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年末恒例全段連記者懇談会で 2010-12-25(第1069号)

全国段ボール工業組合連合会(大坪清理事長)では12月9日午後5時から東京・飯田橋の「ホテル・グランドパレス」で年末恒例の理事会終了後の記者懇談会を開催した。出席者は全段連正副理事長、理事、各委員会正副委員長、紙加労協役員、及び報道関係の計40名ほど。開会冒頭の挨拶で、大坪理事長はリーマン・ショック後の不況下にも関わらず、段ボール業界が他産業界以上に安定した動きに終始している点について、最近数年来の業界各社全般の意識改革の成果であるとして、大要次のように述べた。

『昨日、大阪で西段工の理事会が開催されました。そして、先ほど全段連理事会が開催されたわけでありますが、この2010年の段ボール業界は他産業に比べても安定した一年であったと、各理事全員が仰有っておられる状況でありまして、低位ながらも安定した収益が上げられた年だったのではないかと思います。

私はそのとき、各理事の経営者の方々に申し上げたのですが、そういうように利益が出たのであれば、その利益を経営者が独り占めするのではなく、できるだけ従業員の方々に配るようにお願いしますと申し上げておりますので、多分、段ボール業界の従業員の方々も、昨年に比べてそれなりの収入があって、この年末から年始にかけてはそのボーナスをどーんと使っていただいて、消費が増えるだろうと思いますし、日本の消費を増やすのにも、段ボール業界が役立ってくると思いますので、本日ご出席の組合の方々ももう賞与をもらっておられると思いますが、もらった賞与をできるだけ使うというようにして、日本の経済を良くしていただきたいと思います。

皆様もよくご存じのように、2010年の日本は本当に政治がややぐらついたために、他の国々に比べて日本全体としての地位が低下した年になったのではないかと思いますが、そういう中で、段ボール業界は数字も比較的回復の軌道に乗りつつあるのではないかという感じです。日本の段ボール生産量は2007年に史上最高の139億㎡になったわけですが、2008年末に起こったショックによって、2009年は126億㎡までどんと落ち込んだわけですが、2010年12月現在でまとめた結果では、おそらく130億㎡を越える数字になるだろうと思っております。

また、来年度の見通しについても、需要予測委員会の予想では130億㎡を越える数字になりそうだということでありますので、それなりの物流が日本においては発生しているということでありまして、その物流に応じた供給体制を続けて行かなければならないと思っております。

そのとき、何を考えなければならないかというと、以前から申し上げておりますように、段ボール業界の経営者の方々の意識改革が本当に出来上がって、お互いに考えていることが完全に分かり合える業界になってきたというのが、最大の成果でありまして、この2010年に他の業界に比べて安定した数字が残せた、全体として残せるようになったということが、その意識改革の成果だろうと思っております。意識改革の根底にあるものは何かというと、私は前からフルコストということを頭に入れて会社の経営をしてほしいと申し上げておりますが、そのフルコストというのは何かと申しますと、われわれが経済活動をして生み出す付加価値というのは、単純に言いますといわゆる変動費を引いたところで出てくるものです。その付加価値を、これがピークだという考え方が過去ずっと持たれていて、これが限界利益ということにつながったのかも知れませんが、付加価値の中には、価値といわれても、その中にコストが入っているということを考えなければならないわけです。

付加価値を分析すると、一番大きな付加価値の要素は人件費です。人件費が結局、労働の再生産につながるコストなのです。これを従来、利益であるという考え方がずっと日本の経済界にあったわけですが、これはコストです。それから、もう一つの要素として金融費用、これもコストです。例えば金利を払う、或いは融資を受けて返済する、配当もしなければならない。これは利益から支払をするのではなく、もともとそういう付加価値の中に含まれているわけですから、これもコストであるという風に考えて、経営をやってほしいということです。

もう一つ、大きいのは国に対して納める税金、これも企業を経営する以上、払って行くのが当然で、その払う原資はどこにあるかというと、これもコストとして考えなければならないということでありまして、難しい経済用語では労働の再生産とか、資本の再生産、社会貢献の再生産などと言っておりますが、そういう付加価値そのものがコストなのです。それらをすべて引いて、内部留保に残る最後のところが利益という考え方が、段ボール業界の中に意識改革として出来上がって来たのではないか、これが共通の考え方として持てるようになったというところが一番大きなことではないかと考えております。

最初はいろいろ意見の違いがあったかも知れませんが、一昨年からようやく完全にできるようになって、リーマンショック以降、一般的な経済が落ち込んだ中で、段ボール業界はそういう比較的安定的に過ごすことができたということでありまして、従って、いま来年に向かって何をしなければならないかというと、こういう状況の中でわれわれ業界全体としてやはりイノベーションといいますか、この時期にこそ色んなイノベーションを各企業ごとに進め、業界全体としてもイノベーションを図って行くということであります。

このイノベーションの中には、各社の旧式の或いは劣化した機械を高品質のマシンに変えて行くとか、人事政策においても、いままでの多少ゆがんだような、あるいはシワ寄せがあった人事・労務政策も改善して行くというように、あらゆるところでイノベーションを進めて行くことによって更に一段上の意識改革が出来上がれば、この日本の段ボール業界全体がさらに安定した産業になってくると考えております。

全段連は、そういうことをお互い誓い合って、来年に向かって進んで行けたら良いなと思っております。記者の皆様方には、本日は理事全員が出席しておりますので、どうぞ時間の許す限りご懇談をいただけますようお願い申しあげて、私のご挨拶と致します』。