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1年で130億m2に復帰 2011-03-15(第1074号)

平成22年12月の段ボール生産が11億6,929万1千m2と11億m2台をキープ、前年比2.7%の増加となった。これを加えた平成22年1-12月の年間生産量は130億6,578万7千m2、3.5%増となって、平成7年から20年まで14年間も130億m2台に安住の後、リーマン・ショックを受けて平成21年に15年振りに126億m2まで陥落したものの、わずか1年で元に戻った。経済変動で国民生活に影響が及んでも、段ボール量換算の生活水準そのものまで極端にぶれて、変質してしまうわけではないことを明確に示している。

リーマン・ショックの年の平成20年は、強烈なイメージとして残っている段ボールの値上げの記憶でかき消されがちだが、2月、4月、7月、9月の4カ月を除く8カ月がマイナスだった年で、年間でも2.9%減と、平成13年以来の7年振りのマイナスとなった。しかも、前年の平成19年がゼロ成長、景気が下降に向かっている中で、原材料の値上がりにともなうコスト負担に耐えきれない事態となり、そういうどん詰まりの情勢で段ボール値上げが進行しつつあった一方で、まさに同時的にリーマン証券の破綻、世界金融機関の混乱が社会経済情勢の混乱に輪を広げる成り行きとなったわけである。

だから、振り返ると翌平成21年4月からの原紙代5円分の半値戻しの経過も含めて、段ボール業界がよくもまあその試練を乗り越えられたと大きな感銘を受けるところだが、さらにまた段ボール業界にとって極めて象徴的な数値である年間生産量130億m2をわずか1年で回復したという「幸運」な成り行きが印象深く思われるところとなっている。

平成22年の段ボール生産を地域別に見ると、前年に10.1%減と最大のマイナス地域となった中部が1-3月は2ケタの反動増を示したものの年間を通じては4.8%増、約8千万m2の増加と地域別に全国で最大の回復となった。前年の大幅マイナスが特に自動車産業の落ち込みによるものだったが、平成22年の回復も特に自動車産業の立ち直りによるところが大きく、ただ地元トヨタのアメリカでのリコール問題の決着が平成23年まで尾を引いた影響も否めず、そういう意味では平成23年への地元の期待感が一層高まっていることも事実だろう。

地域別には、このところ北海道の不振が目立っている。平成21年の6.9%減に続いて、平成22年は1.9%減と全国8つの地域の中で唯一のマイナス地域となった。そして4%台の中部を除くと、東北、関東、近畿がそれぞれ全国平均の3%台の増加で、中国・四国・九州の南日本が2%-1%という状況。これには青果物の主要産地という地域イメージが重なるわけで、気象観測始まって以来のような記録的猛暑が、青果物の生育にマイナスだった例外的な年として長く記憶に残ることにもなりそうである。

需要部門別の動向としては平成21年-22年は電機・機械の需要部門がこれほど激動したのも初めて。まず平成21年に電気器具・機械器具用用の段ボール需要が前年比14.0%減少した。これは史上初めて。世界的な経済環境の変化により自動車・家電・工作機械などの主な機械類が全部不振という稀な年であった。

世界最大ゼネラル・モータースが倒産するほどだから、ほかの修飾語は不要ということでもあるが、翌平成22年には一転して電機・機械は9.6%増と反転した。特に前半は目覚ましくて1月が14%増、2月が20%、3月22%、4月14%、5月が12%、6月が10%のそれぞれ増加だった。高度成長期が遥か遠くに去り、ほとんどあらゆる産業が成熟期に入ったといわれる中でのこの荒々しい数字の動きには言葉もないような、そういう凹凸の激しい経済情勢であった。

需要部門別での最大の打撃は青果物の不振。22年は低温・天候不順から始まり夏になると猛暑が原因で、野菜類に甚大なダメージが発生した。秋冬果実で回復に向かったと見られるが。