特大


業界フラッシュ

ホーム > 業界フラッシュ > 人類史、いま「紙器の時代」

人類史、いま「紙器の時代」 2011-01-15(第1070号)

全国段ボール工業組合連合会、日本製紙連合会板紙部会、日本板紙代理店会連合会の段ボール関連三団体共催による平成23年「板紙・段ボール関連三団体新春賀詞交歓会」が1月9日正午から東京・飯田橋の「ホテル・グランドパレス」で開催された。出席者は300名を越える盛況。今年の当番幹事が全段連のため、大坪清全段連理事長が主催側を代表して左記の通り冒頭挨拶、次いで経済産業省坂本敏幸紙業課長が来賓を代表して祝辞を述べ、更に日本板紙代理店会若林紀生会長が乾杯の音頭を取って、賑やかに開会された。

『明けましておめでとうございます。本日ご出席の皆様方が2011年の新春を厳かに、また健やかにお迎えになったことがよく分かります。心からお慶びを申し上げたいと思います。

2001年から、いわゆる板紙のプラットホームということで、業界をまとめて構造改革しよう。まず板紙業界の構造改革が必要、それから段ボール業界の意識改革をしなければならない。意識改革をしながら、なおかつ段ボール業界の地位向上をしなければならないということを申し上げ、そして最後に、段ボール業界の加工賃ではフルコスト主義というものを皆様にお願いしたわけです。これは段ボール業界だけで出きるものではありません。あくまでも3団体、板紙メーカー、それから段ボール業界にとりましては、流通の皆様方の動きが非常に大事でありまして、ただ一部のアウトサイダー的な動きをする方々も残っているようでありますが、そういう一部の勢力を抑えて、本当に一致団結していただいたおかげで、昨年の段ボール業界の安定につながったという風に思っております。改めて御礼を申し上げたいと思います。

しかし、この日本、或いはわれわれを取り巻く今年の業況は必ずしも安心できるものではありません。まず日本の政治の貧困が非常に困った状況にあります。
もう一つ、われわれを取り巻く一番の問題というのがデフレ・円高です。それと、このところ出てきているのが米国の各商品取引所の動きで、それにも我々は十分注意しなければならないと思っております。まず、政治の貧困でありますが、これを引き起こしたのは何かというと、国民の皆様の70%が民主党に投票したということでありまして、政治の貧困を引き起こしたのは実は皆様方であったということですので、皆様でどう対応して行かれるかということが、これから非常に問題になってくると思っております。

それから、デフレ・円高ですが、デフレの最大の原因は、総供給が総需要を上回っていることです。総供給が総需要を上回っているのは、需要に見合うおカネが回っていないということで、出回った財貨が需要に見合った価値にしか認められないということから、デフレがこれだけ続いているということであります。デフレが続くことによって、どうなるかというと、「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という言葉がある通りでありまして、やはりデフレが続けば日本にとって決して良い結果にはならないということであります。

もう一つ、デフレの要因で大きいのは円高です。いま日本の名目金利はほぼゼロに近い状態ですが、実質金利はどうかというと、これには物価上昇率というのが出てくるわけです。その物価上昇率がマイナスであるということのなると、実質金利は非常に高いところに止まっていることになるわけです。アメリカはこのデフレを避けようとして、昨年11月にオバマ大統領が70兆円の金融緩和をしたわけです。では、日本はどうかというと、民主党政権と日銀総裁は結局、5兆円の金融緩和しかできなかったわけでありまして、この金融緩和の額が全く違うということから、まだまだ日本のデフレが続くということです。

実質金利が高止まりしていることは、円の利回りがドルに比べて高いということですから、円が買われて円高になってくるという意味です。こういう経済原理をいまの政権、あるいは民主党総裁が分かっていないということでありまして、この辺のところを何とかしなければならないのではないかと思っております。それから、もう一つ注意しなければならないのは、ニューヨーク石油市場で、石油がいま90ドルを越えて100ドルに近づく動きをしております。それから、シカゴ穀物の例えばトウモロコシ、コーヒー、砂糖などの価格がどんどん上がっていて、コーンはブッシェル3ドルだったものが6ドルを超え、一時は7ドルにまで近づいた状態。それからロンドンLMEでも金が800-900ドルだったものがいま1300ドルになっているとか、トン当たり5千-6千ドルだった銅が1万ドルに近づいている状況で、このような原材料の値上がりが押し寄せてくる可能性があります。

さて、2011年でありますが、いまはどういう時代かといいますと、日本の歴史の中で、古代から使用された「器」(うつわ)でその時代を呼ぶ言い方があります。一番最初が、人間が石を削って器を作った石器時代です。それから土を使って器を使った縄文土器の時代。それから青銅器の時代、更に鉄を発明・発見して鉄器を作り、さらに木材を使った木の器という風に時代が変遷してきました。

では、いま現在は何の時代かというと、私は「紙器の時代」と呼んでいるわけです。紙の器、すなわち時代を器で表現すると、いまは紙の器の時代である。その紙の器の最高の傑作が段ボールであります。100%リサイクルできる。どんなものでも梱包できるということで、いまは「紙器の時代」であるということを、本日ご出席の皆様がたに十分ご理解いただいて、これから先の矜持を持った活動というものをぜひお願いしたいと思っております。

私の座右の銘は「有道得財」「和気生財」です。有道得財は「財を得るに道あり」、和気生財は「気を和して財を生め」という意味で、中国の劉向(りゅうこう、前漢末の学者)の言葉です。私はこの掛け軸をずっと掛けておりますが、中国の各工場にも持って行って、説明しているわけでありますが、中国人が「これは誰が作ったんですか」と訊くので、「私が作った」と行っております(笑い)。どうか、皆様方も、この財を得るに道あり、気を和して財を生めというところで、今年、段ボール業界、板紙業界、流通業界の3業界が更に力を合わせ安定した業界を作り上げていただきたいと思います。皆様方の益々の繁栄を祈念して、私の冒頭のご挨拶とさせていただきます』。