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電機・機械の回復、特に大きい 2011-01-30(第1071号)

平成22年11月の段ボール生産(確報)が11億8,128万3千m2、前年比3.9%の増加と発表された。これを加えた1-11月の累計生産量は118億9,649万6千m2、前年比3.6%増となった。更に、経済産業省が1月31日発表した12月の生産速報は11億7,004万4千m2、前年比2.7%の増加で、これを加えた平成22年の年間生産量(速報)は130億6,654万m2、前年比3.5%の増加となっている。一時、二番底のような景気の落ち込みも懸念されていたが、当面はほぼ保合状態の推移のようだ。

平成22年1-11月の段ボール生産を地域別にみると、全国8つの統計ブロック(経済産業局別)のうち北海道だけが前年比1.9%の減少となっており、つまり北海道だけが2年連続のマイナスとなった。というと、北海道の真の実情を見逃してしまうことになる。実はこの連続マイナス以前の平成20年及び19年はそれぞれ前年比0.3%増に止まっており、さらにその前年の18年は0.2%減、17年が0.6%減、更にその前年16年も0.5%減となっていて、全く成長の止まった完全成熟市場となった状況にある。

北海道の需要構成は農産物が30%、その他の食料品が12-13%(海産物などが主力)、これら農水産物をベースとする加工食品が40%と、以上の食料品で85%近くを占めていて、本州地域と全く異なる需要構成となっている。このため、農業・漁業など一次産業に従事する労働人口の高齢化にともなう縮小や、若者の一次産業離れでの人口流出などが、経済の活力低下に直接結びつく結果を招いており、それが上記の通り段ボール統計面にも反映される形となっている。

北海道から内地と呼ばれる本州各地は、リーマン・ショック後の経済全般の落ち込みにともなうマイナス状態から、平成22年には年明け以降一斉に回復基調に移り、夏場の猛暑も需要を底ざさえする効果を発揮して、年末から平成23年年初にかけては、一時の二番底懸念も薄らぐ情勢にまで至っている。特に段ボールの場合は、業界情勢が他産業以上に安定していて、価格面での不安材料がほとんど見あたらないため、当面の3%程度の需要増も、そのまま経営の安定につながる好条件となっており、伝えられる米国経済の好転やアジア経済の進展による経済の底支えが今後も進むと、さらに安定感を増すことが期待される状況となっている。

さて、1-11月の需要部門別の動向についてみると第1位の加工食品(41.0%)が前年比2.1%増まで回復してきたのが特に大きい。因みに前年は0.2%増とわずかにマイナスを免れただけの状況だった。

構成比で、(1)加工食品、(2)その他(紙製品などその他の需要15.7%)、(3)青果物(12.1%)に次ぐ第4位の電機・機械(8.7%)が、この世の終わりかとも思えるようだった激甚な需要縮小から復帰して来たことが更に大きい。一時はリーマン・ショックによる経済変動に加えて、自動車のリコール問題が重なって損失を広げた形となったが、その双方とも解消に向かい、同時にアジア経済の発展が一層多面的な方向に向かって進展しつつあるところから、日本はいわば地の利を得て、次第により大きな果実にあずかることにもなるとみられる。

需要部門別の動向として更に注目されるのが、陶磁器ガラス製品雑貨、繊維製品のような、段ボールにとってどちらかと言えば"クラシック"な需要部門の堅調が目立ってきたこと。平成22年1-11月の累計で繊維製品が4.0%増加、陶磁器ガラス製品雑貨が4.1%増となっている。

流行り廃りが無いといえば、通販・宅配(8.0%増)や包装用以外(12.7%増)を無視することになるかも知れないが、それだけ生活に密着した需要が基盤であることを、この乱高下した経済変動の谷間でもかいま見せた段ボール産業の素顔だったように思われるわけである。