のマイナスがどれほどだったかを無視した計算となるため、マイナス幅の大きかった出荷の回復レベルに対して、マイナス幅のより小さかった消費の回復割合が過小に見える結果となったことも否めない。

ということで、実際にはリーマン・ショックの突発した平成20年の段ボール生産・消費・出荷に対して、平成21年の段ボール生産・消費・出荷はそれぞれ6.9%減、4.7%減、12.5%減となっているから、要はマイナス幅の大きかった出荷が22年前半に反動増となった反面で、よりマイナス幅の小さかった消費が見掛けの上ではより小さな回復ペースにとどまっていたものの、平成22年1-9月の平成20年同期比では、生産が95.3、消費が97.4、出荷88.8と、段ボールメーカーの一貫生産分については既に前々年比でマイナス2.6%減の水準まで回復、その反面でシート出荷がなお11.2%減と、リーマン・ショックから2年目の現在もなお2ケタのマイナス状態にとどまっていることが確かめられる。

では、地域別にはどうなのだろうか。全国合計の平成22年1-9月の前々年比は上述の通り95.3と、4.7%のマイナスだが、ということは前々年比で96.0以上、つまりマイナス幅が4%未満なら比較的よい地域というように、96が一つの目安になるだろう。とすると、関東が96.6、四国が96.3、九州が97.8で、この3地域がそれに当たる。一方、マイナス幅の大きい地域を順にいうと、北海道が90.9、中部が92.5、そのほかはほぼ平均値、つまり東北94.8、近畿95.2、中国94.7となっている。

同様の前々年比で、需要部門別にはどうか。まず増加の方をみると、加工食品が前年比で2.4%増だが、前々年比でも2.1%増となって、この段ボール需要の主柱の安定が印象づけられる。そして、これには特に猛暑効果で第3四半期に前年比で5.8%、前々年比で3.8%も伸びたことが大きく影響している。

また、通販・宅配便は数量的には加工食品の10分の1以下だが、リーマン・ショックにも関係なく、常に2ケタ近い伸び率で伸長を続けているのが大きな特長で、前年比で8.2%、前々年比でも8.3%増と、その勢いを続けている。

同様のもう一つが「包装用以外」で、これは通販・宅配便の3分の1ほどの規模ながら、最近、めきめき需要範囲を広げているのが注目される。以前から、道路工事用とか住宅の襖などの建築関連、簡易家具類、自動車の天井、鋼鈑のキズ防止などの用途は広く知られていたが、近年は演劇の舞台背景やディスプレイ、トイ類、その他の様々な分野にテリトリーを拡大しており、段ボールの木材代替機能が包装用以外の分野にも拡大しつつある傾向を強めている。

予想外の不振が青果物。「猛暑に不作無し」に、ただひとつの例外ができた形となった。