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2010年、脱市況産業元年に 2010-12-25(第1069号)

▼本紙連載「現況と展望」を書いているうちに段ボール業界の現況を言い表す何か良い言葉はないかと考えて思いついたのが「脱市況産業化」でした。というのも、本紙を創刊した昭和51年は段ボール市況が大荒れに荒れた年でしたから、それ以来、本紙の発行を続けてきた30数年の間、ずっと「市況」の2文字を肌身離さず書き続けてきた思いがあります。

▼それが、ピタッと止みました。いまから振り返って、業界が一番恐れた瞬間は、多分、昨年4月1日からの「半値下げ」だったでしょう。下げるキッカケが生じると、そのままずるずる下がり続けてしまう習性が段ボールのDNAの中に潜んでいると信じ込まれていたからです。ところが、その一番危険な瞬間も無事に乗り越えられました。

▼前年、段ボール原紙の10円アップで生じた段ボールシート・ケースの値上がり分のうち、ユーザーサイドに受け入れてもらった分の半分を値下げするという誰にも分かり易い理屈、加えて、つい半年前の出来事だから関連伝票も帳簿もデスクの引出に残っているという環境、更に、その間の状況説明がインターネットで克明に行われたために、疑義が残らなかったことも言えるでしょう。

▼一番危険だった「あの瞬間」を越えたところから、段ボールの「脱市況産業化」が本当にスタートしました。それまでは永年の習慣から、誰もが「次の変化」に対して身構える姿勢だったことは否めないところでした。

▼しかし、よく考えてみると、段ボールの脱市況産業化はユーザーの支持があればこそなのです。

▼ユーザーにとっても、製品輸送手段の段ボールが年中上がったり下がったりするのは、甚だ迷惑なことでした。上がれば下がる。下がれば次は上がる。そんな厄介な業種から変身したことを一番歓迎しているのはユーザーさんかも知れません。