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「私のハートはつぶれたままに」 2011-03-15(第1074号)

▼そのとき、私は新宿ヨドバシカメラの地下1階売場におりました。コピー機のトナーを探していました。すると、いきなり足もとが震えて、歩けなくなりました。リハビリ中の心臓がいつも気になりますから、一瞬その心配をしましたが、周りの人が一斉に声を上げたので、すぐ大地震と分かりました。

▼地下という閉ざされた空間が気になるので、揺れている間にも階段の近くまでにじり寄って、少し止んだ途端、地上に脱出しました。まわり一面が人、人、人で、新宿駅前の広場を埋め尽くすほど人の固まりが出来ていました。「都庁ビルがまだ揺れている」という人がいました。みんなが、なんとなく移動を始めたのは、それから30分ほども経ってからでした。

▼まず会社や自宅に連絡をと思ってケータイで電話するけれど、全くつながらない。ドコモの役立たずに腹が立ちました。それにJRや私鉄がストップです。タクシー乗場は100メートルもの長い列。それからの長い時間、駅の周辺をあっちに歩き、こっちに戻りでした。

▼JRは今日中の運転再開はありませんという。しかも、いずれ構内から人を閉め出す様子だから、どこで夜を過ごすか、ホテルは満員だし、歩いて帰るか。一旦は歌舞伎町の飲屋街を目指したり、甲州街道でバスを探すかと都庁の近くまで行ったり、そんな6時間あまりを新宿で過ごしました。

▼おなかも空いてきたから、やはり歌舞伎町かと駅まで戻ったら「都営地下鉄大江戸線が運転再開しました」というアナウンス。その嬉しかったこと。大江戸線なら御徒町駅から歩いて会社に戻れます。家まで歩かないで済む方法がやっと見つかりました。私と同じように大江戸線に向かっていたおじさんが「やっぱり石原だ」と大声で叫んでいました。

▼家に帰って、翌日、石巻の惨劇ぶりを見ました。以来、胸がつぶれたままです。